物事を多角的に考える16
今回は時事問題が多いですが、これらの事例を多角的に考えてみたいと思います。
■スポーツ問題のマスコミ対応
先日、日大アメフト部による悪質タックルの問題が世間を騒がせました。
これについては、もちろん監督の責任もありますし、行った選手にも責任はあります。
ただ、マスコミがこの問題を取り上げ過ぎている方が問題のようにも思えます。
この問題をマスコミが取り上げれば取り上げるほど、世間の騒ぎが大きくなり、何の罪もない日本大学の生徒や関係者や卒業生、さらに他のアメフト選手も、多かれ少なかれイヤな思いをしたはずです。
もちろん、悪質タックルを監督やコーチが指示したものと思われますし、会見でも嘘をついていたと思われますので、これは責めるべき問題です。
しかし、こういったことは警察や裁判にまかせるべきであり、マスコミが必要以上に取り上げることで、日大やアメフトのイメージを傷つけ続けてしまっているのです。
これでは、これから日本大学に入りたいと思う学生も減りますし、アメフトをやりたいと言う人も減ってしまうでしょう。
悪いのは一部の人間であり、日大やアメフトに罪はないのに、マスコミのせいでイメージを悪くし続けているように見受けられました。
現在も、日大の組織や体制、さらに部活指導までに問題が発展しているようですが、これらは他の学校でも同じ問題はあるはずですし、これらの問題は悪質タックルとは直接的には関係ない話です。
しかし、マスコミは執拗に問題を大きく膨らませ続けているようで、このマスコミ報道の方がよほど問題のように思えます。
以前、相撲の暴行問題も、マスコミに取り沙汰され、世間を騒がせましたが、これも同様でしょう。
こちらは明確な暴行罪ですので、警察や裁判所にまかせて、その結果のみを報じてくれれば良いのですが、必要以上にマスコミが取り上げ、相撲のイメージを悪くさせ続けたように思えます。
罪を犯した人を責めるということは、必要なことであるのですが、マスコミの対応もほどほどにしていただきたいものです。
■犯人の立場で考えてみる
先日、愛媛県今治市の松山刑務所から受刑者が逃げ出し、周囲の住民を恐れさせました。
脱獄囚は逮捕されましたが、逃走ルートを考える上で、犯人の立場で考えるというのは必要なことでしょう。
木を隠すなら森の中という言葉もあように、都会にまぎれた方が人混みに紛れてバレにくいと考えるのは自然なことだと思います。
もちろん、人気の少ないところに隠れる可能性もありますが、食料や必要な道具を得るためには、人がいるところの方が調達しやすいと考えるでしょう。
また、愛媛県から本州に渡るには、舟を盗む確率が高いというご意見がありましたが、こちらも犯人の気持ちになって考えた方が良いと言えます。
確かに舟はそこら中にあり、夜間に盗むのは容易ですし、衣服も濡らさずに済むので、舟を盗む可能性はありますが、犯人の立場に立って考えてみましょう。
舟を盗んでしまうと、舟の持ち主にバレて通報されますし、さらに逃走先までがバレてしまう可能性が高いので、舟で渡らない方が良いと考えるはずです。
なので、舟を盗まずに、夜間に泳いで渡った方が良いと考える可能性の方が高いのです。
当時は冬で、水温も低かったですが、逃走先がバレるよりは寒さを我慢して渡った方が良いということです。
また、渡った時は雨が降っていたとのことですが、その日を選んだのは、泳いで渡る時の水面の波や水しぶきを、雨がごまかしてくれると考えたからでしょう。
この事件に限らず、どんな事件でも犯人の立場に立って考えてみることです。
まぁ、警察でもない一般市民には関係のないことかもしれませんが、誰しも犯罪に巻き込まれる可能性がないわけでありません。
何らかの犯罪に巻き込まれた時、犯人の立場で考えるという習慣があれば、最悪な結果を回避できたり、解決することもできるかもしれません。
事件のニュースなどを見た時、犯人の立場に立って考えてみるということを、普段から実践してみていただければと思います。
■あおり運転について
だいぶ前になりますが、東名高速道路であおり運転を受け、高速道路に止めて口論していたところを、後ろから来たトラックに突っ込まれて、あおられた方の運転手と同乗者が亡くなってしまうという事件がありました。
これについては、もちろんあおり運転をした人が悪質な行為ではあるのですが、被害者にも多少なりとも非があると言わざるを得ないかと思います。
ニュースで見た情報では、被害者の方がサービスエリアで、その車に対して「邪魔だ」と言っており、さらに追いかけられた末に、高速道路の路肩ではなく追い越し車線に停めさせられてしまっています。
サービスエリアでは、その車が邪魔な位置に停めていたのは事実とは思いますが、「邪魔だ」と言うのは明らかに喧嘩を売っているように思えます。
その車にあおり運転を受けてしまったわけですが、すぐに路肩に停めて話し合いをすべきだったのに、追い越し車線に停めさせられるまで逃げ続けてしまっています。
亡くなられた方を悪くは言いたくないですが、これでは被害者にも非があると言わざるを得ないのです。
無用なトラブルに巻き込まれたくないなら、喧嘩を売らないことです。
もし、自分があおり運転を受けたなら、すぐに路肩や脇に寄せて一時停車をして、先に行かせるようにしましょう。
運転手が降りてきて口論になることもありますので、そういう時のためにドライブレコーダーを取り付けておくと良いと思います。
ドライブレコーダーがなければ、口論になりそうになった時にスマフォで録画しておくというのでも良いでしょう。
相手が訳の分からないことで文句を言ってきたら、「裁判に訴えるので、連絡先を教えてください」などと言えば、退散する可能性は高いと思います。
あおり運転自体は違法というほどのものではありませんので、実際に裁判所に訴えるということは難しいですが、警察を呼ぶと牽制したり、それでも退かない場合は、本当に警察を呼ぶなどして、トラブルを避けるようにしましょう。