物事を多角的に考える34

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前回に続き、様々な事例について多角的に考えてみたいと思います。

 

■誤振込事件のお金はなぜ返済されたか

少し前ですが、山口県阿武隈町で特別給付金4630万円が、誤って一般男性一人に振り込まれ、返済せずにオンラインカジノなどに使ってしまったという事件がありました。

確かに、窃盗の事件でも、盗んだお金を使い切ってしまい、無一文となれば、裁判で賠償命令が出たとしても、ないお金は返済することができないというケースが多々あります。
おそらく、こういう知識が少しあったか、誰かから聞いたために、最初はお金を返そうと思ったものの、気が変わってお金を使おうとしたのかもしれません。

もし、カジノでお金を増やすことができれば、増やしたお金の儲け分が手に入るという魂胆だった可能性があります。
結局オンラインカジノでお金を増やすことができず、全額使い切ってしまったようですが、その後、カード決済代行会社4社から合わせて4000万円近くが阿武隈町に返済されたようです。

なぜ、カード決済代行会社はお金を返済することができたのでしょうか?
テレビで専門家などは、カード決済代行会社が事件に巻き込まれたくないので、立て替えたのではないかなどと言っていましたが、私の考えとしては、おそらく保険が下りたのではないかと思うのです。

カード決済を代行する会社は、第三者がカードが不正使用した場合に備え、保険に入っている可能性が高いです。
その保険料は、おそらくカード決済代行会社を利用する際の手数料として負担している中に入っているかと思います。

私も、カード決済代行会社を使って有料システムを運用しているのですが、手数料はお客様負担ではなく、運営会社である私の会社の負担となります。
銀行振込の場合は、振込手数料がお客様の負担となりますが、カード決済代行会社を使ってカード支払いをできるようにする場合は、運営会社にとっては結構な手数料の負担があるのです。

この手数料に保険料も含まれていれば、もし、第三者によるカードの不正使用があった場合に、被害者に返金ができるわけです。

今回のケースもそうなのではないでしょうか?
通常は、警察に被害を届け出て、保険会社がきちんと調査して、被害が認められれば、保険が下りることになるのですが、このケースでは田口容疑者が逮捕された時点で、犯罪は認められたので、早い段階で保険が下りた可能性があります。

カード決済代行会社も、返済したお金についての説明はしていないので、真相はよく分かりませんが、そう考えればカード決済代行会社がすぐに多額のお金を返済できたのも納得がいきます。

この事件に関しては、誤振込がなければ、田口容疑者も犯罪者にはならなかったので、誤振込をした役所が悪いという意見もありましたが、それは違うと思います。
例えば、落とした財布を拾った時に、警察に届け出ずにお金をネコババをしておいて、落とした人が悪いと言っているようなものです。

ただ、誤振込をしてしまった背景には、ITシステム化ができておらず、間違いが起こりやすい状況になっていたというのは、その通りかと思いますので、各自治体や役所の人たちには、ITシステム化を進めて、間違いが少なくなるような環境を作っていただきたいものです。

 

■ひっかけ算数クイズ

ある人が300円を持っていて、170円のものを買いました。お釣りはいくらでしょう?

という問題があり、理系は130円と答えるが、文系は30円と答えるという話題がありました。

なるほど、面白い問題とは思いますが、この問題文の場合は、やはり答えは130円が正解かと思います。
と言いますのは、いくら支払ったかが問題文に書いていないからです。

お釣りが30円となるのは、100円玉を3枚持っていて、200円を支払った場合となります。
もし、300円を全て10円玉で持っていたら、170円ちょうどを支払えるのでお釣りは0円です。
もっと言えば、電子マネーで支払ってもお釣りは0円です。

支払った金額が書いていない以上、300円全てを支払い、お釣りとして130円受け取ったと考えるのが妥当かと思います。
会計上、100円玉を3枚持っていて、170円のものを買う場合、300円を支払って、130円を受け取ることは可能です。
ただ、店員によっては、100円玉1枚は要りませんと断られる場合はありますが、特にそのようなことは問題文には書いていないため、全額支払ったと判断するしかありません。

理系は130円と答えるが、文系は30円と答えるというのも、面白い結果かと思います。
文系の人は、300円と書いてあっても、現金で100円玉3枚を固定観念として想像してしまい、理系は数字しか見ていないということかもしれません。

結果的に理系の人が正解であるものの、深く考えると面白い問題と言えます。

 

■腸内環境と人間社会

人間の腸内環境には、人間にとって良い働きをする善玉菌と、悪影響がある悪玉菌がいて、さらにどちらが優勢かによって善玉菌か悪玉菌に変わる日和見菌というのがいるそうです。
その割合は、善玉菌:日和見菌:悪玉菌=2:7:1が理想だそうです。

つまり、悪玉菌も人間には少しは必要ということです。
なぜかというのは、バランスを取るためということらしいのですが、これは人間社会も同様なのではないかと思いました。

人間社会にも、犯罪や戦争、テロなどを起こすような悪人が常に出現しますが、もし全く悪人がいない世界となってしまうと、誰も平和を維持するための努力をしなくなり、みんなが平和ボケしてしまうことになるでしょう。
警察や軍隊もなくなり、一見平和で良さそうな世界に見えますが、いざ何かが起きた時に、その世界はすぐに壊滅してしまいます。

犯罪者やテロを起こすような人がいるから、警察や軍隊を作って、訓練と努力を重ねて、何が起きても対応できるようにしています。
そう考えると、悪人もこの世界には少しは必要なのです。

腸内環境も、おそらく同様でしょう。
悪玉菌がいるから、それに負けないように善玉菌が働き、日和見菌を取られないようにしています。
これによって、健康が維持されていると考えられます。

もし悪玉菌が多くなってしまうと、日和見菌も次々につるんで悪玉菌となり、健康を害してしまいますので、腸内環境は常に整えておく必要があります。
腸内環境を整えるには、納豆や味噌、ヨーグルトなどの発酵食品が有効ですので、なるべく毎日発酵食品を食べるようにしましょう。

 



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