ロシアのウクライナ侵攻について2
ロシアによるウクライナ侵攻の現状や打開策などについて、前回に続いて考察してみたいと思います。
■現在の戦況
ウクライナが意外にも善戦し、ロシアの侵攻に対して徹底抗戦をしているため、現在は膠着状態となっています。
私もすぐに首都キエフが陥落してしまうのではないかと思っていましたが、ウクライナが対抗できている要因について、考えてみたいと思います。
プーチン大統領は、軍事的にロシアがウクライナを圧倒していると思い、プーチン大統領もすぐにウクライナを制圧できると考えていたようですが、そうではなかったようです。
ウクライナは、少し前は確かに軍事力はあまりなかったのですが、2014年にロシアがクリミアを併合したことから危機感を感じ、軍事費をかけるようになったようです。
兵力を増強し、さらにヨーロッパ諸国から兵器を買い、軍事力はかなり強化されていたというのが大きな要因と考えられます。
ただ、ロシアはまだ本気を出していないと考えた方が良いです。
本気を出していないと言うよりは、本気でウクライナを叩けないと言った方が良いでしょうか。
と言いますのも、何かのきっかけでNATOなどのアメリカやヨーロッパ諸国を相手にする可能性があり、そのために兵器や兵力、軍資金を温存しておかなければならないからです。
少しずつ新型兵器をウクライナにも投入し始めているようですが、こういった理由から、ロシアが十分な兵力を出せていない可能性が高いです。
それと、ロシア兵の士気が異常なまでに低いというのも、ロシアが攻めきれない要因の一つでしょう。
ウクライナに捕まったロシア兵は、「プーチン大統領に騙された」「訓練と聞かされていた」と口々に言っており、これは事実と思われます。
ロシア兵も嫌々戦わされているようですが、逆らえば殺されるので、従わざるを得ないという状況のようです。
こんなことでは士気が上がるはずもなく、ロシア側が攻撃が進まないのも頷けます。
ロシアの将軍の戦死者も増えてきておりますが、もしかしたら、ロシア政府に逆らって殺されたというケースもあるかもしれません。
対してウクライナ側は、自国を守るために死ぬ気で戦う兵士も多く、少ない兵力でも大国に十分に戦えていると考えられます。
このような要因があり、徐々にロシアの制圧地域は増えているものの、なかなか進んではいないという状況になっているようです。
■プーチン大統領を暗殺できるのか
プーチン大統領の側近は、プーチン大統領を暗殺すれば、AIが核ミサイルを発射するようにしているという話がありましたが、これは脅しでしょう。
そもそも、どの国が暗殺を謀ったかすぐには分からないのに、核ミサイルをどこに発射するというのでしょうか?
仮に一万歩譲って、核ミサイルがどこかに発射されたとしたら、それこそ世界中を敵に回すことになり、中国や北朝鮮の援護も得られず、世界中の軍隊がロシアに進軍し、ロシアは滅亡することになるでしょう。
そもそも、ロシア政府が公式に発表していることは、もはや何一つ信頼できません。
ウクライナの病院などの民間施設が破壊されたのに、ロシア軍は攻撃していないと発表したりしているので、ロシア政府や軍が言っていることは、その反対が正しいと考えた方が良いでしょう。
つまり、暗殺したらAIが核ミサイルを発射するようにしているというのは嘘であり、なぜこのような嘘を言うのかと言えば、プーチン大統領は戦争で負けるよりも、暗殺を最も恐れているということでしょう。
生け捕りや追放が良いという意見もありますが、生け捕りや追放は、暗殺よりもはるかに難易度が高いです。
生け捕りや追放をするとなると、特殊部隊がプーチン大統領に接近して行わなければなりませんが、大統領権限で護衛たちにすぐに殺されてしまう可能性が高いのです。
しかし、暗殺するとなると、必ずしもプーチン大統領に接近しなくてはいけないわけではありません。
例えば、プーチン大統領の料理人を買収して、毒を混ぜてもらうという方法があります。
それも、即死する毒だとすぐにバレてしまうので、少しずつ毒を混入して、病気にさせて衰弱死させれば、毒を盛られたかどうかの判断に時間がかかるので、全員が逃げる時間も稼げます。
もしくは、遠くからの狙撃や、物資に見せかけて爆弾を送り込んだり、ドローンに爆弾を積んでプーチン大統領を狙うなど、暗殺には様々な方法があるのです。
まぁ、問題は誰がやるのかになりますが、第三者の国が行うと、やはり失敗した時に攻撃対象となってしまうため、ロシア内の誰かやウクライナ政府などが行うのが良いのですが、実際に行うとなるとなかなか難しいのかもしれません。
■経済制裁の効果はあるのか
世界中の国が、ロシアを経済制裁しているので、いずれロシアが経済的に破滅するという意見もありますが、これは難しいかもしれません。
というのも、やはり中国の存在が大きいからです。
中国としても、今回のロシアはやりすぎていると考えているかもしれませんが、中国がロシアを切るわけにもいかず、裏ではロシアを支援し続けるでしょう。
もしロシアが力を失ってしまうと、同じ社会主義であった中国も孤立してしまうことになるからです。
中国は普通に各国と貿易を行っていますので、その中国がロシアを支援し続ければ、ロシアが経済的に破綻するということはないということです。
ただ、経済制裁自体は効果が確実にあり、ロシアは経済的に苦しめられていることは事実です。
しかし、経済制裁だけでロシアが軍を退いて解決できるということにはならないかと思います。
■今後はどうなるのか
こうなると、やはり停戦合意を待つしかないのですが、両者の主張が噛み合わず、平行線をたどり続けているようです。
本来は、戦争で不利な側が妥協をして、有利な方の条件をある程度は飲まなければならないのですが、ウクライナも押されているとは言え、負けているわけではないので、ロシア側の条件は飲めないということでしょう。
普通は停戦交渉として、条件を変えたりするものなのですが、今のところ、最初からお互いの条件がほとんど変わっていないようで、交渉しているようには見えません。
このままでは、停戦合意には至らず、膠着状態が長く続いてしまうものと思われます。
戦況としては、ロシア側が少しずつ制圧地域を増やして進軍しているものの、ウクライナ兵の士気の方が高いようなので、いずれはロシア軍が疲弊して退却するということになるかもしれません。
ただ、それまでにはまだ時間がかかり、その間もウクライナ国民にも被害が出続けると思われます。
悲しいニュースが続いていますが、早く平和になることを祈るばかりです。