政治を監視する
政治を行う国会議員は、国民が選挙で選んでいるはずではあるのですが、国会ではなぜか国民の批判を受け続けているのが、疑問で仕方ありません。
良い政治家がいないというのも事実かと思いますが、政府の皆さんには、もう少し国民の声を聞いていただきたいものです。
ここでは、政治についてと、我々が考慮すべきことを述べたいと思います。
■集団的自衛権
昨今、よく国会で議論されているのが、安全保障法制です。
安全保障法制とは、自衛隊派遣や集団的自衛権に関する法整備のことです。
このサイトでも私の意見を述べていますが、集団的自衛権は絶対に必要なものです。
ただ、今の政府の意見には反対という立場になります。
集団的自衛権は、同盟国が攻撃された場合に、自国が攻撃されていなくても、敵国に攻撃ができる権利です。
これがないと、戦争が発生した時に、同盟国が滅ぼされた後、自国が攻撃されるという、各個撃破作戦を採られますので、圧倒的不利になります。
ただ、集団的自衛権の使いどころを間違えれば、いらぬ戦争に巻き込まれるリスクが増えるのは事実です。
それを、リスクが増えないと言い切る政府は一切信用できません。
また、自衛隊派遣については、集団的自衛権を発動してない状況であれば、基本的には派遣しないというスタンスを採るべきかと思います。
しかし、同盟国であるアメリカの言い分も分からなくはないので、武力行使は行わない条件で、後方支援のみ行えるようにする必要はあるかもしれません。
その場合、日本の自衛隊が敵国に攻撃された場合、反撃できないのかという問題が生じますが、武力行使を行わないという条件を設定していれば、反撃はできないということになります。
正当防衛だから良いのではないかという意見もあるかと思いますが、やはり武力行使を行わないという条件があるのであれば、反撃はできないようにした方が良いでしょう。
攻撃されたら逃げるしかないということになります。
もちろん、正当防衛の場合は武力を行使しても良いという条件にしても良いですが、その場合は、やはり国民の皆さんが懸念しているような、戦争に巻き込まれるリスクが高まってしまうでしょう。
難しい問題ではありますが、今の政府は、アメリカの言いなりになって、自ら進んで戦争に巻き込まれたいとも思えるような意見が出ているので、我々が慎重に見定めて声を挙げる必要があるのかと思います。
また、集団的自衛権をきちんと確立させるためには、憲法を改正しなければなりません。
政府は憲法解釈の変更のみを行って強引に法案を通そうとしていますが、国民にちゃんと説明をして、投票によってしかるべき憲法に改正する必要があるでしょう。
■TPPは参加した方が良いのか
TPPについては、現在交渉中ではあるのですが、非常に難しい局面に陥っているようです。
私もTPPには反対ではなかったのですが、やはり日本の農家のことを考えると、堂々と賛成とは言えない状況です。
TPPというのは、環太平洋戦略的経済連携協定といって、要するに太平洋付近の国々が、関税を完全になくして、貿易を盛んにしましょうという協定のことです。
輸入品が自国に普及してしまうと、自国の生産が壊滅的ダメージを受け、その業界が破綻してしまう場合、輸入品の売上を減らすために、国が関税をかけて、高く輸入品を売るようにして、自国の生産業を守っています。
関税をなくして輸入品を安く提供できるようにするのがTPPなのですが、消費者には製品が安く買えるのでありがたいものの、輸入品によってダメージを受ける業界は、廃業に追い込まれて路頭に迷う人が出てくるのも否めません。
TPPのメリットとしては、自国が主力として生産している製品を、関税なしで海外で安く買ってもらえるので、売上が上がるということです。
日本の場合は、主力製品は自動車や家電製品がありますが、逆に輸入品が増えて不利になるのが、農産物や米などです。
日本の農家が減ってしまうと、自給自足ができなくなり、戦争や輸入の滞りなどのアクシデントが起きた時に、食料不足が起こってしまうという危険があります。
ただ、関税というシステムが、不公平なものであるとは思います。
製品によってはこのくらいに関税をかけるが、この業界の製品は関税をかけないという手法で行われていますので、関税のない業界で働いている人にとっては、なぜ農家だけが関税で守られているのかと思ってしまう部分はあります。
しかし、先ほど説明したような食料不足が起こり得るということを考慮すれば、やむを得ないとも考えられます。
