国境はなくした方が良いのか?

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最近、国境をなくせば戦争がなくなるという意見や歌などもありますが、実際に世界中の国境をなくすと、何が起きるのでしょうか?

 

■そもそもなぜ国境があるのか

なぜ現在、国境が存在するのかは、人類誕生から社会の形成の歴史を知らなければなりません。

人類が誕生してから、人は周囲にいる人たちと共同して生きることを選びました。
誰かが家を作る、誰かが狩りをする、誰かが道具の材料を取ってくる、誰かが材料を加工するというように、作業を分担した方が遥かに効率が良いからです。

こうして、集団が出来上がり、それぞれの地域で独自の文化、文明を発達させてきました。
やがて、これらの群衆、もしくは一部の人々が、新たな地を目指して移動を始めます。

それを繰り返して人類は進化や発展をしてきましたが、群衆はそれぞれテリトリーを持っていますので、それらを侵して別の群衆がやってくると、衝突が起きます。

もちろん、話し合いで、もしくは言葉が通じなくても意思疎通を図って共存できればベストですし、初めはそうしていたはずです。
ところが、習慣や考え方の違いから対立が起き、それがエスカレートしてくれば、喧嘩や大きな争い、さらには戦争に発展します。

言語も歴史も考え方も異なれば、対立や衝突が起きやすいのです。
もちろん、全員が全員ではなく、仲良く共存できる人も多数いるとは思いますが、それができない人も一定数必ず存在するのです。

こういった人たちが共存していれば、多かれ少なかれ争いが起きるのは避けられません。

そこで、自分たちのテリトリーに線を引き、ここから内側は私たちの土地、この線からそちら側はあなたたちの土地というように、分けて暮らしていくことで難を逃れてきたのです。

これが国境です。

つまり、元々争いや戦争を避けるためにできているのが国境なのです。

 

■今、国境をなくすとどうなるのか

では、もし仮に今、世界中の国境をなくしたらどうなるかを考えてみましょう。

そもそもこの統一国家の国家元首を誰にするか、通貨はどうするか、言語はどうするか、法律や単位はどうするかなど、様々な問題がありますが、それ以外の問題について考察してみます。

人口の多かった国にいた人たちは、もっと暮らしやすい場所に移動を開始するでしょう。

日本には中国人が多数やってきて、土地を買って住み始めます。
インド人やロシア人、韓国人のお金持ちたちも、日本の土地を買って住み始めると考えられます。

こういった人たちと仲良くできる人は良いですが、現在でも既に中国人や他の外国人からの移住者や観光客に迷惑している日本人がいるように、困る人も多数出てくるでしょう。
言葉も違う、習慣も違う、歴史も違う、文化も違う、考え方も性格も違うような人との共存は非常に難しいのです。

日本からも逃げ出す人も出てくるとは思いますが、出ていくこともできない人もいるわけで、こういった人たちは不満が蓄積していきます。
これらの不満が溜まって我慢できなくなってくると、どのような法律を制定したとしても、喧嘩や争いが起き、やがては戦争に発展する可能性も低くはなく、時間とともにその可能性は倍増していきます。

もちろん日本だけではなく、世界中でこのようなことが起きると考えられます。

未だロシアとウクライナが戦争を続けていますが、国境をなくすと、ロシア人たちは不凍港を得るために南下を始めるでしょう。
ロシアの念願は、冬でも貿易ができるように、海が凍結しない港を得ることです。
ロシア人たちが南下を始めてやりたい放題にさせてしまうと、そこら中で争いが起きるという可能性が高いです。

つまり、国境をなくせば戦争がなくなるどころか、戦争が起きやすくなると考えられるのです。

戦争を起こす国は、国境があるがゆえに、自国のテリトリーを広げるために戦争をするという国は多いとは思いますが、戦争をする理由はテリトリー争いばかりではないのです。

戦争をする理由は、自分たちの主義主張を通すためだったり、自分たちの命や土地、食べるものや住む場所を守るためだったりします。
当然、悪人も存在するので、他人の土地や食べ物を奪うために戦争をする人たちもいます。

宗教争いも、戦争の大きな要因の一つです。
様々な戦争の理由がありますので、国境をなくせば戦争がなくなるということはあり得ません。

むしろ、戦争を助長する可能性がある考えと思われますので、指摘する必要があるでしょう。

まぁ、国境をなくしたくても、そんなことは世界の人々が許しませんので、現実にはあり得ない話かもしれませんが、こういったことを各自が考えていくということは大切なことかと思います。

 



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