税金の仕組み3
以前も少し紹介しましたが、税金の仕組みの他のことについて、またご紹介したいと思います。
■扶養控除
妻が専業主婦で、夫が働いている場合、夫の給与所得が少し控除され、税金が安くなります。
これが扶養控除です。
扶養控除は妻だけでなく、子どもや無所得の親族などを養っていると、その分がプラスされます。
妻の扶養控除は、配偶者控除とも言います。
ただし、妻がパートなどで働いている場合で、年間の所得が103万円以上あると、扶養控除がなくなります。
103万円の壁とも言われていますが、103万円を少し超えるくらいであれば、わざと年末に仕事を少なくして103万円以下に抑えるという方も多いようです。
また、年間の所得が103万円を超えると、自分も給与所得税を払わなくてはならなくなるので、ダブルパンチとなるのです。
さらに、年間所得が130万円を超えると、社会保険料も発生します。
配偶者控除に関しては、配偶者特別控除というものもあり、141万円までは段階的に控除額が変わるという制度もあります。
いずれにしましても、該当する方は、インターネットや本などで詳しく調べてみると良いと思います。
この辺りの税金で損をする可能性もありますので、調べてみてどのように働くのが良いかをよく考えましょう。
■副業がある人の確定申告
会社員の方で、アルバイトなどの副業を行っているという方もいらっしゃるかと思います。
この場合、本来であれば確定申告は自分でしなければなりません。
会社員であれば、本業の会社の方の税金は、毎月の給与から源泉所得税として引かれていると思いますが、副業がある場合は、年末調整を断り、副業分と合算して自分で税金を納めなければならないのです。
両方から別々に源泉徴収されているという方もいらっしゃるかもしれませんが、この場合、合算すれば支払う税金が安く済むはずなのに、払いすぎている可能性があります。
本業の会社に、副業を認められていない場合、会社に内緒で副業をされている方もいらっしゃるようです。
この場合も、自分で確定申告することで、会社にバレずに税金を納めることもできます。
副業の方で、源泉徴収されていないのに確定申告をしないと、脱税になり、これは知っててやっていると犯罪となりますので、注意してください。
ただ、副業の年間所得が20万円以下の場合は、申告の必要はないようです。
本業の会社に、副業を認められている場合は、自分で確定申告をやりますと会社に申し出て、自分で両方の所得を計算して確定申告しましょう。
本業の会社に黙っている場合は、副業のみの確定申告を自分でしますが、来年の住民税が大きくなってしまうことで、会社にバレてしまう恐れもあります。
これを防ぐために、確定申告の時に、住民税を納税する普通徴収を選択して、会社に住民税を自分で払うと申し出れば、バレない場合もありますが、住民税を自分で払うと申し出た時点で怪しまれますので、あまり意味がないかもしれません。
また、マイナンバー制度が2016年より導入されますので、今まで会社側にバレずに副業をしていた人でも、バレてしまうことになるかと思います。
もし、該当する方がいらっしゃったら、本業の収入だけではやっていけない旨を会社に伝えて、賃金アップの交渉を行ったり、本業に迷惑をかけないという条件で交渉するなどをする必要があるかもしれません。
■法人税
法人税はとても高く、どの企業でも役員の方であれば、悩みの種かと思います。
会社の法人税は、売上から経費を引いた利益から、税金が決まりますが、安くても利益の約40%を法人税と法人住民税として納めなければなりません。
例えば、年商が1000万円で、経費が900万円だった場合、利益が100万円となりますので、およそ40万円ほどを法人税と法人住民税として納めることになります。
経費には、人件費も含まれますので、会社の経営には問題ありませんが、やはり企業にとっては大きな痛手となります。
中小企業にとっても利益が出ればかなりの痛手となりますが、利益が大きいと法人税率も高くなりますので、大手企業が大きな利益を出してしまうともっと手痛い出費となってしまいます。
そのため、会社としては利益をなるべく抑える必要があります。
利益を抑えると言っても、売上を減らすのは会社の目的と逆行しますので、経費を増やすということになります。
このため、会社の決算期である3月に、法人税を減らすために、経費を使ってしまおうという動きが多くなるのです。
会社の決算月は、会社によって自由に設定できるのですが、多くの企業が学校に合わせて3月を決算月としています。
経費を増やしたいなら、人件費を上げればいいんじゃないかという意見あるかもしれませんが、人件費は簡単には変えられません。
人件費を変えるには、税務署や年金事務所などに申告が必要となりますし、色々と制約があり、コロコロ変えることができないのです。
もし、これができてしまうと、売上が大きい時は給料を増やし、売上が少ない時は給料を減らすというやり方で、利益を0に保つことができてしまい、法人税が皆無となってしまいます。
ボーナスなどの一時給付金であれば、ある程度調整はできますが、月の給与額は年に何度も変えられるものではありません。
また、不当に給与額を下げてしまうと、労働基準法に違反することにもなりますので、月の給与額を変えるというのは難しいのです。
会社員の方であれば、あまり経営者の苦労を知ることないかもしれませんが、経営者は経営者の苦労があるということを知っておいていただければと思います。
■贈与税、相続税
自分の子どもや孫に現金を渡す場合、贈与税を考慮しなければなりません。
少額であれば税金は発生しませんが、年間の合計額が110万円を超える場合は、贈与税を納める必要があります。
税率は、贈与した金額によって変わりますので、詳しくは調べていただければと思います。
贈与税が発生してしまった場合は、次の年の3月で確定申告をして納税をしなければなりません。
ちなみに、贈与税はもらった方が払います。
複数の人から贈与された場合は、合算する必要があるということです。
また、贈与されたものは、現金のみではありません。
不動産や車などの、高額な財産を贈与した場合も同様です。
この場合は、財産は時価(その時の財産の価値)で計算されますので、購入時の金額よりも安くなる場合がほとんどでしょう。
相続税は、財産を所有する人物が亡くなった時に、相続する権利のある人が、財産を相続した時に発生する税金のことです。
ただし、亡くなった方に借金がある場合は、借金も相続することになります。
財産のみを相続して、借金は相続しないということはできません。
亡くなった方の財産が土地のみで、その土地を相続したために、多額の相続税が発生してしまって困ったというケースも多いようです。
現金であれば、その中から相続税を払うことができますが、土地のみなどの場合、相続税額を自分で工面するか、相続した土地を売るなどを考えなければなりません。
相続税については、1000万円以下であれば全額控除されますが、それ以上の場合は相続税が発生します。
こちらも金額にって税率が変わりますので、詳しくは調べてみていただければと思います。
多額の相続税を回避するために、毎年100万円ずつくらいで分割して贈与して、贈与税も相続税もなるべく払わないようにするという生前贈与という方法もあるようです。
ご高齢の方で、子どもになるべく財産を分けてあげたいという方がいらっしゃったら、検討してみるのも良いかと思います。