政治について思うこと20
ようやく安倍首相が辞任するようですが、現在は依然として頭の良い政治家がいないため、今後の政治には期待が持てません。
今回も前回に続き、政治についての問題など、思うことを勝手に書かせていただこうと思います。
■日本は三権分立になっているのか
日本は立法、行政、司法の三権が分立しているとしています。
国会による立法、内閣による行政、裁判所による立法が、それぞれ独立した権利を持ち、お互いを監視する役目も持つというものです。
しかし、今までも書いてきましたが、日本は三権分立が機能していない面があります。
最近の問題として、森友文書改ざん問題の時に、自殺した財務省職員の遺書を公開してこの問題を調査してほしいと、自殺した職員の妻が訴えを起こしました。
これについて、安倍首相は再調査をする必要はないとして、全く相手にしませんでした。
職員の妻は、調査される側が再調査をしないと言える立場ではないとコメントしていましたが、正にその通りだと思います。
その後、職員の妻らは国を相手取って裁判を起こしていますが、再調査をさせるのは難しいでしょう。
日本は実質として三権分立になっていないため、このようなことが多々起こります。
司法を司る裁判所が、内閣に対して調査することを躊躇するような場面が多々あるのです。
理由としては、裁判を行う検察官が属する検察庁が内閣の指揮下にあるというものが大きいと思われます。
検察庁は法務省に属しますが、法務省は内閣の管轄下にあります。
さらに、調査を担当する警察庁も、内閣の管轄にあるということもあります。
内閣の組織図を見てもらえば分かりますが、警察庁は国家公安委員会に属しており、国家公安委員会は内閣の統轄下にあります。
つまり、検察や警察は内閣の部下となりますので、内閣の人たちを調査するかどうかは内閣が決められるということになってしまいます。
裁判所は、一応独立した形にはなっていますが、形式上のものだけと思われます。
裁判所が機能して内閣を審査したというニュースを聞いたことがありません。
三権分立と言っているのは名目上の話であり、実際は内閣の独裁のような状態になっていると言えるでしょう。
これは日本だけでなく、今のアメリカのトランプ政権も同様のことが言えます。
アメリカも三権分立制のはずですが、大統領は内閣のトップというわけではなく、国家元首に当たるというのも要因としては大きいでしょう。
しかし、今は政治を主に担当するトランプ大統領の独裁によって、やりたい放題やっていて、司法は行政に対して審査が機能していないように見受けられます。
先日も、日本で黒川検事長の定年を6ヶ月延長すると内閣が決めているのが、三権分立の域を超えているという議論がありましたが、これも三権分立が名目だけであることの現れの一つでしょう。
黒川検事長と安倍首相は仲が良いので、黒川検事長に長くやってもらうのが都合が良かったようですが、司法の方の法律を変えるというのが三権分立に反するという声が挙がっていました。
確かに、法を決めるのは国会で、国会では内閣が中心となって進められますので、三権分立になっているようも見えなくはないですが、これがまかり通ってしまうなら、結局裁判所も内閣によって自由に扱われてしまうようにも思えます。
この問題は、その後に黒川検事長の賭け麻雀の問題が発覚し、黒川検事長が辞任したことで終わってますが、日本の三権分立については、やはり機能していないと考えられます。
解決するには、まず検察庁と警察庁を裁判所の管轄下に組織替えした方が良いと思われます。
次いで、内閣を監査する組織を裁判所内に置き、常に内閣を監視、審査をするようにしなければならないかと思います。
ただ、この場合、裁判所の方が暴走する恐れもありますので、内閣や国会にもこれを監視する組織が必要かもしれませんが、お互いを監視し合うことで、不正や独裁による暴走を防ぐことができるかもしれません。
ただ、こういったことを決めるのは内閣しかできないのですが、内閣が自分で自分の首を締めるようなことをするはずがありませんので、いつまで経っても解決しないという状態になっています。
今の堕落した政治家たちでは解決はできませんので、自分にも厳しくできる新しい政治家が出てくるのを待つしかないでしょう。
■責任の取り方
上の黒川検事長の問題で、任命責任は私にあると安倍首相は言っていましたが、その責任の取り方については何も言わず、何も責任を取るような行動はありませんでした。
責任の取り方というのは、明確な定義はありませんが、責任を取るなら行動をしなければなりません。
会社で部下がミスをした時に上司が責任を取るなら、お客様のところへ謝罪に行ったり、賠償金を払うなりするものです。
責任は私にあると言うなら、なんらかの行動が必要であるはずですが、何もないというのはおかしな話です。
以前、このサイトでも「責任を取る」と言って辞任するような政治家は無責任であると書きました。
これは、責任の取り方として、辞職すれば責任を取ったことになるのは違うのではないかと思うからです。
辞任をすること自体は良いのですが、その前に謝罪や賠償金の支払いや、その後の再発防止策の提案、辞任後の引き継ぎ作業などをした上で辞職するべきということです。
それなのに、単に辞めるだけというのは無責任ではないかということです。
しかし、「責任は私にある」と言ったのに何もしないのは、それを超える無責任さであると思われます。
このようなことは、我々の仕事での責任の取り方や生活上の人間関係においても考えられないことでしょう。
責任があると分かっているなら、それなりの行動を示さなければ、口だけの人ということになります。
このような人物がこの国の首相になっているのですから、おかしな世の中になったものです。
支持率が低下したとは言え、まだまだ安倍首相の支持率が高かったのが不思議なのですが、くれぐれも皆さんにはこういった問題に目をそむけることなく、政治家の動向を常にニュースなどをよく見て、支持する政治家を見極めていただきたいと思います。
■香港の民主化運動
香港での民主化デモが続いていて、今もなお解決されていませんが、中国が独裁国家である以上、民主化を実現するのは非常に難しい問題です。
香港は、中国が清の時代にイギリスの植民地になり、イギリスの民主主義が定着していましたが、1997年に中国に返還されたため、中国による独裁とそれまでの民主主義の一国二制度になってしまっています。
中国の独裁に不満を持つ人々が増え、逃亡犯条例改正案の撤回を皮切りに、デモが広まって過激さを増し、中国側も軍による制圧などで問題となっていました。
最近では、デモの中心人物たちが逮捕されてすぐに釈放されるなどの動きがあり、多少デモの動きは収まっているものの、完全に運動が終わったわけではありません。
ただ、この問題は簡単には解決できません。
解決するには、中国政府自体を討ち倒すか、香港が新しい国家として独立するしかないでしょう。
いずれも戦争になります。
このような主義の違いを話し合いで解決した例はないと言っても過言ではありません。
香港が国として独立するのも、中国がみすみす許すわけがないのです。
これを許してしまえば、中国の他の自治区も独立すると言い出す可能性があるのです。
なので、中国政府は軍を派遣して力ずくで独立を食い止めるはずです。
これらを押さえつけて勝つことができれば、香港は独立国家として民主主義が実現しますが、戦争の波紋は他国を巻き込む恐れもあります。
社会主義国家であるロシアや北朝鮮などが中国を支援し、民主主義であるアメリカ、欧米諸国などが香港を支援すれば、第三次世界大戦に発展しないとも言い切れません。
こういった懸念があるために、香港も軽々しく独立などできませんし、ましてや中国政府を打ち倒すというのも、平和的には絶対にできない話です。
こういった理由で解決が非常に難しい問題ではありますが、今のままデモを続けていても埒が明かないのは間違いないでしょう。
我々にはどうすることもできませんが、少なくとも香港の現状や、国家体制についても知っておくようにすると良いと思います。