物事を多角的に考える32
前回に続き、様々な事例について多角的に考えてみたいと思います。
■名選手名監督あらず?
「名選手名監督あらず」という言葉があります。
野球などの名選手であった人が、名監督になるとは限らないという意味ですが、これは正しいのでしょうか?
これについては、ある程度は的を射ていると思います。
もちろん、名選手であった人が名監督になることも多いですが、そうなるかどうかは、その人のタイプによるということかと思います。
タイプというのは、努力型か天才型かということです。
天才型は、生まれつきの才能があり、誰にも教わらなくてもそのスポーツができてしまう人です。
誰にも教わらなくてもできてしまうので、人からあまり教わらずに名選手になることもできるため、教えるのが上手ではない可能性があるのです。
教えるのがうまくなければ、名監督にはなれません。
逆に、努力型の人は、人からの教えをしっかりと受け止め、練習を重ねることが多い人です。
人からしっかり教わってプロになる人が多いため、他人に教えることもうまくなると思われます。
また、自分が試行錯誤を繰り返してきたということもあり、他人にも、その人に合った練習法を教えることもできるのかと思います。
また、監督になれば、リーダーシップやチームの管理もしなければならないため、知力も必要とされます。
選手の時は特に知力が高くなくても活躍できる場合がありますが、監督になった際は、多彩な能力が要求されるので、知力によっては名監督になれるとは限らないという理由もあるかと思います。
これは、スポーツに限った話ではなく、学業などでも同様かと思います。
例えば、生まれつき数学の才能がある人は、自分でどんどん問題を解いてしまうので、人に教えることに関してはうまくできないというケースも多いですが、努力して勉強を頑張ってきた人は、教え方も上手になる可能性が高くなると考えられます。
まぁ、生まれつき教えるのがうまいという才能もあるかもしれませんが、いずれにしても努力するということは、違うところでも実を結ぶ可能性がありますので、覚えておくと良いでしょう。
■携帯090はおじさん?
090から始まる携帯電話番号を持っている人は、おじさんおばさんだという話がありました。
確かに私も090でおじさんですし、090の携帯を持っている若者はいないとは思いますが、もう少し色々と見てほしいとは思います。
まず、携帯キャリアを変えるなどで契約を変えるか、今まで携帯電話すら持ってなかった人が今になって携帯を契約した場合は、おじさんおばさんであっても今の070の携帯を持つことになります。
また、この070の番号は、かつてPHSという格安の簡易携帯電話に使われていた番号です。
25年くらい前には、この携帯電話かPHSのどちらかを契約するかを考えさせられたものです。
結果、PHSは電波状況の悪さから契約者数が減り、今では廃止されたため、070が携帯電話にも割り当てられるようになりました。
私も当時、携帯電話の将来性の方が明るいと考えたため、携帯電話の方を契約しています。
つまり、090の携帯を持つおじさんおばさんは、先見の明があったとも言えるかと思います。
これは私の自慢にもなりますが、ドコモのメールとGMailなどは、私のフルネーム@docomo.ne.jpやフルネーム@gmai.comでアカウントを取っています。
今からメールアドレスのアカウントを取ろうとしても、よほど珍しい名前でない限り、フルネーム@では取れず、フルネームの後に適当な数字を付けないと取れないと思います。(私の本名は珍しいわけでなく、一般的なものです)
これは、ドコモの携帯電話やGoogleのサービスが始まった直後くらいにアカウントを取得したからであり、当時将来性があると判断できたからと自負しております。
このことを知人に話すと、とても驚かれるので、やはりすごいことなのかと思うのですが、今の若者はあまりそのようなことが分からないということなのかもしれません。
090の携帯番号を持つ人は、確かにおじさんおばさんなのかもしれませんが、それ以外の部分も見るようにした方が良いとは思います。
■食品ロス
日本は食品ロスが多いと言われています。
コンビニやスーパーなどで、消費期限が切れた弁当や惣菜類などは、廃棄処分にされるのですが、これが大量にあることが問題になっているというものです。
コンビニやスーパーだけでなく、飲食店や宿泊施設などでも、食材を保管している場合は、売れ残った食材が大量に廃棄されることもあります。
もちろん、お店によっては食品ロスを減らすために、工夫をしているところも多いかと思います。
例えば、消費期限が切れそうな食材を味付けをして加工食品として売ったり、弁当などの食材にしたり、ジュースの材料にするなどがありますが、これは消費期限直前の食材を、再利用して消費期限を延ばして良いのかという意見もあるようです。
会社やお店側としても、食品ロスは売上の損失となるため、なるべく減らしたいと考えます。
そのため、このような再利用は仕方ないと言えるかもしれません。
そもそも、このような食品ロスが多いのは、食品衛生法が厳しいためです。
食品衛生法は、消費者が腐敗した食材を口にして病気になるのを防ぐために制定されていますが、食材によって細かく決められていて、かなり早めに消費期限が決められています。
生産者や販売者もこれを守らなければなりませんので、消費期限を設けて、消費期限が切れそうな商品は廃棄しなければなりません。
この消費期限が短いために、食品ロスが多いとも考えられるのです。
消費期限が短ければ、それだけ売る期間が短くなり、消費者に売るチャンスが減るということになります。
消費者が買った後も、すぐに食べるとは限らないということと、食材によって腐敗速度にバラつきがあるなどの理由で、消費期限が早いのですが、早すぎては大量の食品ロスが出てしまいます。
もともと、食当たりなどのニュースがあった際に、消費者からクレームがあり、今のような厳しい食品衛生法になっているのですが、食材自体の腐敗を遅らせたり、保存法なども進化して、時とともにどんどん腐敗しにくくなっていることもありますので、それに合わせて食品衛生法に定められている消費期限もアップデートしていく必要があるのではないかと思います。