言葉を知る13

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前回に続き、間違いやすい言葉などについて少しご紹介させていただこうと思います。

 

■類まれなき強さ?

「類(たぐい)まれなき強さ」という言葉をたまに聞きますが、この使い方は正しいのでしょうか?

そもそもの伝えたい意味としては、他に同じ類がないほどに強いという意味かと思います。
だとすると、「類まれなき強さ」という言い方はおかしいことになります。

「まれなき」の「まれ」は「稀」、つまり滅多にないとか貴重という意味です。
なので、「まれなき」は稀ではないので、たくさんあるという意味になってしまいます。

「類まれなき強さ」と言ってしまうと、稀ではない強さなので、普通という意味になり、本来の意図とは逆の意味になってしまうかと思われます。

正しくは、「類まれなる強さ」と言うようです。
非常にややこしいですが、おそらく間違って使う人の方が多いと思われますので、注意しましょう。

 

■UFOの意味

UFOを地球外から来た宇宙船のような意味で使っている方が多いと思います。

UFOは、Undefined Flying Objectの略で、「未確認飛行物体」であることは皆さんご存知かと思います。
「未確認飛行物体」ですので、厳密には宇宙船という意味ではありません。

それなのに、テレビなどで何か宇宙船のようなものの目撃した時、「あれはUFOではないか」とよく聞きます。
確かに、未確認の飛行物体であればUFOなのですが、口にしている本人は宇宙船という意味で使っていることが多いようです。

未確認の飛行物体であれば、鳥でもドローンでもUFOなのです。
もちろん、特定できた段階でUFOではなくなりますが、何か分からない段階なのに、「あれはUFOなのではないか」と言うのは違和感があります。

ただ、「あれは地球外生命体の宇宙船ではないか」といちいち言うのもおかしな気がしますし、最近ではUFOを宇宙船という意味で使っている人が多いので、間違いというわけではないかもしれません。

関連することで、「宇宙人」という言葉を、「人型の地球外生命体」の意味で使っていらっしゃる人も多いと思います。
しかし、「地球人」も宇宙に属する人であり、「宇宙人」に入りますので、厳密には「地球外の人」だけではありません。

まぁ、これも「宇宙人」を「人型の地球外生命体」の意味で使う人が多いので、間違いとは言い切れないかもしれません。
なるべく正しい言葉を使ってほしいとは思いますが、本来の意味だけでも理解をしておくようにしましょう。

 

■一般的な名称として使われている商品名

少し前に流行ったウォークマンというのがSONYの商品名であるということは、ご存知の方も多いかと思います。
カセットテープを再生する携帯プレーヤーのことですが、一般的な名称としては、携帯ミュージックプレーヤーと呼びます。

このように、一般的に使われている名称が、実は商品名だったというものは意外と多いものです。
以下に、商品名(メーカー名)→一般的な名称という形で挙げていきたいと思います。

オセロ(株式会社メガハウス)→リバーシ
宅急便(ヤマト運輸)→宅配便
ウォシュレット(TOTO)→温水洗浄便座
シャープペンシル(SHARP)→メカニカルペンシル
テトラポッド(中堅ゼネコンの不動テトラ)→消波ブロック
ドライアイス(ドライアイス・コーポレーション)→個体二酸化炭素
ホッチキス(伊藤喜商店 現、株式会社イトーキ)→ステープラー
キャタピラー(キャタピラー三菱)→無限軌道
タッパー(米タッパーウェア)→プラスチック容器入れ
ルンバ(iRobot)→ロボット掃除機
万歩計(山佐時計計器)→歩数計
チャッカマン(東海)→ユーティリティライター
のどぬ~るスプレー(小林製薬)→喉用スプレー

いかがでしょうか?
他にも色々あるかと思いますが、世間一般的に使われている言葉なのに、実は商品名だったというものは多いかと思います。

ほとんどの商品が商標登録もされているかと思いますが、言葉として一般的に使う分には、メーカー側も悪い気分ではないと思いますし、それを容認しているところも多いかと思われます。

もちろん、似たような商品を、その名前を使って販売してしまうと、問題になる可能性はありますが、我々が一般的にこれらの言葉を使うのは問題ないとは思います。
これらのことを知っておくと話のネタにもなりますので、覚えておくと良いかもしれません。

ちなみに、商品名ではないですが、プチトマトとミニトマトにも違いがあります。
ミニトマトというのが小さなトマトの総称であり、プチトマトは品種の名前でミニトマトの一つだそうです。
今はプチトマトという品種は作られていないので、小さなトマトはミニトマトというのが正しいということです。

 

■漢字による意味の違い

以前も少し書きましたが、その続きとして、同音で漢字が異なるものの意味の違いを少しご紹介しようと思います。

「観る」と「見る」の違いは、「観る」は映画などを集中して観る時に使い、「見る」は何となく見るということは、ご存知の方も多いでしょう。
「聴く」と「聞く」も同じ様に、「聴く」が集中して話や音楽などを聴く時に使い、「聞く」は何となく聞こえてくる時に使います。

「答える」と「応える」は、「答える」が問題やクイズに答える時に使い、「応える」はメールや呼びかけに応える時に使います。
「解答」と「回答」も同じで、「解答」が問題などに解答する時に使い、「回答」はメールなどに回答する時に使います。

「図る」、「測る」、「計る」、「量る」の違いですが、「図る」は計画する時に使い、「測る」は長さを測る時に使い、「計る」は時間などを計る時に使い、「量る」は重さを量る時に使います。

「写す」、「映す」の違いは、「写す」はお手本と同じものを書いたり、写真を写す時に使い、「映す」はスクリーンに映す時や、反映の意味で使ったりします。

「飛ぶ」、「跳ぶ」の違いは、「飛ぶ」が空を飛ぶ時に使い、「跳ぶ」はジャンプする時に使います。

「打つ」、「撃つ」、「討つ」の違いは、「打つ」が何かを叩く時に使い、「撃つ」は銃で弾丸を撃つ時などに使い、「討つ」は誰かを倒すという意味で使います。

「生かす」と「活かす」はどちらも同じように使って良いようですが、どちらかと言うと「生かす」は死なないようにする時に使い、「活かす」は物や機能などを活用する時に使うのが良いかと思います。

「怖い」と「恐い」も違いはないようです。
ただ、「怖い」の方が常用漢字で、「恐い」は常用漢字として登録されていないので、迷ったら「怖い」を使えば良いとのことです。

他にもあれば、また別の機会にご紹介させていただこうと思います。

 



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