頭が良い人の特徴3
前回に続き、頭の良いと思われる人の特徴などを考えてみたいと思います。
■知力の分類
頭が良いというのは、具体的にはどんな能力なのでしょうか?
知力が高いと一言で言っても、知力という分類には様々な種類があります。
論理的思考力、記憶力、決断力、瞬間的判断力、注意力、集中力、空間認識力、発想力、指導力、知識など、細かく分類すればたくさんの能力に分かれることが分かります。
他にも、観察力、洞察力、推理力、分析力、計算力、説得力、表現力などもあります。
一般的に理系が得意とするのは論理的思考力で、いかに効率的かつ合理的に答えにたどり着くかの方法を考えます。
一方、文系が得意とするのが記憶力で、勉強をした結果、知識がたくさん身につくということになります。
記憶力にも、長期記憶力と、短期記憶力に分かれ、勉強して知識として後に役立てるのは長期記憶力、買い物などで買うものを覚えておくなど、すぐに忘れて良いものは短期記憶力を使っていることになります。
理系の場合は、長期記憶力よりも短期記憶力の方をよく使いますので、文系のように長期記憶するのは不得手な人が多いのです。
決断力は、考えられる選択肢の中で、いずれかを選択した場合の先をシミュレーションし、どの選択肢が最も優れているかを考え、決断する能力です。
決断力の弱い人は、先を見通したり、頭の中でシミュレーションしたりすることをしないため、なかなか決断ができないということになります。
瞬間的判断力は、文字通り瞬間的にどの選択肢を選ぶべきかを判断する能力です。
決断力との違いは、とっさに判断しなければならないということです。
これは、事故や災害など、いさという時のシミュレーションを普段しているかなども重要になってきます。
注意力も、普段から事故や人の動きなどに注意しているか、といった能力でもあります。
また、実験や細かい手作業などで、失敗せずにできるかといったものも注意力と言えます。
実験や細かい手作業などでは、集中力も必要です。
これが高い人ほど、雑念を捨てて作業に集中できますので、仕事の効率を上げることができますが、集中しすぎると、周囲の異変に気づかない可能性も出てきます。
諸説ありますが、男性は一点集中型で、女性は集中を分散できる能力が高いと考えられています。
空間認識力は、物事を空間的に察知する能力です。
こちらも、男性の方が空間認識力が高いとされるのが、一般説ではありますが、もちろん反対意見もあります。
地図を見て現在地や目的地を把握する能力などは、男性の方が得意という人が多いのではないのでしょうか。
発想力というのは、いわゆるアイディアを生む力のことです。
新商品のアイディア提案や、発明、作曲、デザイン制作などはこの能力が求められます。
指導力はリーダーシップのことで、人材の適材適所ができるかや、教育指導がうまくできるかもこの能力になります。
または、カリスマ性も重要で、たくさんの人がその人についていきたいと思われる魅力も必要とされます。
細かく挙げていけば、もっとあるとは思いますが、このように知力というものは、様々な能力に分類されます。
頭の良い人というのは、これらのいずれかの能力が極端に高かったり、ほとんどの能力が高い人のことを言うのかと思います。
■IQが高いとはどういうことか
テレビ番組などでは、IQの高い人が頭の良い人ということで、クイズ番組などで活躍しています。
IQが高いとは、どういうことなのでしょうか。
IQテストでは、様々な問題が出題され、その結果でその人のIQが出てくるわけですが、基本的に文系が有利な問題が多いと言わざるを得ません。
と言いますのも、こういった問題は知識を問う場合が多いのです。
先ほど書いたように、記憶が得意なのは文系で、知識も豊富なのは文系なのです。
もちろん、空間認識力や論理的思考能力を試す問題もありますので、そういった総合的な能力が求められますが、全体的には文系がやや有利という印象があります。
また、上で書いたような、決断力、瞬間的判断力、発想力、指導力などが試される問題はほとんどありませんので、IQが高いからと言って、知力が高いとも言い切れません。
とは言いましても、これらの能力をテストするのも難しいので、IQテストはある程度、信頼のおける基準とは言えると思います。
ただ、必ずしも、IQが高い=知力が高い、ということではありませんので、誤解がないようにしていただたいとは思います。
例えIQテストをして、その結果が低くとも、IQテストで試されなかった能力が高いかもしれませんので、落胆する必要はありません。
IQはある程度の基準にはなりますが、その程度のデータであるという認識は持っておきましょう。
■頭が良い人が不正に走る理由
中途半端に頭の良い人は、不正に走る人が多いのも事実です。
頭が良い人ほど、嘘がうまく、人を騙したり、ずる賢くなってしまう人が出てきてしまうものです。
例えば詐欺を行うにも、人を手玉に取り、嘘をついて騙し切るような頭の良さが必要です。
こういった人は、もちろん最初から詐欺師になりたかったわけではないと思いますが、頭が良い人だと、多少の嘘をついてもバレず、だんだんと嘘をつくのが快感になってきたり、人を騙すのに慣れてきてしまい、悪事に手を染めやすくなります。
歴史上でもそういった人は多く出てきます。
政治家が、皇帝や王の権力を利用して悪事を行ったり、国のお金を盗んだりというのは、頭の良い人にしかできない芸当です。
ただ、「本当に」頭の良い人というのは、この嘘や悪事がバレた時のデメリットまで考えていますので、決して悪事に手を染めることはありません。
不正に走るのは、中途半端に頭の良い人だけです。
この中途半端に頭の良い人というのが厄介な存在で、自分は頭が良いという自負があり、他の人はみんなバカだと思っているフシがあります。
また、頭が悪いわけではないので、普通の人はコロッと騙されてしまいやすいのです。
今の政治家や公務員にもそういった人が多く見受けられますが、その嘘や不正がバレた時のことまで考えて行動してほしいものです。