差別をなくすことはできるのか3

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前回に続き、差別問題について色々と考察してみたいと思います。

 

■黒人差別問題

アメリカで警察が黒人の首を絞め殺した動画がアップされ、黒人差別を非難するデモが広がり、ヨーロッパなどにも飛び火する規模にまで拡大しました。
差別問題は根強く、簡単に解決できる問題ではありません。

アメリカの黒人差別問題については、歴史を調べればなぜこのような問題が発生しているのかが分かります。
簡単に言えば、アメリカの先祖はヨーロッパ人であり、ヨーロッパ人がアメリカに渡った後に、アフリカに住んでいた黒人を無理やりアメリカに送り、奴隷として使って農作業などをさせていた経緯があります。

その後、南北戦争などを経て、様々な人の努力によって現在は黒人も平等に扱われるようになってきましたが、未だに白人至上主義者も多く、心の底では黒人を見下している人が多いのも事実です。

日本人の我々から見れば、黒人は映画やスポーツなどで活躍する姿をよく見ますので、黒人を尊敬する人も多く、なぜこのような差別問題が発生するのか不思議な人もいらっしゃるかと思いますが、歴史がそうさせていると考えなければなりません。

我々日本人にも、韓国人や中国人の間に似たようなものがあります。
中国人は日本人をどこか下に見ていますし、日本人も韓国人に対する差別が多かれ少なかれあるのも否めません。

自分は差別などしていないと思っていても、どこか心の奥底で他国を見下しているという人もいるのです。
我々が生きている間には何も確執はないのですが、歴史から差別が生まれているのです。

アメリカでは白人と黒人が一緒に住んでいるわけですから、差別が生まれやすくなります。
それに加え、現在のトランプ大統領が紛れもなく白人至上主義者なのですが、それが問題を大きくしています。

確かに、黒人が凶暴になってしまうことがあり、白人が黒人の暴走を恐れているということもありますが、それは白人による差別が黒人をそうさせているのでしょう。
そして、大統領が白人至上主義者であることで、白人が黒人を見下すということを助長しているのも事実かと思われます。

差別は、歴史から生まれるので、簡単には解決できるものではないのですが、少なくとも差別を平気でするような人物を大統領などの役職に就けるべきではありません。

デモで声を挙げることも必要ではありますが、その矛先は警察ではなく、選挙をする自分たち国民に訴えるべきかと私は思います。

 

■差別はどこにでも存在する

黒人という言葉自体があまり良くないというご意見もあります。
そもそも人を色で呼ぶのはおかしいということです。

確かに、アジア人は黄色人ですが、あまり黄色人と言うことはありません。
人を色で分けるということ自体が、差別となってしまうというご意見もごもっともかと思います。

ただ、黒人以外の言い方が難しいため、私も黒人と書いております。
アフリカ人と書けば良いのかもしれませんが、アメリカに住んでいる黒人は、アフリカ人ではありませんので、黒人以外の言い方が難しいのです。
アメリカに住んでいる元アフリカ人という書き方もおかしいですし、他の言葉があればそれを使いますが、現状ではありませんので、便宜上の言葉として黒人と書くしかありません。

このような細かいことを気にするとたくさんの差別はどこにでも存在します。
障害者に対する差別もありますし、男女差別も身近な問題でしょう。

障害者に対して差別をしているという人はあまりいないとは思いますが、実際に会社で障害者を雇って一緒に働くとか、一緒に住むということになれば、嫌がる人は多いでしょう。
これは単に面倒だからという理由かもしれませんが、これも一種の差別と言えます。

男女差別についても、男女平等とは口で言っていても、男性を優遇するような会社や組織が存在するのも事実かと思います。
女性は結婚や出産で状況が変わりやすいという理由ですが、経営面を考えればこれにより多少の差別が生まれるのも仕方ないのかもれません。

障害者差別や男女差別などは批判するのに、オタクには平気で差別をする人もいらっしゃいます。
オタクは別に犯罪者ではないですし、同じ人間なのに、気持ち悪いという理由で、平気で人を傷つけることを言ったりします。

こういった差別を完全に解決するのは難しいと思います。
ただ、差別をして良いというわけではありませんので、少なからずそういった差別が存在するということを理解した上で、我々一人一人が気をつける必要があります。

 

■女性天皇について

日本では平成天皇から令和天皇に受け継がれましたが、令和天皇に男子が産まれていないため、娘の愛子さまが皇太子とすべきという声があり、女性の天皇を認めないのは男女差別だという意見があります。

ただ、これはそんなに単純な話ではありません。
日本でも過去に女性が天皇になった事例はあり、単に男女差別の話だけではないのです。

女性天皇は、女流天皇と女系天皇の2種類があり、この2つで大きく意味が異なります。

女流天皇というのは、天皇の妻が天皇を一時的に受け継ぐもので、女系天皇というのは、天皇の娘が天皇を受け継ぐことです。
そして、皇室典範では女系天皇を禁止しています。

これの何が違うかと言いますと、血筋が変わってしまうというところに大きな問題が生じるということです。
女流天皇、つまり天皇の妻が、天皇の死後に受け継ぐのは一時的なもので、その後は成人した天皇の息子や天皇の弟などが後を継ぐので、天皇の血筋は変わりません。

ところが、女系天皇、つまり天皇の娘が後を次ぐ場合、この女系天皇が結婚して子どもを産み、その子どもが後を継ぐと、女系天皇の夫の血筋に変わってしまうのです。

サザエさんで例えるなら、波平さんを天皇とした場合、フネさんが一時的に天皇になるのは問題ありませんが、サザエさんが天皇になることはできないということです。
なぜなら、サザエさんを天皇とした場合、その後を継いでタラちゃんが天皇となるので、磯野王朝が終わり、フグ田マスオさんを基盤とするフグ田王朝が始まるということになります。

つまり、愛子さまを天皇にしてしまうと、今まで2千年近く続いた日本王朝が終わる可能性があるため、女系天皇を許していないのです。
これは男女差別の話と言うよりは、2千年の伝統を壊すか否かの話です。

こういった歴史を知らずに、愛子さまを皇太子にしないのは男女差別だと言われる方が非常に多いですが、これらの事情を理解した上で意見すべきでしょう。

 



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