日本の景気は回復するのか

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新しく変わった政府の政策により、円安や株価上昇などで景気回復ムードが高まっていますが、今後、日本の景気は回復するのでしょうか。

 

■短期的には回復しても長期的には回復しない

政権交代をした政府の政策として、デフレ対策や金融緩和などを行なっており、確かに円安と株価上昇により、景気回復ムードは高まっています。

しかし、根本的な問題の解決をしていないため、ここ1~2年の間は景気が回復したとしても、長い目で見れば、また景気は下がってくると予想されます。

根本的な問題というのは、消費が落ち込んでいるということです。
確かに、会社員給料が上がれば、多少は消費が多くなる可能性はありますが、そもそも消費が落ち込んでいるには理由があります。

 

■崩壊した年金システム

理由はいくつかありますが、最も大きな問題は、年金システムが崩壊しているということです。
現在の年金システムは、今現在の年金支払者のお金を、そのまま年金受給者に払っているという仕組みです。
つまり、年金支払者の数が少なければ、年金受給額も少なくなり、逆に支払者が多ければ、年金受給額は多くなります。

日本は少子化の問題を抱えており、不況から増々少子化は進むと見られています。
そのため、今の年金システムでは、年金支払者が減るので、年金受給額はどんどん減っていくのです。

仮に日本の平均寿命の80歳まで生きるとした場合、1970年代生まれの人くらいから、支払った年金の総額に対して、受給年金の総額はマイナスになるということです。
つまり年金を払うだけ損をすることになります。
このマイナス額は年々増え続け、若い世代ほど年金で損をします。
そのため、年金を払わない人も増えているほどです。
そうなれば、年金受給額は増々減っていくことになります。

我々はこのことを知っているので、老後の不安からお金を貯めるようになります。
少しでもお金を貯めておき、老後も安泰にしようとするのです。

みんながこのような考えのため、仮に給料が上がったとしても、消費しようとせずに貯金しますので、消費は上がらず、会社にもお金が回らず、結果不況は続いてしまうことになります。
もちろん、100人いたら100人ともそのような考え方ではありませんが、そういう人が多いのは間違いありません。
政府は、この年金システムをどうにかしないといけないのですが、今のところ政府の対策はないようです。

 

■消費が落ち込む他の理由

消費が落ち込む理由として、医療費や健康保険・介護保険が高いというのも挙げられます。
所得税や厚生年金もですが、健康保険も年々上がってきていて、生活を圧迫しています。

ただでさえ保険料も高いのに、医療費も上がっているので、これでは何かあった時に不安になります。
そのため、事故や病気などに備え、貯金をしておこうと考える人が増えます。

貯金をする人が増えれば、それだけ消費が落ち込むということになります。
もちろん、貯金をすること自体は悪くないのですが、それだけ消費者が不安と思っているということです。
これらの不安を解消すれば、安心して消費者がお金を使うようになるのですが、政府はその辺りの対策もしていないように見受けられます。

これらに追い打ちをかけて、2014年に消費税が8%に上がり、さらに2015年に10%になるということは確定していますので、増々消費に歯止めがかかることになります。

他の国に比べれば、それでも日本の消費税は低い方なのですが、それは所得税や法人税などの直接税が高いからです。
財源を確保できなければ、増税もやむを得ないのですが、消費税を上げれば、当然消費はもっと落ち込みますので、不況が進むということになるのです。

 

■インフレで給料が上がるのか

現在の政府は、インフレにするという言い方をしていますが、インフレというのは、物価が上昇し、会社員の給料も上昇することです。
デフレ脱却というのは大いに結構ですが、インフレを起こさせるというのは無理があるように思えます。

インフレは、成長期の国に起こるものであって、日本は既に成長しきっているので、インフレが起こるとは思えません。
ですので、このままいくと、物価だけが上昇し、消費は上がらず、会社にお金が回らなければ、給料も上がらず、国民の生活だけが苦しくなるという事態になりかねません。

無理にインフレを目指すのではなく、現在日本が抱えている問題を一つずつクリアしていく必要があります。
景気回復ムードが高まっている中ですが、そういった対策を政府がしているようには見えませんので、不安だけが残ります。

 

■政府は何をすべきなのか

まずは年金システムを改善しないといけないと思います。

一番良いのは、年金を積立式にすることです。
80歳まで生きる前提で、それまで支払った年金額を、その人に返していけば良いのです。
もちろん、早死する人や80歳よりも長く生きる人はいますが、日本人の平均寿命が80歳弱くらいですので、早死してしまった人の年金額を長生きした人に回せば問題はないことになります。

ただ、現在の年金システムを、この積立式に移行するには、財源がないので難しいと思われます。
その辺りが解決できれば、年金システムも改善するのですが、現在は、政府内で議論もされていないようです。

また、医療費や健康保険の高額化ですが、こちらは医師不足や高齢化などの問題が挙げられます。
医師不足については難しい問題ですが、医師免許取得のハードルを下げたり、制度の改革が必要かと思われます。
日本の高齢化については、少子化問題と直結しますが、景気が回復しない限りは、少子化問題に歯止めをかけることはできないでしょう。

ヨーロッパの国の中には、病気や怪我をしても、治療費は無料で、年金も確実に安定してもらえるという国もあり、そういった国では国民が安心して生活し、消費もためらうことなくお金が使われています。
ただ、そういった国は、税金がとても高いのですが、国民が安心して暮らせて、不景気にもならないという意味では、そういった政治経済を目指すべきなのかもしれません。

 
いずれにしろ、不況回復を目指すには、国民の消費促進が不可欠です。
それには、国民が貯金をしなくても、将来安心して暮らせるような社会を作る必要があります。
ですので、他の部分でがんばっても焼け石に水となる可能性は高いと思われます。

経済は複雑ですし、私ごとき人間がどうこう言ったところで、何も解決はしませんが、もう少し政府には視野を広げてもらって、正しい対応をしてほしいものです。

 



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