経営者目線で考える

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経営者でなくても、経営者の視点で物事を考えることは非常に有効なことです。
私も一応経営者ではあるので、世の中の流れなどは普通の人と比べて分かるつもりですが、一般の人でも経営者の立場に立って考えた方が良いことがあります。

 

■上司の指示に従うべきか

部下が良かれと思ってやったことでも、全体に悪影響を及ぼしてしまう場合があります。
上司の指示を無視して、部下が良かれと思って勝手に行動してしまい、たとえその時の結果が良くても経営者視点や全体を見て考えた時に、その行動は評価できないというケースがあるのです。

例えば、野球の試合などで、監督はバッターに送りバントを指示したのに、それを無視して打ちにいき、結果がホームランだった場合、あなたはこのバッターの判断は正しかったと思うでしょうか?
正しかったと思う方は、それは結果論であり、もし外野フライや三振だった場合、どのような影響があったかを考えるべきです。

監督は、常に試合全体の流れや各選手の状況を観た上で、そのバッターに送りバント指示しているのです。
監督には監督のプランがあり、もし選手が指示を無視してしまったら、監督は作戦の立て直しをしなければならなくなり、勝てる試合も勝てなくなるかもしれないのです。

戦国時代などでも同様に、どんなに武将が戦った方が良いと進言しても、統括している君主や軍師は大局を観て、適切な戦う時期を判断しているので、将軍が勝手に行動をしてはならないのです。
功をあせるがあまり、これを破って戦いに行ってしまうと、その時には局地戦で勝てたとしても、そちらは実はおとりで、本拠地を一気に攻められてしまったり、他の局地戦では大敗してしまうなどが多々あるのです。

ただ、その国の規制や法律によっては、総大将の考えが明らかに間違っていると判断できる場合は、命令を無視して将軍が判断しても良いという国もありました。
その場合は、その判断する将軍が大局を見通せて、自分の判断が絶対に正しいという確信がなければなりませんが、これはやはりなかなか難しかったようで、うまくいったケースはそれほど多くはありません。

会社などでも、基本的に上司の指示に従わなければなりません。
しかし、もちろん上司の指示が間違えている可能性もあります。
自分が経営者目線で判断でき、かつ上司が間違っていて自分が正しいと思うこともあると思います。
ただ、そういった場合でも、勝手に行動すると何かと支障を生みますので、まず必ず上司に相談しましょう。
上司は自分の間違いを認めたくないので、進言を取り入れることはあまりないかもしれませんが、さらに上の上司に相談することで正すことができるかもしれません。

自分が経営者でなくとも、経営者の視点で考えることは非常に役に立つことがあるものです。
上司の指示が的確かどうかを考える基盤ともなりますので、ぜひ実践していただければと思います。

 

■需要と供給を考える

先日の4月1日に消費税が8%に増税されましたが、やはりその直前の3月末くらいには、かなりの駆け込み需要があり、増税前に色々と買い物をされた方も多いかと思います。
ただ、3月末のギリギリの買い物ですと、逆に損をしたという人もいらっしゃったようです。

値段が一定の商品については、純粋に増税後に3%分値上がりますので、そういったものは3月末に買って良いのですが、値段が変動する商品については、需要が増えると値段が上がりますので、税込みで計算しても、増税後に買った方が得する商品もあったのです。
基本的に高額な商品や家電製品などは、価格の変動も激しく、需要と供給量によって価格がかなり上下しますので、需要が少ない時や供給が多い時に買った方が得なのです。

増税前は需要が増え、さらに品薄な状態になりますので、税込みで計算してもやはり3月頃が最も高かったという商品は多かったようです。
多くの家電製品は、増税前の駆け込み需要で品薄となり、3月末頃に価格のピークとなりました。
この頃に買い物をしてしまった人は、かなりの損をしてしまったというデータも出ています。

