物事を多角的に考える2
以前も書きましたが、物事を多角的に考える方法について、様々な視点から考えてみたいと思います。
■大局を見る
何かを考えたりする時に、視野が狭いとそれだけアイディアもあまり浮かばなくなってしまいますし、選択肢も少なくなってしまいます。
物事を多角的に考えるためには、大局を見るというのは不可欠です。
何か実行する時に、この方法しかないと思い込んでしまうと、どうしても他の考えにたどり着きにくくなってしまいます。
他にもっと良い方法があったとしても、固定観念が邪魔をしてしまい、もし他の人から意見されたとしても、突っ走ってしまう場合があるのです。
そういったことを防ぐためには、常に大局を見るということを意識する必要があります。
大局を見ると言っても、なかなかよく分からない人も多いかもしれませんが、要は客観的に見たり、周囲の状況に気を配ったりすることです。
ある映画で、非常に感銘を受けた作品があります。
中国の秦の始皇帝の頃の話で、ある人が秦に家族を殺されたことから刺客となり、始皇帝を暗殺しようとする話なのですが、始皇帝の命を狙う他の刺客たちを殺し、始皇帝に近づき、そこで暗殺しようと計画します。
ただ、その刺客は他の刺客たちに恨みはないので、協力して刺客たちを殺したことにして、刺客たちの武器を借りて、殺した証とします。
しかし、その中の一人の刺客は、心を入れ替えて始皇帝の暗殺に反対します。
仲間の刺客は、地に大きく「天下」とだけ文字を書き、その刺客の始皇帝の暗殺を止めようとしたのです。
結局、その刺客は始皇帝に近づくことができたのですが、直前で思いとどまり、逆に始皇帝に殺されてしまったという話です。
なぜ、仲間の刺客は「天下」という文字を書いたのか。また、その刺客はなぜ始皇帝を暗殺しなかったのか。
と言うのは、せっかく戦国の時代から秦が天下統一し、平和に向かっていたのに、自分の私利私欲のためだけに始皇帝を殺してしまえば、再び戦乱の世がきてしまい、多くの人がまた苦しむことになるからです。
これを観た時に、私も大局が見えていなかったと反省した覚えがあります。
確かに、自分の私利私欲のために色々と動くことも必要ですが、大局を見失うと、周囲でとんでもないことが起こってしまうかもしれないという戒めなのかと思います。
何か行動する時や、考える時は、大局を見るということを忘れないようにしましょう。
■発想を転換する
物事を考える時には、発想の転換が必要な場合もあるでしょう。
よく使われる表現ではありますが、実際に行うのは非常に難しいものかと思います。
問題に対して、ある方法がダメだった場合に、その方法から真逆の発想をして、より良い方法を導き出すという考え方です。
例えば、推理ドラマであった話ですが、毒殺された殺人事件の証拠として、毒物の入ったと思われるビンがあったのですが、実はそのビンは関係ないものだと発覚した場合、それを諦めてしまえばそこで終わってしまいますが、刑事は発想を逆転させ、そのビンを毒物が入った証拠として容疑者に突きつけたのです。
すると、容疑者は、それは偽物で本物は茶色のビンだと口走ってしまったのです。
犯人以外にそのことは知りませんので、結局その証言が決め手となって逮捕されたという話です。
もちろん、それらの間に色々とやり取りがあって、切羽詰まった容疑者がそれを口走ってしまったのであって、それほど簡単な話ではないのですが、あまり詳しく書けないので省略させていただいています。
見事な発想の転換をした話だと思います。
他の例としては、戦国時代で城を攻める時、力押ししかないと思っていても、発想を転換して、逆に退却して城の兵を誘い出したり、城の中から武将を内応させて門を開かせるなどが考えられます。
現代なら、会社の営業の人が自社製品を顧客に勧める時に、いきなりその製品を勧めてもうまくいかない場合が多いので、発想を転換して、お客様の悩みを聞いたり、他社製品の短所を例に出したりなどが考えられます。
何か物事を考える時は、色々な発想をする必要があります。
一つの方法がうまくいかないと思ったら、その考えに固執せずに排除して、他の方法を考えてみるクセをつけるようにしましょう。
■会話時は相手の立場に立つ
誰かに意見をする時は、相手の立場に立つ必要があります。
自分がそれを言ったことによって、相手がどう思うかを考えることです。
簡単な方法としては、発言をする前に、自分がそれを言われたらどう思うかを考えるのが良いでしょう。
もちろん、人によって受け止め方は変わりますが、手っ取り早い確認方法だと言えます。
会話の最中にそんなことを考えている暇はないという意見もあるかと思いますが、慣れれば瞬時に考えることもできるようになります。
普段の会話から意識して練習してみると良いでしょう。
まぁ、家族や友達との会話で、そこまで神経質になることはありませんが、ビジネスの場では相手の立場で考えることは重要になってきます。
お客様との打ち合わせの時や、上司との会話でも気を遣う必要はあるでしょう。
下手に話してしまって、お客様や上司の気分を害してしまっては、仕事がやりにくくなってしまう可能性が高くなってしまいます。
なるべく発言する時には、相手がどう思うかを考えるようにすると良いでしょう。
ただ、それを考えすぎてしまうと、会話のテンポが狂ってしまったり、言いたいことが言えずに次の話題になってしまったりする場合もあるので、考え過ぎも禁物です。
自分の発言が相手にどう受け止められるかを考えるのは、そんなに難しくはないと思いますので、可能な限り早く、相手の気持ちを考えた上で発言するようにすると良いでしょう。
■夢は持った方が良いか
将来の夢というのは、大きい方が良いと言われますが、夢などなくても生きていくことはできますし、夢を叶えられない人も当然いらっしゃいます。
夢が叶うかどうかは、その夢の内容と、その人の能力によります。
例えば、プロ野球選手になって、メジャーリーグに行きたいという夢を少年が持っていた場合、それが実現できるかどうかは、才能に影響される部分が多いのです。
もちろん、努力も必要ですが、努力だけではどうにもならないものがあるのも事実です。
ところが、将来は弁護士になりたいという夢であれば、多少能力が劣っていても、努力し続ければ実現できない夢ではないのです。
ただ、それでも、あまりに記憶力が悪い人であれば、それも実現できない可能性もあります。
夢を持つことは良いことではありますが、実現できない夢をいつまでも追い続けていては、時間の無駄となってしまうかもしれません。
自分の夢の内容と、自分の能力を、客観的に考えて、実現できる可能性はどのくらいあるのかをよく考え、夢を諦めるのか、追い続けるのかを決めることは、非常に重要なことかと思います。
サラリーマンの方が、いつかは起業してでかいことをやりたいとおっしゃる方も多いのですが、これは本気で考えているのかと疑ってしまいます。
もし本気であれば、今からできる準備などの行動をしているはずですし、いつかはと言わずに、何年後には○○をしているなど、具体的に語っているはずです。
何も夢がないという人よりはマシかと思いますが、もし起業するという夢を本当に実現したいのであれば、実現性、アイディア、計画などを考えてみるところから始めていただければと思います。