物事を多角的に考える4

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CLN202
前回に続き、様々な事例について、多角的に考えてみたいと思います。

 

■東京に大雪が降ると大騒ぎするのはなぜか

東北や北海道に住んでいらっしゃる方々は、東京にちょっと雪が積もったくらいであんなに大騒ぎするなとお叱りの声をいただきますが、これには様々な理由があります。
そもそも、冬に東京にいつも雪が積もるようであれば、そこまで大騒ぎにはならず、たまに大雪が降るから色々と弊害が出るのです。

冬にいつも雪が降り積もるようであれば、お金をかけて大量の除雪機を用意したり、熱によって道路に雪が積もらないようなシステムを導入します。
ところが、たまにしか降らないので、大金をかけてまでそこまでの対策ができないのです。

市民にとっても同様で、いつも雪が降るなら雪かきにも慣れますし、車のタイヤチェーンや除雪グッズなど、様々な対応策を取っているはずです。
たまにしか雪が降らないから、あのような騒ぎになるのです。

これは、日本が地震大国であるがために、地震に強いというのと同じ理由です。
他の国では滅多に大地震が起きないため、たまに大地震が起きると、日本では大したことのない震度でも、建物が崩壊してしまうというニュースをよく耳にします。

建物の耐震性を強くするには、莫大なお金がかかるため、滅多に地震が起きない国では、安さ重視で耐震性をそこまで強化しないのです。
日本では地震が頻発するので、少々高くても耐震性を重視する人が多いということです。

つまり、物事が起きる頻度によって、対策にどのくらいお金をかけるかが変わってくるということです。

また、東京は雪に慣れていないということもあり、大雪が降ると様々な交通機関がストップしてしまいます。
それによる経済損失が何十億円となってしまうため、ニュースでも交通情報を取り上げざるを得ず、大騒ぎになるということです。

雪国に住んでいらっしゃる方々のお叱りはごもっともではあるのですが、このような理由があるということをご理解いただけますと幸いです。

 

■バス事故の原因は何だったのか

2016年1月15日、軽井沢でスキーバスが転落事故を起こして多くの方が亡くなってしまい、ニュースでも度々取り上げられました。
事故原因は未だ不明ですが、原因について、不可解な部分が多いのも事実です。

マスコミはバス会社によるずさんな管理が原因と伝えているようですが、ニュースで伝えられている事故現場や監視カメラの映像から推理すると、辻褄が合わない部分が多いのです。

確かに、バス会社の管理がずさんだったのは事実でしょう。
しかし、事故との因果関係がはっきりしません。
事故との因果関係がはっきりしない段階で、バス会社をそこまで責めるのはいかがなものかと思ってしまいます。

まず、事故現場にタイヤ痕がありますが、これがブレーキ痕ではないということです。
ブレーキ痕であれば、タイヤがロックされるので、スレたような痕になるのですが、タイヤの痕がくっきり残っているため、転落直前でブレーキを踏んでいないということになります。

このことから、運転手が居眠りをしていのか、意識不明になっていたのか、パニックになっていたのかとも推理されるのですが、監視カメラの映像では、フットブレーキを踏んでいるのではないかという指摘があり、このことから運転手に意識があったと考えられています。

こうなると、フットブレーキが故障したのではないかとも考えられましたが、事故を起こしたバスの検査でフットブレーキは故障していないと報道がありました。
ギアがニュートラルに入っていたことから、運転手の技術ミスということで、現在は落ち着いているようですが、私には疑問がかなり残ります。

どんなド素人であっても、そこまでスピードが出ているのに、転落直前にフットブレーキを使わなったというのは考えにくいということです。
ブレーキとアクセルを踏み間違えたということも考えられなくはないですが、監視カメラの映像でフットブレーキを使っているようですので、その可能性も低いと思います。
運転手がパニックに陥っていたとご指摘はあるとは思いますが、いくらパニックに陥っていたと言っても、250メートル手前の監視カメラの映像ではフットブレーキを使っていたのに、転落直前でフットブレーキを全く使わなかったのは考えにくいのです。

では、何が事故原因なのかと言いますと、もう一つの可能性として、道連れ自殺が考えられるということです。
運転手は家族もなく、交友関係も広くなかったようですし、それを悲観して自殺を考え、一人で死ぬのは寂しいから、道連れ自殺を計ったという可能性です。

監視カメラのところでフットブレーキを使ったのは、その場所で転落しても、まだ中途半端なスピードだったので、一度そのカーブを曲がるためにブレーキを使い、確実に自分が死ぬためにもっとスピードを出したと考えると、全ての辻褄が合うように思えます。
バスルートを直前で変えたのも、確実に事故で死ねるような場所を知っていたのではないでしょうか。

