物事を多角的に考える14
前回に続き、様々な事象を例として、物事を多角的に考えてみたいと思います。
■人を最も殺している生物は何か
テレビやネットなどで、たまに話題になるのですが、人を最も殺している生物は何かご存知でしょうか?
多くのデータでは、蚊が最も人を殺しているという統計結果が出ております。
しかし、厳密に言うと、蚊が直接的に人を殺しているわけではありません。
この統計結果はどういうことかと言いますと、蚊のメスは産卵期になると、養分を蓄えるために人や動物の血を吸って、産卵に備えるわけですが、この時、血液が付着した状態で他の生物の血液に触れるわけですから、細菌やウイルスを運ぶことが多く、この時危険なウイルスを運んでしまうと、その人が感染してしまって死に至るということです。
アフリカや中東などでは、劣悪な環境から蚊を通じて、危険なウイルスが運ばれることが多く、人が死んでしまうことが多いというわけです。
日本にも蚊はいますが、それほど劣悪な環境がないため、危険なウイルスが運ばれることが少なく、人が死ぬということがあまりないので、実感が湧かないという人も多いかもしれません。
ただ、これは蚊が直接人を殺しているわけではありません。
蚊はあくまで、ウイルスを運んでいるだけで、直接殺しているのは、ウイルスです。
もし、蚊が直接人を殺すことがあるとすれば、大量の蚊が人の血液をたくさん吸って、出血多量で死に至らしめるということになるかと思いますが、このケースはほとんどありません。
つまり、蚊が最も人を殺しているというデータは正確ではなく、正しくはウイルスが人を最も殺しているということになります。
人間にとっての天敵をあえて言うなら、ウイルスになるということです。
食物連鎖界のトップにいる人間は、食物連鎖の最も下にいる微生物が天敵というわけですから、自然界の仕組みはよくできていると言えます。
■進化とは何か
先日、人間は今後どのように進化していくのか、という話題があり、少々いびつな想像図が紹介されていたので、少しそのことについて考察してみたいと思います。
そもそも、生物の進化というのは、突然変異を起こした個体が、その個体が天敵から逃れるのに都合が良くなったために生き残ることができ、子孫を残すということを長い時間繰り返して徐々にその種が変わってくることを言うのが一般的な説です。
つまり、あらゆる生物は、千差万別な性格や体格の個体が産まれるようになっていて、その中でも天敵から逃れやすい個体は、生き残りやすくなるため、そういったものだけが子孫を残してきて、それが長い年月を経て、その特徴が遺伝的に引き継がれていくのです。
天敵から逃れるためだけではなく、餌を取りやすくするために、進化していったものもありますが、それも生き残るためで、餌の取れない個体は、餓死したり、弱っていくのが早いために、子孫を残す前に死んでしまったりする確率が高いということです。
虫が擬態できるような見た目を持つのも、キリンの首が長いのも、そういった理由で、進化してきたというわけです。
つまり、生き残るためにどうしても必要な能力だけが引き継がれるわけであり、例えば人間の腕が4つになったり、飛べるように翼を持つというような、都合の良い進化はできないということになるのです。
まぁ、人間の場合、今の状態でほとんど不都合はなく、食べるものにも困りませんし、天敵という天敵があるわけではありませんので、これ以上の進化は見込まれないと思われます。
突然変異を起こして産まれた個体も、奇形児とされ、頑張って延命措置は取られていますが、長くは生きられていません。
ただ、退化するということはあるかもしれません。
例えば、親知らずという歯は、不要とされていますし、足の小指なども役に立っていないということから、生まれ変わりを繰り返していくうちに、徐々にそれらがなくなってしまう可能性はあるかと思います。
なので、よりコンパクトになっていくということは考えられますが、何百万年後の人間はこのように進化していますという想像図は、その辺りを考慮して見ていただくと面白いかと思います。
■クマの射殺について
先日、クマが小学校に侵入したとして、クマを小学生の前で射殺したという事件がありました。
この事件について、小学生の目の前でクマを射殺するのは良くないという批判があったようです。
これについては、そのご批判も分かりますが、それならクマを放置して小学生が被害に遭った方が良いのかとも思いました。
麻酔銃を使えというご意見もあったようですが、これもあまり知識のない人の意見だと思います。
麻酔銃というのは、猟銃の免許より麻酔銃の免許の方が取得が難しく、免許を持っている人が少ないということもありますが、麻酔銃は即効性がなく、麻酔が効くまで数十分はかかります。
麻酔銃を撃たれたクマは、当然、敵意を剥き出しにして、麻酔が効くまで暴れまわることになり、非常に危険な状態になります。
下手をすれば、麻酔銃を撃った人が殺されてしまうかもしれません。
つまり、小学校でクマを射殺したのは、的確な判断だったかと思います。
麻酔銃を使えというのは、麻酔銃を撃たれた人がすぐに倒れるような映画やアニメの見すぎの人のご意見かと思います。
現実的には、麻酔銃は即効性がないものということは覚えておきましょう。
■マスコミによるコントロール
基本的に、テレビのニュースであれば、信頼できるものではありますが、マスコミによるコントロールは少なからずあります。
これは、政治的なコントロールもありますし、テレビ局側による調整のようなものもあるかと思います。
例えば、2015年の東京都知事選挙の時、有力な3名のみがマスコミにピックアップされ、他にも候補者がたくさんいたのに、ほとんど紹介されていませんでした。
これは、明らかに公平性に欠けると思います。
この3名のみは、ゲストに招かれていたり、過去の実績などの詳しい紹介がされていましたが、それ以外の候補者については、その他大勢のような扱いで、あまりにも不公平のように感じました。
この3名に頭の良い人がいればまだ良かったですが、残念ながらそれらしい人は見受けられなかったので、他の候補者のことも詳しく知りたかったのですが、ほとんどマスコミによる紹介はなかったため、自分でネットなどを調べるしかないという状況でした。
まぁ、記念出馬的な候補者もいらっしゃるので、あまり多数の人を詳しく紹介するということもできなかったとは思いますが、それにしてはあまりに扱いが違うという印象は否めませんでした。
これはどの局も同じでしたので、何か政治的な作為を感じます。
事実、やはりこの3名は選挙の結果、上位3名を占めてしまっており、マスコミの影響が大きかったと言えます。
他にも、マスコミがコントロールしていると思われるものはたくさんありますが、追々また書かせていただこうと思います。