子どもの教育法12
前回に続き、子どもの教育について少し考えてみたいと思います。
■誘拐事件を防ぐには
先日、SNSで中年男性が子どもと仲良くなり、そのやり取りの中で、息子の遊び相手になってほしいと誘われて誘拐されたという事件がありました。
この事件でSNSやスマートフォンが悪いとか、使用させるのが怖いという意見もありますが、本当にSNSやスマートフォンが悪いのでしょうか?
よく考えてみていただきたいですが、スマフォやSNSがなくとも同じようなことは可能です。
リアルの世界で子どもに挨拶などから少しずつ仲良くなっていき、同様の名目で誘拐するのはできないことではありません。
もちろん、スマートフォンが普及している昨今、SNSを利用すればこういったことは簡単にはなりましたが、スマフォやSNSがあろうとなかろうと、事件は起こるものなのです。
スマートフォンやSNSというものは、色々なものが便利になる反面、犯罪の利用も便利になってしまっているというだけの話でしょう。
結局は、対策はリアルの世界と同じで、知らない人を簡単に信用したり、ついていったりしないことをしっかりと教えておくことです。
ただ、スマフォを子どもに使わせる場合は、スマフォやSNSの注意点も教えておかなければなりません。
人を傷つけることをSNSなどに書いてしまっては、恨みを買っていじめられたり、暴力を振るわれるかもしれませんので、道徳的なことも教えておかなければなりませんし、インターネットへの接続の際には教育にふさわしくないサイトありますので、そういったところを見れないように気をつける必要があります。
こういったことは、親がスマートフォンやアプリなどに詳しくないと教えることができませんので、子どもにスマフォを使わせるなら、親も勉強しておく必要があります。
当然、お子さんがSNSにもアクセスすると予想されますので、SNSについての知識も必要です。
まぁ、最近の親ならスマートフォン世代だと思いますので、慣れていらっしゃる方も多いと思いますが、コンピューターやネットに疎いという方がいらっしゃったら、詳しい人に聞くなどして少し勉強するようにしましょう。
それと、前述した誘拐事件は、家族間にトラブルがあり、子どもが外部の人に助けを求めたというのが原因のようです。
家族間のトラブルというのは、どのご家庭でも起こり得ることではありますが、極力子どもが孤立しないように注意する必要があります。
一時的な喧嘩であれば問題はないかしれませんが、それが長引いてしまうと、お子さんとしては家族に見捨てられていると思ってしまいます。
問題を放置せずに、なるべく親の方から積極的にお子さんに話しかけ、相談して問題を解決するようにしましょう。
問題によっては、しばらくお子さんを放置して時間を置いた方が良い場合もありますが、そのような時でもお子さんが非行に走らないように、注意を向けておいてください。
子どもにスマフォを利用させる場合、お子さんが親に使い方を聞いてくると思います。
この時に、親がスマートフォンに詳しくないと、使い方などを教えることができず、子どもが親に質問をしなくなる恐れがあります。
子どもの質問に親が答えられないということが続くと、子どもは親を頼りに思わなくなってきてしまい、親に話しかける頻度が減ってきてしまう可能性があるのです。
そうすると、子どもが孤立し、SNSに浸ってしまうということになりかねないので、そういう意味でも親がスマフォやアプリに詳しくなっておく必要があるのです。
何でも学校や子どもたちに任せるというのではなく、親の教育が最もお子さんに影響を与えるということを忘れず、しっかりと教えてあげていただければと思います。
■読書離れの影響
近年の学生は、数学力は維持していたものの、読解力が落ちているという統計が出ていました。
これもSNSの影響だと指摘する方もいらっしゃいますが、どちらかというと学生の読書離れが原因ではないかと私は思います。
もちろん、SNSなどの影響で集中力が散漫になったり、SNSばっかりやっているせいだという影響もあるかもしれません。
ただ、仮にそうだとしたら、数学力も低下しているはずであり、統計データの説明には不足しているかと思われます。
読解力は、文字通り文章を読んで理解する能力であり、これを鍛えるには読書したり国語を勉強する必要があります。
読書をすればするほど、文章に慣れ、その本の著者の考えまで分かるようになってくるものです。
読書をしなければ、読解力の向上はあまり見込めません。
もちろん、インターネットなどでニュースを読んだり、ブログの記事を読むなどでも読解力も鍛えられますが、ネットの情報は誰にでも分かりやすく書いてあったり、画像があったりしてあまり文章を読む必要がないなど、読書ほど読解力の向上は見込めないと思います。
読解力を鍛えさせたいなら、お子さんに読書を勧めるのが良いと思います。
読解力などいらないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、読解力というのは結構重要で、この能力が低いと、文章を読んで理解する力が低いということですので、少し難しい文章になると理解できず、後々の苦しむ場面が出てくる可能性が高くなります。
読解力が低い人は文章だけでなく、会話の中でも人の話すことが理解できなくなってくる可能性もあります。
この能力は頭の良さにも直結している面もあり、文章を正確に理解し、考えることができなければ、問題解決能力も低下してしまい、質の良い思考もできなくなってきてしまいます。
ちなみに、読書は紙の本でも電子ブックでもどちらでも構いません。
お子さんに合った方で良いので、とにかく活字を読む習慣を身につけさせることだ重要です。
2002年くらいにも、日本の子どもの学力が低下したのですが、これはゆとり教育のせいで間違いはなく、ヌルい教育は学力を低下させるということが分かっています。
お子さんが頭良く育ってほしいと願うなら、お子さんに読書を勧めるようにしましょう。
■ゲーム依存症
先日、子どもがゲームをするのは1日1時間までの規制をかけると香川県の自治体が発表していました。
これには賛否両論ありますが、私もこれについては、何の意味があるのか不明です。
規制を破ったところで罰則はないですし、結局依存症のような人はずっとやり続けてしまうでしょう。
もちろん、やりすぎは良くないので、制限を設けること自体は良いのですが、それは各ご家庭の中で制限を設けるべきであり、自治体や国が口出しするのは違う気がします。
それに、未だにゲームを悪者にする風潮があるのが、時代遅れだという印象もあります。
以前も書きましたが、ゲームは脳トレにもなりますし、人生の楽しみにもなりますので、悪いものではありません。
悪いのは依存症であり、それはスマフォ依存症、SNS依存症、インターネット依存症も同じことです。
他にもギャンブル依存症、アルコール依存症、タバコ依存症など様々な依存症があり、これらの依存症対策として全てを規制するなら分からなくもないですが、ゲームだけを規制する意味がよく分かりません。
また、依存症のような中毒を起こしてしまうのは、全体の0.00数%というごく少ない人たちだけなのに、このごく少人数のためだけにこういった規制をかけるというのもおかしいと思われます。
まぁ、依存症とまではいかなくても、ゲームやSNSなどをやりすぎてしまって、勉強や登校がおろそかになってしまっては元も子もありませんので、やりすぎには注意が必要であることは確かです。
そこは、各ご家庭で時間制限を設けたり、勉強した時間に対してのご褒美的な扱いでゲームをして良いなどのルールを作ったりすると良いかもしれません。
いずれにしましても、こういったものはご家庭内での教育であり、自治体の条例で規制をしても無意味か、逆効果になる可能性もあります。
教育のあり方については、自治体や国の皆さんにもきちんと考えていただきたいものです。