どうすれば景気が回復するのか2

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前回と重なる部分もあるかもしれませんが、景気が回復する方法について、より深く考えてみたいと思います。

 

■日本の不況の原因

まず、根本の要因として、なぜ日本に不景気が続いているのかを考えてみましょう。
日本は高度経済成長を経て、バブルが弾けてずっと不況の波に襲われています。

ただ、これは先進国であれば、ある程度はやむを得ない部分もあります。
先進国と言えども、永遠に成長しつづけることはできず、成長しきってしまえば、後は経済を維持するか、下降するしかありません。

国民の需要も無限ではなく、生活に必要な車や家電製品などの物資がある程度揃えば、需要がなくなるのは当然です。
物が飽和状態になったら、徐々に経済は下降していくしかないということです。

バブル期があったため、それと比較してしまうと今は不景気と思われがちですが、現在が不景気と考えるよりも、現状が普通と捉えた方が良いかもしれません。

もちろん、日本では国民の需要が減ったいるために物価下落の状態、つまりデフレーションが続いており、企業や会社員も収入が増えずに苦しんでいるところも多いでしょう。
そのため、このデフレ状態を抜け出すために、何をしなければならないかを考える必要があります。

デフレから抜け出すには、国民の需要を高めなければなりません。
しかし、需要を高めるにも、会社員の給料が少ない状態が続けば、当然使えるお金も減ってきます。

また、年金や病気などの将来の不安から、貯金をする人も多いのです。
そんな中、消費税が上がれば、当然、消費者の消費意欲も減ります。
まさに傷口に塩を塗るような行為でしょう。

景気を回復させるには、政治家の知恵が不可欠です。
政治家の皆さんには、ぜひとも真面目に対策を取り組んでいただきたいものです。

 

■消費税を下げる

原因が分かれば、自ずと対策も見えてくるはずです。

まず、消費税を上げるのは、景気対策と逆行します。
消費税はむしろ下げた方が良いと私は考えます。

日本にも貧困層が増えていますし、お金に余裕がなくなっている家庭も増えていますので、消費税を下げることは消費意欲の促進につながります。

ただ、当然のことですが、財源がただでさえ足りないのに、さらに税収を減らしてしまっては、財源をどうするのかという問題が発生します。
これについては、簡単ではないですが、何点か対策を挙げてみたいと思います。

まず、支出を減らすことです。
会社の場合、売上が減ってくれば、国のように強引に増税、つまり売上を大きくするということはできません。
この場合は、会社の経費を減らすということになります。

国も同様です。
税収が減ってくれば、支出をまず減らさなければなりません。
強引に増税してしまっては、国民が苦しむことになり、さらに景気が悪くなる要因となります。

2009年に自民党から民主党に政権が変わり、その時に事業仕分けが行われましたが、これ自体は非常に良いことだと思います。
結果的に、本当に必要なところも資金を削られてしまったということもありましたが、自民党時代の無駄な公共事業の支出を減らすということは、多少なりともできたはずです。

しかし、その約3年後には自民党政権に戻り、公共事業も元の木阿弥となりました。
民主党政権には問題が色々とありましたが、支出を減らそうとしたことについては、評価ができるかと思います。
現在の自民党政権でもこういったことを行ってほしいものです。

また、税金の支出については、1円単位で何に使ったかの詳細を、ホームページにでも掲載すべきかと思います。
これを行うことで、本当の第三者の目、つまり国民にどの支出が無駄かを監視させることができます。

次の税収確保の方法は、法人税の改革です。
法人税は、中小企業も大企業も、利益の40~50%を法人税として納めています。

今でも十分高いのですが、中小企業からも取り過ぎという感じがありますし、儲かっている大企業からもっと取っても良いのではないかという思いもあります。
つまり、法人税も、所得税のように、細かい累進課税にするべきかと思います。

他の税収確保の方法は、所得税の累進課税を改善し、もっと所得の大きい人からの税収を増やすということです。
あまり税率がきついと、お金を稼ぐ意欲がなくなってしまうかもしれませんが、景気が悪い時には、富裕層の協力が必要でしょう。

これらの対策を行えば、消費税を下げることは不可能ではないはずです。
消費税については、下げる以外にも、衣食住に関わる商品は全て0%にして、それ以外を20%くらいにするなどの消費税改革をするという方法もあります。

 

