経営者目線で考える17

0 Comments


前回に続き、経営者目線で様々な事例を考察してみたいと思います。

 

■馬券の購入費は経費にならない?

先日、某芸人さんが競馬で6400万円の大勝をして、破産したとのニュースがありました。
払戻金に対する税金が支払えないということのようです。

理由として、6400万円の勝ちはあったものの、外れ馬券の購入費を差し引くと、トータルではマイナスとなっており、税金を支払うことができないということです。

確かに、1億円分の馬券を購入して、3000万円の収入があったとすると、トータルでは7000万円の赤字となるのに、3000万円に対する税金がかかります。
もし、1億円の馬券購入が経費となれば、利益はマイナスなので、税金はかからないはずですが、実際馬券の購入費は経費となりません。

理不尽な話ではありますが、例えば趣味でギターを購入して、路上ライブなどをやっていたら、人気が出てきて収入が何百万円か出た場合、その収入に対して税金がかかりますが、ギターの購入費は経費にはなりません。
もともと趣味で始めたギターなので、その購入は経費として認められないというわけです。

馬券も、趣味で購入した扱いになりますので、馬券の購入費は経費にはならないということです。
宝くじも同様で、宝くじの購入費は経費にはなりませんが、大当たりで税金の控除額以上の収入があると、課税されます。

こういった購入費を経費としたいなら、個人事業を起ち上げて、税務署に届け出なければなりませんが、賭博の場合は、賭博禁止法にひっかかってしまうかと思われます。
上のギターの例であれば、個人事業として起ち上げた場合、起業後に購入したギターであれば、経費と認められる場合があります。

その芸人さんにはかわいそうな話ではありますが、賭博をやる場合は、こういった危険がひそんでおりますので、十分に注意する必要があります。

 

■スシローの広告問題

先日、スシローで半額セール広告が、開催期間前にお店に貼ってあって、問題になったというニュースがありました。

経緯としては、スシローでお客さんが、ビールの半額セールの広告があったので、注文したところ、会計で半額になってなかったというSNSの投稿があったところから、端を発しています。
店員の話では、その広告は予告ですと言ってたそうですが、開催日は記載されていませんでした。

これについては、私の見解としては詐欺罪に当たるのではないかと思いました。

スシローの経営者側は、店員の勘違いとして、後で釈明していますが、その店員は予告ですと言っていたので、開催前と知っていて広告を貼っていたことになります。

現在、この問題は、景品表示法違反として処分されたようですが、それは開催日が書いてあった場合に成立するものと考えます。
つまり、開催日が広告に記載されていれば、客側がそれを見落としたものとできるものの、紛らわしい広告であるという判断の、景品表示法違反となると思うのです。

このケースの場合、店員は開催前と知っていて広告を貼っていたことと、さらに半額セールの開催時期が書いていなかったことから、明らかに客を騙して注文させ、お金を取ろうとしていた詐欺罪が成立するものと考えられるのです。

単なるミスとは済まされず、一発アウトの犯罪であると考えられるのですが、景品表示法違反というのは民事ですので、穏便に済まされたようです。
何が忖度されているのか分かりませんが、真っ当に事業を続けている経営者も多いので、公平に裁いていただきたいものです。

スシローはその後も、ビールの半額セールの開催期間中、ビールが品切れで注文できないというSNSへの投稿があったり、ビールのジョッキが通常時より小さいという、悪質なサービスが話題となりました。
ビール業界が不況の中、ビールが品切れというのもおかしな話ですし、ジョッキが小さければ半額とは言えませんので、明らかに悪意を感じます。

世の中、不景気とはいえ、客を騙すようなことはしてほしくはないものです。

 

■なぜクソゲーを発売するのか

ゲーム会社は、テスト段階で、面白くないということが分かるはずなのに、なぜクソゲーを発売するのかという話題がありました。
クソゲーと判断できた時点で、発売を止めるべきという意見のようです。

ただ、これも経営者の目線で考えなければなりません。

例えば、企画や開発段階で、1億円の売上を見込んでいて、3000万円をかけて開発したとします。
テスト段階で、面白くないと発覚した場合、ここで発売を止めてしまうと、3000万円の損失となります。

そのまま発売する場合、ROMの生産にさらに3000万円がかかるものの、発売をすればなんとか6000万円くらいの売上が見込めるのであれば、利益は0円ですが、赤字にはならないので、発売に踏み切るという判断もあるというわけです。

期待を裏切られたゲーマーには申し訳ないと思うのものの、会社の存続のためにはやむを得ずクソゲーを出してしまうことがあるということです。

もちろん、さらに開発費をかけて、クソゲーにならないように作り直すという選択もあるかと思いますが、広告をすでに出していて、発売日をあまり延期できない状況の場合は、なかなかそれも難しいのです。
高い開発費用をかけて作り直したとしても、発売延期などの影響で、もし売上が見込みよりも大幅に下回ってしまったら、大赤字となって倒産してしまう可能性も出てきてしまうのです。

クソゲーを買わされた人には、たまったものではありませんが、少し視点を変えて、経営者目線で考えてみるのも良いかもしれません。

 



関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを投稿する

メールアドレスが公開されることはありません。メールアドレスを入力すると、返信があった時に通知されます。
※が付いている欄は必須項目です。

※コメント送信前に以下をご確認ください。

コメントは承認制になっております。
どんどんお気軽にコメントを投稿していただいても構いませんが、記事の内容と関係ないものは掲載されませんので、ご注意ください。
逆に、記事の内容に沿っていれば、どんな批判的なコメントでも受け入れさせていただきます。

私自身、未熟なことは重々承知しておりますので、批判的なご意見を書き込んでいただくのは大いに結構なのですが、どこをどう改善すれば良いか分からないコメントも多いため、できましたらどの部分がどういった理由でダメなのかや、改善策も述べていただけますと幸いです。