身を守るための知力とは
いざという時、自分の身を守るためには体力がものを言うように思えますが、実は体力よりも知力が高い方が役に立つことが多いのです。
状況によりますが、体力が必要そうな場面でも、知力がないと死んでしまうケースもあります。
様々なことに備えて、知力を身に付けておきましょう。
■揉め事になりそうな時
見知らぬ人に絡まれた時や、知人と揉め事になりそうな時、どうするのが良いでしょうか?
喧嘩の強い人なら、ぶん殴るという選択肢を取りそうですが、相手によっては負けてしまうかもしれませんし、勝ったとしても、その人が治療費を請求してきたり、暴行罪などで訴えてくるかもしれません。
このような時は、一度冷静になり、頭を使って乗り切りましょう。
まずは、何とか言葉で穏便に済ませることができないかを試みます。
わざと下手に出るなども一つの方法でしょう。
話の内容にもよりますが、相手が理不尽なことを言っている場合は、第三者に介入してもらう方法もあります。
第三者に、どちらが正しいかを聞くのです。
また、明らかに相手が暴言を吐く場合は、警察を呼ぶフリをしましょう。
本当に呼んでも良いですが、
「警察を呼びますよ」
と前フリをしておき、携帯電話などで、110番にかけるフリをしただけでも、相手は驚いて引き下がる可能性は高いでしょう。
ヤバい人に襲われそうになった時など、警察を呼ぶフリもできない場合は、
「あ、お巡りさん!」
と、近くに警察官を見つけたフリをすれば、相手が逃げる可能性もあります。
体力があるに越したことはないですが、知力があれば、無用なトラブルを回避することができることもあるのです。
■怒っている人の対応
仕事などで、自分がミスをして、上司やお客さんなどを怒らせてしまうこともあるでしょう。
このような時、自分が反論や言い訳をしても、焼け石に水となる場合が多いものです。
たとえ相手側にも問題があったとしても、相手が怒っていると、聞く耳を持ってくれません。
このような状況の場合、我慢して相手の話を聞き、なるべく早めに話を切り上げるようにしましょう。
後日、頭が冷めてから、こちらの言い分を話すようにすると良いでしょう。
怒っている人に何を言っても、冷静な判断力を失っている場合が多いですが、頭を冷やしてから話を聞いてもらえば、話を聞いてもらえる確率はグッと上がるでしょう。
相手が怒っている時は、とにかく話を聞き、
「ごもっともです」
と納得したことを伝えましょう。
そうすれば、相手の怒りも収まってきます。
怒りに怒りで返しては、喧嘩になるだけですので、相手が怒っている時は、一度冷静になりましょう。
■法律を勉強しておく
法律は、人間が作ったものですが、その国に住んでいる以上、無視はできません。
できれば、法律を勉強しておくと、いざという時に役に立つでしょう。
法律といっても色々とあり、全てを勉強することは並ならぬことではありますが、全てを勉強する必要はなく、要所を抑えておけば良いでしょう。
どういった行動が犯罪になるのか、仕事上どういった契約なら法に触れないのか、など、自分に必要そうな法律だけでも良いのです。
仕事で、クライアントから理不尽な要求をされても、
「それは下請法に違反しています」
と強く出ることもでき、トラブルを回避できるケースもあるでしょう。
クライアントに請求したお金を払ってもらえない場合も、そういったケースを回避する法律もありますので、それを味方につければお金を払ってもらえるかもしれません。
法律を知っていると知らないとでは、大きな差が生まれるでしょう。
法律は、色々な場面で関わってきます。
アパートを借りる時、事故を起こした時、起業する時、友人と喧嘩した時、離婚で揉めた時など、法律を知っていた方が何かと都合が良いものです。
必要最低限の法律を勉強しておくようにしましょう。
■溺れた時の対処法
海で溺れるとパニックになり、もがいてしまいます。
もがけばもがくほど、体力がなくなり、溺死してしまうでしょう。
海で溺れた時に必要なのは、体力ではなく、知力です。
溺れた時は、一度落ち着いて、身体を浮かせて呼吸ができる状態にしましょう。
これは、口で言うほど簡単ではありません。
海ならば、波がありますので、落ち着いて身体を浮かせても、口や鼻に海水が入ってきます。
普通の人なら、ここでパニックになり、呼吸をしようともがいてしまうのです。
ですが、多少の海水を飲んでしまったとしても、冷静さを失ってはなりません。
海水は、真水よりも浮力が高いので、身体を浮かせやすいのです。
海水を飲んだとしても、我慢して、救助を待ちましょう。
私もオーストラリアでのビーチで、調子に乗って少し沖まで泳いでいたら、波が強すぎて、ビーチまでなかなか戻れなくなったことがあります。
その時は、ライフセイバーにすぐ助けてもらいましたが、ライフセイバーがいなかったら、死んでいたかもしれません。
まだ、泳ぐ体力は残っていましたが、ビーチに戻れないかもしれないという恐怖には襲われました。
海の荒波は、想像を超える恐ろしさです。
すぐに体力を奪ってしまいますし、流れに逆らって泳ぐことも難しいでしょう。
波が小さい場合は、波に乗って戻ることもできるかもしれませんが、海を泳ぐ時は、知識を身につけ、あまり危険な賭けに出ないよう、注意してください。
このように、いざという時、体力よりも知力があった方が乗り越えられるケースが多いものです。
もちろん、体力も必要になることもありますので、バランスよく自分を磨いていくようにしましょう。