■年金と医療保険

国民のほとんどは、将来の不安から、お金を稼いでもそのほとんどを貯金に回してしまいます。
そのため、世の中にお金が回らず、景気が悪くなるという状態になっています。

これを改善するには、国民の将来への不安を取り除いてあげる必要があります。
それには、年金と医療保険の改革が必要でしょう。

年金については、以前も述べましたが、国民のほとんどが、これから貰える年金がどんどん減り、老後に年金だけで生活できないということを知っているため、自分で貯金をしておかなければならないと考えているということです。

これでは年金の意味が全くありません。
これは、年金の制度が、今の年金支給者から入ったお金が、そのまま年金受給者に渡る仕組みになっているからで、少子高齢化により、年金を納める額は増え続け、年金を貰う額は減り続けているという問題があります。

現状のシステムでは、受給する年金額を増やすということは不可能ですので、年金については以前も述べた通り、積立型に変えるか、いっそのこと年金自体を民間に移行する、つまり年金民営化が必要かと思われます。

医療保険についても、前に少し述べましたが、これも改革が必要かと思われます。
現状は国民が3割負担で、残りは健康保険または国民健康保険から支払われます。

ただ、このままですと、大きな事故や病気で手術となった場合、医療費も結構な額となってしまいます。
特にお年寄りとなってくると、医療費も大きくなってくる場合が多いので、やはり何かあった時にために貯金が必要になってくるという考えになってしまいます。

本来は、全額保険が負担するのが望ましいですが、そうした場合、大したことないケガや病気で病院に来てしまう人が増えてしまうため、安い医療費の場合は国民に多少負担してもらった方が良いと思われます。
なので、10万円以上の医療費は全額保険が負担し、10万円未満は国民が5割負担などにするのが良いかと思います。(10万円が妥当かどうかは検討の必要がありますが)

こうすることで、将来大きな病気などになっても、医療の負担が減るため、国民の将来の不安を緩和することができるでしょう。

いずれにしましても、国民の将来の不安をなくしてあげることで、貯金をそれほどしなくても大丈夫なようになり、需要も増えてくるということにつながるかと思います。

 

■政治家の手腕が問われる

結局は政治家に全てがかかっているわけですが、アベノミクスもあまり効果が出ていないと言わざるを得ないでしょう。
ただ、アベノミクスをやっていなかったら、もっと景気が悪くなっていた可能性もありますので、全く評価できないわけではありません。

アベノミクスによって、一時的なりとも円安、株価上昇があったため、多少の良い影響はあったかと思います。
特に、中国人による爆買いは、経済効果が高かったかと思います。

日本はデフレになっておりますので、日本製品は品質が良いのに値段が安い状態が続いています。
さらに、円安効果があって、中国人などによる爆買いが行われていたのです。

現在は、イギリスのEU離脱ショックなどもあり、円高、株価下落となってしまい、爆買いもなくなってしまいました。
ただ、爆買いの経済効果はかなりあったと思うのですが、それによって景気が良くなったという話はあまり聞きません。

2020年には、東京オリンピックもありますが、結局は一時的なもので、根本的な景気対策にはなりません。
景気を回復させるには、上で述べたような根本的な改善対策が必要かと思われます。
そういったアイディアを出したり、実際に改革を行うのはかなり大変なことではありますが、これができるかどうかは、政治家たちの手腕にかかっているかと思われます。

先日は参院選挙がありましたが、現在の政権では何も変わらないということは分かっておりますので、皆さんも選挙の時には様々な政党を考慮していただければと思います。

 



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2 件のコメント どうすれば景気が回復するのか2

  1. 匿名 より:

    記事の中で
    健康保険があっても
    手術で高額な負担になるとの心配の記述があったが

    健康保険の自己負担額は

    手術などで高額な医療費がかかった場合は

    高額療養費制度で
    所得に応じて
    月数万円~数十万円ぐらいの上限額が決まってる

    上限額を超えた部分は健康保険が負担する

  2. 管理人 より:

    コメントいただきまして、ありがとうございます。

    おっしゃる通り、高額療養費制度の説明が抜けておりました。

    こちらは、上限額を超えた場合の医療費の払い戻しを受けることができますが、一時的には医療費を支払わなければならないということと、上限額までは払わなければならないということもあり、負担が軽くなるとは言え、0にはなりません。

    政策の提案をしているのは、高額医療費がかかってしまった場合は、この上限額までの支払いも0にした方が良いということです。

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