注意力を身につける2
今回は交通関連を中心に、注意力について考えてみたいと思います。
■歩行者はどこを歩くべきか
皆さんは道を歩く時、どこを歩くべきかを意識したことはありますでしょうか?
普段、何も考えずに歩道を歩いているという方が多いと思いますが、歩道のどこを歩くべきかというのを意識しておいた方が良いかと思います。
以前も記事に書きましたが、日本では歩道の左側を歩くべきです。
これを守らない人が非常に多く、私も歩くのに苦労しているのですが、ぜひとも皆さんに守っていただきたいものです。
守ると言っても、ルールで定められているわけではありませんし、何の罰則もありませんが、日本では車が左側通行ですので、歩行者も左側を歩くべきです。
これは、車道を挟んで左側ということではなく、歩道の中で左側という意味です。
なぜ左側を歩くべきかと言えば、前回も書きましたが、右側を歩いた場合、人とすれ違う時に、狭い歩道だと車道にはみ出てしまうという時に、車道側の人は後ろから車が来ることになり、車と接触してしまうことがあるからです。
そうでなくとも、何らかの理由で車が歩道に突っ込んできた場合、車道側の右側を歩いていると非常に危険になります。
左側を常に歩いていれば、車道側の人も車が前から来ることになりますので、何らかの避けるアクションを取ることができますが、後ろからの場合は気づかないこともあるかと思います。
他の国では、車が右側通行の国もありますので、そういったところは歩行者も右側通行が良いかと思います。
では、なぜ日本は左側通行なのでしょうか?
諸説ありますが、江戸時代までは侍が刀を腰にぶら下げていて、当時も右利きの人が多かったのですが、右利きの人は、左の腰に刀をぶら下げることになります。
この状態で右側を通ると、狭いところでは人とすれ違う時に刀同士がぶつかってしまうから、左側を通るようになったという説があります。
日本では、電車の構内で右側通行になっているところも多く、歩道でも右側を歩く人が多いのですが、左側通行を守っている人には結構な迷惑となってしまうので、もし何も意識していないという方がいらっしゃったら、左側通行を意識して歩いていただければと思います。
■自転車はどこを走るべきか
人が多い都会で自転車によく乗るという方は、歩道を走る方も多いかと思いますが、基本的には歩道を走るべきではありません。
道路交通法では、自転車は原則として車道を通行するということになっています。
ただし、車道が狭く、歩道に余裕がある場合のみ、歩道を走っても良いことになっていますが、都内では自転車が歩道を走るのが当たり前のようになってしまっています。
これも歩行者にとっては結構な迷惑となっていて、トラブルの原因ともなっています。
自転車は軽車両であり、歩道は歩く道です。
歩行者のための道を、軽車両が走るべきではないのです。
歩道を通りたいなら、自転車を降りて自転車を押して歩いてくれと言いたくなります。
また、自転車の逆走も多いようです。
これは、車道の左側を自転車も車と同じ方向に走るのが正当な交通ですが、車道の左側を車と逆方向に走るというものです。
恐らく、自転車が歩道を走るのが当たり前になってしまったため、歩行者が多い時に車道を走ってしまうと逆走になってしまっているということなのかと思います。
自転車に関しては、車道の左側を走るのが原則ですので、歩道を走る場合は、必ず車と同じ方向になるはずなのです。
それが、歩道を走るのが当たり前になってしまっているので、逆走も当たり前のようになってしまっているのです。
自転車に乗る際は、免許が必要なく、こういったことを知らない人も多いのかと思います。
こういった走行は、歩行者にも車にも迷惑がかかりますので、自転車に乗るという方は、今一度交通ルールなどに目を通していただければと思います。
■事故は加害者だけが悪いのか
事故を起こすと、加害者だけが一方的に責められることも多いですが、ケースによっては被害者側にも責任があるということも多いかと思います。
被害者が急に車道に飛び出して、車が轢いてしまった場合などは、被害者側にも非があり、治療費や慰謝料などは減額されてしまうこともあります。
ただ、車で事故を起こした場合で、被害者側に責任があったとしても、100%被害者が悪いということにはならず、加害者に責任がなくなるということはありません。
また、加害者だけが批判されがちではありますが、被害者側が気をつけていれば防げる事故も多いものです。
これも前回書きましたが、道を歩く際は、常に車が後ろから突っ込んでこないかや、横断歩道を渡る際も、信号無視の車がいないかなど、危険な車や自転車を警戒することで、事故を防ぐことができるはずです。
常に気をつけているというのは難しいことかと思いますが、思い出した時だけでも良いので、車や自転車に警戒するようにしましょう。
それを繰り返すうちに、注意力が身についてくるかと思います。
この時、警戒するのは車や自転車だけではありません。
歩いているそばのビルや家の上から何か落ちてこないかや、不審人物が近くにいないかなども警戒すると良いと思います。
特に建設工事現場では、落下物の危険が高まりますので、そばを通る時は上を見るようにしてください。
こういったことを警戒しながら歩くようにすることで、注意力が高まり、事故に遭う確率も大幅に減るかと思います。
さらに、本当に後ろから車が突っ込んできた時や、ビルから何か落ちてきた場合などを想定し、どのように動けば良いかも考えておきましょう。
もちろん、回避行動を取るのですが、車が突っ込んできたら、ボンネットの上に飛び乗るとか、トラックの場合や上から何か落ちてきた場合は、横に飛び込みでんぐり返しで避けるなど、なるべく具体的なイメージまで考えておきましょう。
その他、不審人物がナイフで刺しにきたらどうするかとか、誰かが車にひかれそうになっていたらどうするかなども想定して対処法も考えておきましょう。
歩行時だけでなく、車を運転している時でも、他の車が突っ込んできたらどう車を動かせば良いかなど、様々なケースを想像しておくと良いでしょう。
こういったシミュレーションをしておくことで、本当にそれが起きた時に、とっさに回避行動を取れる確率が高くなります。
これを積み重ねていくことで、注意力が高まり、事故の被害者になる危険度も激減するかと思います。
人間、いざ危険が迫った時には、とっさには身体が動かないものです。
事前に様々な事故を想定し、注意力を高めておくことで、事故を防ぐことができますので、事故の被害者になりたくないのであれば、日頃からシミュレーションや警戒心を忘れないようにしましょう。