なぜ日本の景気は良くならないのか
ここ最近、日本の景気の悪さが露呈し、ニュースや話題に挙がっています。
なぜ日本の景気は良くならないのでしょうか。
■日本の状況
日本以外のほとんどの国は、景気は悪くないところが多く、賃金も上がり続けていますが、日本はここ20年以上、賃金がほぼ横ばいで全く上がっていません。
GDPのデータを見ても、他国と比べて日本だけが低い状態が続いています。
最近は円安も進んでいて、物価は上がっています。
物価が上がること自体はそれほど問題ではないのですが、賃金が上がらないため、経済的に厳しくなる家庭が増えることになります。
ただ、世界的に見れば日本は賃金も安く、物価も安く、景気が悪い状況が続いており、日本は完全に後進国となっています。
日本が先進国だったのは、昔の話ということになりますので、自覚するようにしましょう。
円安が進んでいるということは、日本円の価値が下がっているということです。
円安が進めば、輸入品が高くなるので、あらゆる物の値段が上がりやすくなります。
直接輸入する商品でなくとも、物資を運ぶ燃料費が高騰すれば、商品の値段を上げなくてはならなくなります。
また、日本は火力発電に頼っていて、その火力発電の燃料は輸入しているため、電気料金が上がり、あらゆる業界の経費も上がり、物の値段が上がっています。
円安の恩恵である、日本への海外旅行者も、コロナ規制のせいで受けられていません。
今後の規制緩和でどれほど回復するかということになりますが、急激に景気が良くなるとは思えません。
もう一つの円安の恩恵として、輸出業界が儲かるというのも、少し前の円高対策で、海外に工場を作ったところが多く、これも期待できないのです。
アベノミクスで円安にすると言っていたのが、今さら効果が出てきたように思いますが、すべて空回りに終わっています。
これらの要因により、消費者の需要が上がらず、会社も儲からず、賃金も上がらないという悪循環に陥っています。
■理系への差別
日本の景気が上がらない要因として、理系への差別があります。
日本以外はそんなことはなく、むしろ理系の人やIT業界に勤めるような人は、尊敬されたり優遇されるのですが、日本人の理系となると、「オタク」とか「陰キャラ」などと呼ばれ、蔑まれる傾向にあります。
男女平等や人種差別撲滅、LGBTへの配慮などは訴えるのに、理系は平気で差別する人が多いのが、私にはよく分かりません。
こういった文化があるために、理系に進みたいと思う人が減り、IT分野では完全に他国から後れを取ってしまっています。
特に女性による理系への差別もひどく、理系男性を気持ち悪いと言う人も少なくありません。
こんなことでは、日本の景気が良くならないのも当然と考えます。
ほとんどの先進国は、ITによる躍進が目覚ましいのです。
理系の人たちによる活躍がなければ、先進国への仲間入りは不可能でしょう。
こういった差別をなくし、女性も自ら率先して理系に進むようなことでもなければ、景気が良くなることはないかと思います。
政府としても、ようやくデジタル庁を新設したり、教育にプログラミングを取り入れるなどを行うようになりましたが、20年遅いと言えます。
日本のプログラマーは、IT土方と言われ、超低賃金で過酷な労働が課せられています。
理系への差別がなければ、このようなことになってはいないと思うのですが、この差別が改善しない限り、景気の回復は見込めません。
皆さんも理系への差別をしないようにして、他の方にも訴えかけていただければと思います。
■終身雇用制と固定給料制
日本企業は、終身雇用制と固定給料制を採用しているところが多いというのも、景気が良くならない要因として挙げられます。
終身雇用制となると、高齢になっても会社に留まる人が多く、その分若い人の雇用が難しくなり、さらに高齢の人への給料も昇進して上がり続けるので、若い社員への給料や企業財政も圧迫します。
固定給料制については、会社の業績が上がっても下がっても、固定給を従業員に支払うということですが、これのせいで賃上げが難しいのです。
会社の景気が良い時に固定給の金額を上げることはできるのですが、そうすると会社の業績が落ちた時に、減給をしなくてはならなくなってしまいます。
減給と言うと悪いイメージがありますし、労働基準法違反だと訴える社員も出てくるかもしれません。
経営者や人事の人も、あまり減給をしたくないために、下手に固定給の金額を上げられないのです。
すべての企業がそうというわけではないですが、そういった会社が多いので、賃金が上がらず、給料が低ければ、消費も増えず、景気も良くらなないというわけです。
日本も他国のように成果報酬型にすれば良いとも思いますが、成果報酬型というのは実力主義ということになります。
実力主義ということは、実力のない弱い人間は切り捨てるということになり、日本人としては、これもしたくないということなのかもしれません。
日本は地震大国ですので、震災を被った人を助ける習慣があります。
明日は我が身という恐れから、助け合いの精神が根付いているものと思いますが、これが弱い人間を切り捨てられない理由でしょう。
こうなると、解決策は難しいのですが、やはり労働基準法を見直すなどは必要かと思います。
ある程度は雇用を守りつつも、成果報酬型にしやすい税制改革なども必要でしょう。
■教育
プログラミングの教育も重要ですが、もう一つ、教育に取り入れた方が良いものがあります。
別の記事でも書いていますが、経営学を取り入れないと、起業家が増えないということです。
私も起業する際に、商法や税金、経営学など独学で勉強しましたが、そもそも学校で教えてくれていれば早かったなと思っていました。
文系に進んでいれば、大学で勉強する機会はあったのかもしれませんが、理系ではそのような授業は法学くらいしかありませんでした。
高校などで経営学を少し教えていれば、起業家が増えると思います。
起業家が増えれば、日本も活気づくはずです。
会社員の人が、会社が倒産して再就職できないという人も多いのですが、起業という選択肢もあるはずなのに、ほとんどの人がそのような道を進もうとはしません。
おそらく、そういう発想自体がないのかと思われます。
教育に経営学を取り入れていれば、就職先がなければ自分が仕事を作れば良いという発想も生まれやすいと思います。
学校の教育は、ただ勉強するだけのところではないはずです。
生きるための術を身につけるための勉強があっても良いのです。
他国では、お金の運用の仕方を子どものうちに教育するところも多いです。
日本では資産運用など学校で学ぶことはほとんどないですが、こういった教育を一旦見直さなければ、景気の回復も難しいでしょう。
ゆとり教育など、ヌルいことをやるのではなく、何が本当に教育として必要かを考えなければならないかと思います。