政治について思うこと7
昨今は北朝鮮の挑発やアメリカの軍事的圧力により、あわや開戦かという声も挙がっておりましたが、こういった状勢について、少し考察してみたいと思います。
■トランプ大統領の外交
アメリカのトランプ大統領は、2017年4月7日、アサド政権軍が禁止された化学兵器を使用したとして、シリアに攻撃しました。
さらに、中国にこれを利用して外交上の脅しをかけ、朝鮮半島海域に米軍を展開して、北朝鮮に挑発をしています。
トランプ大統領の目的は、北朝鮮にしっかりと対応しているということを国民に示したいということと、中国に対して、北朝鮮への経済制裁を行ってほしいと交渉することでした。
現に、ほとんどの国が北朝鮮に経済制裁をしていて、貿易を止めたりしていますが、陸続きである中国が北朝鮮への支援を止めないために、北朝鮮は軍事開発を続けることができています。
私の意見としては、外交に利用するとは言え、このような挑発行為を行うのは、少し愚策に思えました。
私の見解は、北朝鮮、中国、ロシアの三国連携は、よほどのことがない限り、崩れることはありません。
と言いますのも、欧米諸国など世界のほとんどの国が民主主義、資本主義国で連携状態が保たれており、北朝鮮、中国、ロシアがこれに対抗する形になっているためです。
よほどのことというのは、この欧米諸国の連携が崩れるなどのことであり、そうなることも考えにくいので、北朝鮮、中国、ロシアの三国連携はまず崩れません。
つまり、北朝鮮に圧力をかけようが、中国に脅しをかけようが、無駄な努力ということになります。
ただ、北朝鮮も世襲制ですので、指導者が変わって方針が変わる可能性もなくはないので、粘り強い外交を続けることは必要ですが、現状は難しいでしょう。
それどころか、トランプ大統領は北朝鮮が核実験をすれば、先制攻撃するとまで言っています。
この発言は非常に危険と言わざるを得ません。
北朝鮮側としては、このようなことを言われて核実験を止めてしまえば、アメリカが怖くて核実験ができなくなったと、北朝鮮の国民や世界の人々に思われる可能性があるので、これを避けるために核実験をする可能性があります。
もし、北朝鮮が核実験をした場合、アメリカ側としては、先制攻撃をすると言ってしまった手前、引っ込みがつかなくなり、武力行使をせざるを得ないことになります。
そうなれば、中国、ロシアが北朝鮮側につき、第三次世界大戦に突入する可能性もあるのです。
トランプ大統領の軽薄な外交は、無駄な挑発であり、リスクも高いという愚策ということになるかと思います。
■北朝鮮の意図
北朝鮮の意図としては、やはりいずれは中国とロシアを巻き込んで戦争をしたいという考えがあるかと思います。
北朝鮮の第一目標は、朝鮮半島の統一であり、韓国を滅ぼして北朝鮮が朝鮮半島を統治するということが考えられます。
次にアメリカに対して、軍事的に勝利したいという考えがあります。
北朝鮮は、朝鮮戦争の時に米軍に惨敗しており、アメリカに対する恐怖が植え付けられています。
これを払拭したいために、現在も挑発を繰り返し、軍事力向上に努めています。
つまり、日本への攻撃は二の次であり、先日、北朝鮮がミサイルを発射したため、電車が停止するというニュースもありましたが、少し心配しすぎな面があります。
日本は憲法9条によって戦争を放棄しているのは、北朝鮮も知っていることであり、日本への攻撃は、韓国やアメリカの後になる可能性が高いです。
北朝鮮が、真っ先に日本へ攻撃すると公言しているのは、自分たちの本当の狙いを悟られないためですので、心配しすぎて心を病むようなことがないように注意しましょう。
もちろん、警戒しておくことは必要であり、ミサイル迎撃の技術向上などは進めておく必要はあります。
北朝鮮の第一目標が、韓国を滅ぼして朝鮮半島を統一することとは言え、もちろん簡単には手を出せません。
韓国を攻撃すれば、韓国と同盟を結んでいるアメリカが黙っていないわけであり、韓国にも米軍基地がありますので、奇襲するというわけにもいきません。
また、先に北朝鮮が手を出してしまえば、中国やロシアからも批難され、協力を得られない危険もあります。
このため、北朝鮮からは手を出せないということになっているのです。
