経営者目線で考える11
今回は、経営者目線と言うよりも、上司による部下の管理についてなどを中心に考えてみたいと思います。
■部下の失敗は上司が責任を取る
部下が何か失敗をした場合、上司が責任を取るものです。
部下のミスで、お客様にご迷惑がかかった場合、上司が出てきて謝罪をしたり、その後の対応をするべきです。
優秀な部下であれば、まかせても問題ないかもしれませんが、大きなミスの場合は、上司も出て謝罪した方が良いでしょう。
このような上司であれば、部下も上司に迷惑はかけたくないと思い、失敗しないように気をつけるはずですし、仕事にもやる気を出すかと思います。
会社内の部下のミスであっても、上司としては部下の失敗を反省させ、対策や改善方法などを部下に考えさせたり、同じミスをしないように指導するなどが必要です。
頭ごなしに怒るだけでは、部下もやる気を失ってしまいますので、怒るのではなく、どうすれば改善できるのかを部下自身に考えさせるようにしましょう。
もちろん、部下に考えさせても答えが延々と出ない場合もあります。
その場合は、上司が導いてあげなければなりませんが、対策や再発防止などは簡単なことではなく、上司の能力も要求されます。
こういった時のために、上司の経験や知識なども必要ですが、様々なケースを予想して、考えておくようにすると良いてしょう。
部下の失敗を、部下のミスだからと放置してしまう上司もいますが、それは優秀な上司とは言えません。
部下を管理しているのは上司ですので、部下のミスは上司のミスという認識でなければなりません。
よく政治の世界や、大企業の不正問題などの報道で、部下がやったことだから知らないという人間が多くいますが、これは上司として失格と言わざるを得ません。
たとえ本当に知らなかったとしても、責任は上司の管理不手際にもあり、まったく関係ないなどとは言えないはずです。
このような人物は即刻クビにすべきかと思います。
上司である立場の人には、そういった認識を持ち、部下のやる気を引き出すようにしていただければと思います。
■部下への思いやり
私は歴史小説や兵法書などをよく読むのですが、戦争時においても部下への思いやりをもつ将は優秀です。
部下が怪我をしているのを発見したら、上司自ら手当をしてあげたり、兵たちがお腹をすかしていたら、自分の食べ物をわけてあげるなど、上司が部下とともにある武将は、兵から愛され、兵のやる気を引き出すことができます。
もちろん、性格の問題もありますが、このような思いやりを部下へ持つことは、誰でもできるはずであり、そういった武将は、王や君主からも高く評価されます。
部下への思いやりの大切さは、現代でももちろん同様です。
部下の体調が悪そうなら、気遣って声をかけて休ませてあげたり、問題を抱えているなら、解決方法をともに考えてあげるなどという上司は、部下から愛されるでしょう。
部下から愛されれば、部下たちが仕事に対してやる気を出し、そういったグループは成績を上げることになるので、社長や幹部からも高く評価されるかと思います。
上司としては、そういった歴史から学び、部下への配慮を忘れないように心がけましょう。
■部下の管理
部下の管理と言うと、部下のアサインであったり、スケジュールの管理のようなことを想像するかと思いますが、部下の管理とは必ずしも締め付けることではありません。
部下のやる気を出すように仕向け、率先して動くようにするのが、本当の部下の管理というものです。
やる気を出させるためには、上で書いたような部下への思いやりを示したり、ミスをした部下に正しい指導をするなどもありますが、他にも実績を上げた部下をきちんと褒めたり、信頼して大きな仕事を任せるというようなことも必要でしょう。
もちろん、仕事やスケジュールの管理も、上司の仕事ではありますが、それだけではなく、部下のやる気を引き出し、部下が働きやすい環境を作るのも、上司の仕事であるということは、肝に銘じておきましょう。
■少子化の影響
近年、少子化の影響により、新卒の採用が減ってきており、また飲食店や小売店などのアルバイトの求職も減ってきているようです。
日本は人口減少に向かっているので、人材不足が懸念されてきています。
ただ、人材不足というのは、バブル期にもありました。
バブル期は、好景気で仕事をすればするほどお金が入ってくるという時代で、人をどんどん雇って、どんどん生産するという好循環となっていました。
その時は、青田買いと言って、大学生にも企業からうちへ来てくれと、直接オファーがあったほどです。
ところが、今の人材不足では青田買いが起きません。
現在は景気が良いわけではありませんので、企業としては誰でも良いわけではなく、なるべく少数精鋭の組織を作る必要があり、優秀な人材のみを雇いたいからだと思われます。
これだけ人材不足にも関わらず、リストラをする企業も多くあるのは、景気が悪いために人件費を削減し、少数精鋭で運営していかなければならないからでしょう。
そのため、就職活動をしている学生さんは、楽観視することはできません。
人材不足であっても、企業がほしいのは優秀な人材であり、能力が低い人は採用されない可能性が、より高くなっているのです。
少子化で働く人が減ってきていても、今の企業としては、外国人労働者や、AI搭載のロボットを導入するという選択肢もあるのです。
AI搭載のロボットと言っても、今はまだそれほど脅威を感じないかもしれませんが、工場などのロボットは、昔から導入されているわけで、これからAIがどんどん進化して、ロボットも人に近い仕事をできるようになってくるのは間違いありません。
企業としても、人件費が最も高くつきますので、ロボットを導入した方が費用面で有利になります。
また、人間と違ってロボットは文句を言いませんし、病気で休むこともありません。
まぁ、故障や不具合などはありますが、人を雇った時の病欠や有給休暇などに比べれば、格段にロボットの方が良いと言えます。
もちろん、仕事の内容によっては、ロボットの導入が難しい場合がありますので、全ての業種でロボットを導入できるというわけではありませんが、AIやロボット自体の進化により、導入できる業種を広げていくことは間違いないでしょう。
なので、世の中は人材不足だから職の心配はない、と楽観視してはなりません。
また、ロボットに現在の職を奪われないようにも注意しておく必要があるかと思います。
ロボットができないような複雑な仕事をできようにしておいたり、逆にロボットを管理するような仕事をできるようにしておくなどの対策が必要かと思います。