こういったことは、経営者の視点で考えることができれば、すぐに分かるはずなのですが、なかなかそういった人が多くはないために、3月に需要が増えてしまうのです。
私も高額な商品はなるべく2月までに買い物にするようにし、3月に買うのは避けるようにしましたが、やはり2月くらいまでに買うのが一番値段が安い時期だったようです。

まだ高額な買い物があるという方は、供給が落ち着く5月以降に買うのが良いようです。
4月は、まだ増税前の駆け込み需要で品薄が続いていて、生産が追いついていないので、少し値段が高いとのことです。

また、不要品などを中古ショップに売る場合も、需要と供給を考えた方が良いでしょう。
ブランド品や人気のノートPCやゲームソフトなどは、需要が多いうちに売った方が高額な買い取りが期待できます。
時間が経ってしまって需要が落ちてきたり、供給量が増えてしまうと、人気商品であっても安値になってしまうこともあります。

商品の売買の際には、なるべく経営者の視点で需要と供給を考えるようにすると良いでしょう。

 

■オススメや目玉商品は本当にお得なのか?

店頭やレジ前などに、お店のオススメ品や目玉商品があったり、レストランなどでお勧めしているメニューなども、本当にお得なものなのかを経営者視点で考えることも重要です。
こういったお勧めをしている理由を考えた場合、在庫が余っているために目玉商品と謳っていたり、人気がなくあまり売れない物をお勧めしているケースが多いのです。

もちろん、そういったお店ばかりではなく、良心的にお客様に本当にお勧めしたいものを紹介するお店もあるのは確かです。
ただ、そういったお店の方が少ないくらいで、基本的に人気のある商品や本当に良質の物は何も言わなくても売れるので、オススメ品として扱わなくても良いのです。
お店側が売れると判断して発注したのに、予想よりも売れなかったために、オススメ品として紹介する場合が多いと考えられるのです。

だからと言って、オススメ品や目玉商品が悪い物ばかりとは限りません。
お店側は良い商品と思って入荷しているわけですから、もし安い値段で提供されているのであれば、買う価値はあるかもしれないのです。

その辺りの判断は難しいですが、経営者目線を鍛えることにより、より的確な判断ができるようになると思いますので、普段から心がけておくと良いでしょう。

 

■安すぎる商品は良い品か?

一昔前は、PHSという安価な携帯電話があり、本体が1円で売られていることがありました。
現在では規制などによって、そういった値段では売られていませんが、なぜ1円で提供できたのか分からない方もいらっしゃるかと思います。

このケースでは、PHSの契約者は月額料金を払いますので、2年以上契約が必須などの条件をつけて、ランニングコストで本体費用を回収していたのです。
多くのユーザーを獲得することによって、売上を上げることができます。

ただ、なぜ0円ではなく1円なのかと言いますと、企業側としては0円でも提供できるのですが、売上管理上0円で売ってしまうと何も売っていないことと同然となり、管理に困るという事情がありました。
なので、苦肉の策で1円という値段で販売していたというわけです。

現在でもレストランや居酒屋などで、超安価で商品を提供しているところがあります。
質があまり良くないものを安く提供しているところもありますが、良質な物をびっくりするくらいの値段で提供しているお店もあります。

良質な牛たんを50円で提供したり、ラーメンを100円で提供しているというところもあります。
これは、基本的には客寄せで、そういった安い商品で話題作りをしているのです。

もちろんそれだけ食べて帰られてしまうと赤字となってしまいますが、一人一品までと制限を付け、その他の商品で採算を取っているのです。
安い商品があるということで、お客様が増えますので、お客様が増えれば売上も上がるというカラクリです。
売上のトータルよりも、安値で提供する商品のマイナス分の方が多ければ、赤字ということになりますので、店側としては賭けになります。

ただ、ほとんどの商品が安いというお店は、質が良くないものを提供している可能性が高いので、なるべく避けた方が良いと思います。
こういったことも、経営者側の観点で考えることによって、判断ができるようになるかと思います。

 



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