もちろん、アメリカから先に手を出してしまっても、他の国から批難されて、敵に回ってしまう可能性もあり、下手には先制攻撃ができません。
このため、北朝鮮問題については、解決が非常に難しい状況になっています。
また、北朝鮮と対話するというのも無駄かと思われます。
対話が実現して、核実験を今後行わない代わりにお金が支払われるなどの契約が結ばれたとしても、北朝鮮はお金だけ貰って、核実験は続けるでしょう。
以前にもそのようなことが行われており、これが北朝鮮の狙いとも言えます。
では、北朝鮮に対して、どうするのが良いかと言えば、私の案としては、以前書いた国際連合軍を発足させるのが最も良いと考えます。
これについては、他の記事に書いておりますので、そちらを参照していただければと思います。
■トランプ大統領の実績
トランプ大統領は、元ビジネスマンで嘘もうまく、だまされている国民が多いことが非常に残念に思います。
トランプ大統領は就任直後に、大統領令を連発しました。
これにより、公約を守る人だと国民に印象づけましたが、その大統領令のほとんどは功を奏していません。
大きなニュースにもなった、一部の中東国籍の人を入国禁止にするというのは、司法の判断により中断しています。
メキシコとの国境に壁を作り、メキシコに建設費用を負担させるというのも、大方の予想通りメキシコが支払いを拒否したことから、こちらも進んでいません。
TPPの離脱や、オバマケアの撤廃なども行っており、こちらの結果が出るのはもう少し先かと思いますが、こちらも私の予想では、一時的にアメリカ経済が回復する可能性はあるものの、長い目で見れば景気は悪化すると思われます。
大統領令を連発したことで、公約を守る人という印象づけをしましたが、実は公約したのに実行されていないものもあります。
日本とも、日本駐留米軍の軍事費を全額支払わなければ、全軍撤退すると言っていましたが、こちらは実行されていません。
日本の安倍首相が、トランプ大統領と急接近したためとも思われますが、これは日本にとっては失策とも取れます。
日本としては、トランプ氏が大統領になったのを利用して、アメリカから独立するチャンスがあったのです。
つまり、日本駐留米軍の軍事費を全額支払わなければ、全軍撤退するという交渉を利用して、日米安保条約を変更し、同盟はそのままに、日本の米軍を撤退してもらえば、名実ともに日本はアメリカから独立できた可能性があったのです。
もちろん、日本は自力で自国を守らなくてはならなくなりますので、憲法の変更なども含めて様々な方針変更を迫られますが、米軍基地がなくなることで、沖縄の米軍基地問題もなくなりますし、北朝鮮からも狙われにくくなります。
まぁ、沖縄に自衛隊基地が必要となるので、基地問題が完全に解決というわけにはいかないかもしれませんが、現状の沖縄の米軍基地については、アメリカの言いなりになっている形ですので、改善する可能性は高かったはずです。
ただ、首相の方針により、結局日本はアメリカの言いなりになることを選択しました。
トランプ大統領の公約である、日本駐留米軍の値上げについては、このために交渉がなくなったと思われますが、他にも中東対応など、公約を破ったものもあります。
就任直後の大統領令の連発によって、公約を守る人と印象付けは、まんまと成功したわけですが、こういったことがありますので、きちんと見極める必要があるということです。
また、トランプ大統領の人事は、自分にとって都合の悪い人は解任し、自分の言いなりになるような人物のみを採用するという傾向が見られます。
同様に、自分にとって都合悪いニュースは全てフェイクニュースだとする、典型的な独裁者です。
北朝鮮の金正恩氏も、自分にとって都合の悪い人を粛清と称して殺害したり、後継者問題の恐れから兄を暗殺したりましたが、これと似たようなものだと思いました。
先日、トランプ大統領によって、FBI長官が解任されるというニュースもあり、既に大統領の座が危ういという窮地に立たされているようですが、アメリカにとっても、早めに大統領を変えた方が良いとは思います。
こういった独裁者は、国を滅ぼす可能性が高いので、早めに対処した方が良いでしょう。
トランプ支持者の方々にも早くこういったことに気づいていただき、トランプ大統領を弾劾するなどを実行していただきたいと思います。