日本の農産物がもう少し安定的に、安価で大量に生産できていれば、関税をなくして輸入品が増えても、それほどの打撃ではないのですが、やはり土地的な問題もあるので、それも難しいようです。
現在のTPP交渉では、例外として日本への牛肉の輸入などには関税をかけるという交渉をしているようですが、難航しているようです。
このままでは、何も進めませんので、とりあえず様々な例外を含めてTPPに参加し、徐々に例外を取り除いていくという方向でできるのであれば、それが良いのかもしれません。
農家の方々にとっては、国内の売上が落ちるかもしれないという大変な脅威が発生しますが、日本の農産物はとてもおいしいので、海外に輸出をすれば、少々値段が高くても売れる可能性は高いと思います。
輸出をすると言っても色々と大変ですので、政府は輸出を手助けするための説明会などを行って、サポートする必要があるかと思います。
■税改正をする
2014年4月に消費税が8%に増税されました。
また、2017年頃に消費税が10%の上がるのも決まっています。
税金をどこに比重を置くかは非常に難しい問題ではありますが、この不況下で消費税を上げるのは得策ではないと思います。
消費税は、低所得者層にとって不利な税金だからです。
例えば、100万円の車を買う時、消費税は8万円となり、3万円の増額となりますが、高所得者層にとってはそれほどの割合ではないのに対し、低所得者層にとって3万円はかなりのウエイトを占めるのです。
日本だけでなく、どの国も低所得者層の方が多いので、低所得者層の負担が重くなって、消費が落ち込めば、日本全体の景気が悪くなります。
景気が悪くなれば、会社も儲からず、社員への給料も増えないという悪循環に陥るのです。
不況下では消費税を上げるのではなく、所得税率を改正し、高所得者層からたくさん取るようにした方が良いと思います。
高所得者層には申し訳ないですが、その方が景気が回復しやすくなるかもしれないのです。
法人税については、既に十分に高所得の法人税が高いので、そのままで良いと思われます。
また、ある経済学者の意見では、世界中の国で高所得者層の税率を上げた方が良いとのことです。
ある国だけが、所得税を高くしてしまうと、高所得者層は所得税率の安い国に移住していってしまうからです。
現実的にはなかなか難しいですが、その通りだとは思いました。
高所得な方は、当然大金を稼げるほどの優秀な方が多いので、他国に流れてしまうと、国にとっても大きな損失となってしまいます。
世界の不況は、世界各国で対応が必要ということなのかと思います。
■マイナンバー制度について
今年10月にようやく導入されるマイナンバーですが、先日、年金機構への不正アクセスによる年金情報漏洩があり、不安な声が挙がっています。
マイナンバー制度自体は、非常に有用かと思いますので、導入した方が良いのではありますが、導入が遅すぎるという思いもあります。
各役所での手続きが、マイナンバーを提示するだけで、情報を引き出すことができますし、一元管理になるはずなので、色々なところで手続きするという必要がなくなるものかと思います。
ただ、先日の年金情報流出については、私も不安が残りました。
人的ミスは仕方ないにしても、各マシンにセキュリティソフトが入っていなかったのかというのが非常に気になります。
ニュースを見ていても、ずさんな管理体制、全く的を射ていない対応、セキュリティの知識不足などから、きちんとしたセキュリティ会社やシステム会社に委託していないように見受けられます。
民間の企業ならあり得ない話ですが、役所のようなところは、ITに詳しい人物が少ないと思われますし、きちんと対応できているかどうかは疑問が残るところです。
役所のようなところは、大量に重要情報を扱っているので、システムやセキュリティにしっかりとお金をかけて、外部の信頼できる企業に委託してほしいものです。
政府がIT化に消極的という面もあるのかもしれません。
政治家自体が文系なので仕方ないのかもしれませんが、もう少し真剣に対応していただきたいものです。
マイナンバー制度の方は、どのようなシステム化をしているのか分かりませんが、我々もじっくりと監視する必要があるのかと思います。
政治を監視するというのも大変なことではありますが、政府の発言や進む方向性がおかしいと感じたら、どんどん声を挙げていくということが重要なことなのかと思います。