唯一、遺書が出ていないので、これを証明する術はありませんが、もし道連れ自殺だったとすれば、バス会社も被害者です。

この場合、責められるべきは運転手一人であり、バス会社としても、損害賠償も莫大となり、評判もガタ落ちとなりますので、完全な被害者となります。
もちろん、ずさんな管理があったのは事実ですので、その部分は直していただかなければなりませんが、事故とは別の要因となります。

この推理が正しいかどうかは分かりませんが、まだ事故原因がはっきりとしていないのに、バス会社を責めるのは時期尚早と言わざるを得ません。
ご遺族のお気持ちを察すると、運転手本人が亡くなっているため、怒りのぶつけどころがバス会社にしかないのは分かりますが、まずは事故原因を究明することが先決という意識はほしいところです。

 

■記憶がないという証言は認めているのと同等

政治家や犯罪者が、国会や裁判所などで、記憶がないという証言をすることが多々有りますが、これは認めているのと同等と考えるべきでしょう。
もし潔白であれば、やっていないことを記憶しているはずだからです。

本当に記憶がないのであれば、記憶障害となりますので、医師の診断が必要ですし、記憶障害であれば、他の部分も記憶していないはずです。
忘れてしまったという場合ももちろんありますが、人間は重要なことほど覚えているものですので、その時の記憶だけないということも考えにくいのです。

つまり、自分がやったと言えば罪を認めたことになるので言えず、やっていないと言えば嘘となるので偽証罪が追加されてしまいます。
これらを避けるために、記憶がない、または記憶が曖昧という証言をしているというわけで、この証言をした時点で、ほぼ黒と考えて良いと思います。
白であれば、やってないと言うはずですから。

ニュースでも、逮捕された容疑者が、記憶にないと容疑を否認していますと伝えられることがありますが、記憶にないという証言は、容疑を否認したことにはなりません。
酒で泥酔した場合などで本当にその時の記憶がない場合がありますが、本当に記憶がないのであれば、自分がやったのかどうか本人ですら分からないのであり、容疑を否認できるわけがないからです。

やってないと証言しておきながら、詳しいことを聞くと記憶にないという言い逃れをする人がいますが、その部分の記憶が本当にないなら、自分がやったかどうかも分からないはずです。
つまり、この場合も記憶がないと証言した時点で、黒と見て良いということです。

罪を犯した人間は、色々な方法で何とか逃れようとか、罪を軽くしようと考えるものです。
しかし、そのような証言をすると、言い逃れをしようとしたとか、反省の色がないということで、罪が重くなる場合もあります。
こういった人たちには、潔く罪を認めて謝罪してほしいものです。

 

■車のアクセルの場所

先ほどのバス転落事故とは関係ありませんが、近年は高齢化社会ということもあり、高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違いという事故が増えています。
これを防ぐために、アクセルの位置を変えることはできないのでしょうか。

アクセルの位置は、足元の右側にあり、ブレーキはその左側にあります。
免許を取る時に、アクセルとブレーキを同時に踏むことを防ぐために、どちらも右足で踏むように習います。

ただ、これではアクセルとブレーキの踏み間違いがあるのは仕方ないように思えます。
手前にはハンドルもあり、いちいち足元をみてアクセルとブレーキを踏むということはなく、大体の位置を把握して踏むのですが、高齢者となれば、とっさの時に混乱することもあり、踏み間違えるのも仕方のないことです。

そもそも、アクセルの位置に問題があるように私は思います。
ブレーキは、感覚的に右足で踏むというアクションで良いと思いますが、アクセルは、例えばハンドルにボタンを付けるなど、別の場所に移動した方が良いのではないかとも思います。

もちろん、そんなことをすれば、現在免許を持っている人たちも全員免許を取り直しということになってしまいますので、現実的にはできません。
ただ、今後はIT技術の進化によって、自動運転が普通になってくる可能性があり、これを機に様々な変更をするのも良いのかもしれません。

自動運転というと、機械に任せてしまって大丈夫なのだろうかという不安もありますが、事故原因のほとんどが運転手による人的ミスであり、実は自動運転の方が安全ということもあります。
システムトラブルによる事故も出てくるかもしれませんが、人的ミスの多さに比べれば圧倒的に少ないのではないかと思われます。

今後、車はそういった自動運転が進化をしていくのは間違いありませんので、高齢者の方ほどそういったものの導入を検討した方が良いのかもしれません。

 



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