トランプ大統領の失策を利用して日本の独立とありますが私はそもそも米軍基地の撤退に反対です。理由としては北朝鮮はさておいて対中国を想定した場合日本単独による防衛というのがあまりにも心もとないからです。
いかに世界屈指の海軍力を持つとされる海上自衛隊ではありますが国家全体でみれば日本は衰退の途上にあり税収も落ちているというのが現状でありなおかつ少子高齢化も相まって現状はさておき今後未来も見据えた上で日本単独による高度な軍事力の維持というのはなかなか困難なのでは無いかというのが私の考えです。
一方中国はというと経済成長著しく人口の上で見ても日本を大きく上回っており、彼の国はまさに今脂の乗り切った非常に勢いのある状況です。このように一度勢いづいた大国というのを日本一国で抑え切ろうというのはあまり現実味のあるシナリオではないでしょう。
日本独立、自主防衛と口で語るのは簡単ですがそれが実際のものとなったとき果たしてこの国にそれを実施するだけの力があるのか?仮にあったとしてその力を維持しようとした場合どの程度国民に負担がかかってくるの?かなどを考慮した場合私としては現状維持が一番の得策だと思っています。
また国際警察軍というアイディアについてですが同様の発想は私にも思いつきました。もしこれが実現すれば世界秩序の安定に大いに貢献できることでしょう。
しかしながらブログ主さんはこの国際警察軍を豊臣秀吉の惣無事令になぞらえておいででしたが豊臣秀吉が惣無事令を実施できたのは他ならぬ彼が関白という地位にあったからでありなおかつ関白という地位が天皇の権威ありきのものだったからこそのものでありますがこれは所詮日本一国だから実現できた話であり信じる神や価値観が異なる他民族間において同様の政策を実施するのは困難に近いでしょう。
そうするためにはまず万国共通の普遍的権威が必要でありその権威のもとに軍を編成する必要がありますが今現在この世にそんな普遍的権威は存在しませんのでまずはそこからどうするかを考えていく必要があると思います。
ただ国際警察軍という発想そのものには賛辞を送らせて頂きます。
まずはこういう考えに至った事自体が素晴らしいものです。
コメントいただきまして、ありがとうございます。
いただいたご意見、全くおっしゃる通りかと思います。
まず、日本の独立に関して、アメリカの防衛なくして日本を守れないというお考え、ごもっともで、私も、もしいきなり米軍がすぐに撤退して、中国などと戦争ということになれば、日本一国では守りきれないと思います。
ただ、そのようなことにならないように、慎重に進めれば良いとは思います。
米軍に完全に撤退してもらえば、米軍に支払っていた年間7000億という軍事費が、全て自衛隊に使えることになりますので、少しずつ自衛隊を強化することができます。
また、いきなり米軍が全て撤退ということになれば、その時に戦争状態になると危険ですので、徐々に撤退してもらい、それに代わって自衛隊を配置していくということが必要です。
それに、アメリカとの同盟を切れということではありません。
同盟はそのままに、米軍のみを撤退してもらえば、いざという時は、援軍を求められます。
日本もいつまでも、アメリカの実質支配下という立場にいるのは、色々と都合が悪いので、どこかで独立した方が良いと言うのが私の考えです。
次に、国際連合軍のことも、全くもっておっしゃる通りで、日本にはそれを実行する権限は当然ありません。
そのため、実現は難しいかもしれませんが、各国に提案することはできるはずです。
まぁ、日本は憲法で戦争を放棄しているので、提案したところで聞く耳を持ってもらえるかすら分かりませんが、兵士を提供できなくても、武器や軍資金の提供はできるかと思いますので、各国に呼びかけ、そういった方向に持っていくということは不可能ではないと思います。
それに、国際連合軍は北朝鮮対策だけでなく、昨今問題となっている、イスラム国によるテロや難民問題の解決にも役に立ちます。
つまり、連合軍によってイスラム国を壊滅、中東で延々と続いている戦争を解決できる可能性があるということです。
もちろん、国際連合軍を誰が指揮するのかや、監視をどうするのかなど、様々な問題がありますが、一つ一つ解決していけば、実現も不可能ではないと私は考えます。