同音で意味の異なる漢字まとめ1
過去からの記事の抜粋になりますが、同音で意味の異なる漢字をまとめてみました。
■同音で意味の異なる漢字
「産む」と「生む」は同じ読み方でも意味が異なります。
ご存知の方も多いと思いますが、一応解説しておくと、「産む」は母が子どもを産む時や、動物が卵を産むという時に使います。
「生む」の方は、それ以外のものを生み出す時に使います。
例えば、「アイディアを生む」「新製品を生み出す」といった使い方です。
「卵」と「玉子」にも違いがあります。
「卵」は殻がある状態のもので、「玉子」は調理された後の状態のものです。
「歳」と「年」も、「歳」の方は人間などの年齢を示し、「年」は年月の方を示すという違いがあります。
「脚」と「足」も違います。
「脚」はleg、つまりくるぶしから上の部位を指し、「足」はfoot、つまりくるぶしから下の部位を指します。
間違いが多いものに「確率」と「確立」があります。
「確率」は、事象が起きる可能性のことで、「確立」の方は何かを打ち建てた時に使うものです。
まぁ、こちらは単に変換ミスかと思いますが、少し前は結構この間違いが多くあり、理解するのに一瞬困る場合がありました。
「観る」と「見る」の違いは、「観る」は映画などを集中して観る時に使い、「見る」は何となく見るということは、ご存知の方も多いでしょう。
「聴く」と「聞く」も同じ様に、「聴く」が集中して話や音楽などを聴く時に使い、「聞く」は何となく聞こえてくる時に使います。
「答える」と「応える」は、「答える」が問題やクイズに答える時に使い、「応える」はメールや呼びかけに応える時に使います。
「解答」と「回答」も同じで、「解答」が問題などに解答する時に使い、「回答」はメールなどに回答する時に使います。
「図る」、「測る」、「計る」、「量る」の違いですが、「図る」は計画する時に使い、「測る」は長さを測る時に使い、「計る」は時間などを計る時に使い、「量る」は重さを量る時に使います。
「写す」、「映す」の違いは、「写す」はお手本と同じものを書いたり、写真を写す時に使い、「映す」はスクリーンに映す時や、反映の意味で使ったりします。
「飛ぶ」、「跳ぶ」の違いは、「飛ぶ」が空を飛ぶ時に使い、「跳ぶ」はジャンプする時に使います。
「打つ」、「撃つ」、「討つ」の違いは、「打つ」が何かを叩く時に使い、「撃つ」は銃で弾丸を撃つ時などに使い、「討つ」は誰かを倒すという意味で使います。
「生かす」と「活かす」はどちらも同じように使って良いようですが、どちらかと言うと「生かす」は死なないようにする時に使い、「活かす」は物や機能などを活用する時に使うのが良いかと思います。
「怖い」と「恐い」も違いはないようです。
ただ、「怖い」の方が常用漢字で、「恐い」は常用漢字として登録されていないので、迷ったら「怖い」を使えば良いとのことです。
「変わる」、「代わる」、「替わる」、「換わる」の違いは、「変わる」は異なる状態になる時、「代わる」は何かの代理をする時、「替わる」は入れ替わりで交換する時、「換わる」は古いものを新しいものに換える時に使います。
「努める」、「務める」、「勤める」の違いは、「努める」は努力する時、「務める」は役目を担う時、「勤める」は仕事に携わる時に使います。
「現れる」、「表れる」の違いは、「現れる」は隠れていたものが現れた時、「表れる」ははっきりと表れた時に使います。
「体」、「身体」の違いですが、「体」は単に肉体のことを指し、「身体」は人間の心と肉体のことを指します。
つまり、「身体」と「心身」は同じ意味になりますが、分かりにくいので、人間の体を指す場合は「身体」を使い、心と体を指す場合は「心身」を使うと良いと思います。
「保証」、「保障」、「補償」の違いは、「保証」は人や物を確かなものと保証する時、「保障」は何かの基準を守る時、「補償」は損害などを補う時に使います。
「速い」と「早い」の違いは、「速い」は速度が速い時、「早い」は時間が早いという時に使うのは、ご存知の方も多いと思いますが、使い分けが難しい時があります。
例えば、「食べるのが速い」と書くと、がつがつと短時間に食べるという意味になりますが、「食べるのが早い」と書くと、決まった時間よりも食事時間が早いという意味になります。
つまり、「早い」は時間が短い時ではなく、規定時刻よりも早い時に使います。
英語で言えば、「速い」は「fast」で、「早い」は「early」になりますが、こちらの方が分かりやすいかもしれません。
「暑い」と「熱い」の違いは、「暑い」は気温が高い時、「熱い」は何かの温度が高い時に使います。気持ちが高ぶった時も「熱い」の方を使います。
「初め」と「始め」の違いは、「初め」は一番最初にやる時、「始め」は開始する時に使いますが、これも使い分けが微妙な時があります。
初めてのことを始める時など、どちらの漢字を使うか迷うことがありますが、「初め」は「初めて」のように副詞として使い、「始め」は「始める」のように動詞として使うことが多いので、きちんと区別するようにしましょう。
「効く」と「利く」の違いは、「効く」は薬など効果があるという意味で、「利く」は十分に働くという意味になります。
「薬が効く」、「鼻が利く」、「気が利く」のように使い分けます。
「履く」、「穿く」の違いは、「履く」は靴下や靴など足に履く時、「穿く」はズボンやスカートなど主に下半身に身につけるものを穿く場合に使います。
「共に」、「供に」、「伴に」の違いは、「共」は同じとか一緒という意味なので、「共に行動する」という使い方になります。「供」は従者という意味が強く、「お供する」という使い方をします。
「伴に」という言葉は正確には正しくありませんが、間違いというわけではなく、「共に」と同様の使い方でも良いようです。ただ、伴侶という字にも使われていますので、「伴に生きていく」という時に使うと良いかもしれません。
「混じる」、「交じる」の違いは、「混じる」は絵の具が混じるなど、元のものが分からなくなるような場合に使い、「交じる」はグループに別の人が交じるなどのように、交じっても元のものが区別できる時に使います。
「勧める」、「薦める」、「奨める」、「進める」の違いは、「勧める」は運動を勧めるなど、行動を勧める時に使い、「薦める」は新商品を薦めるなど、物を他人に薦める時に使います。
「奨める」という字はあまり使うことはないかもしれませんが、「勧める」と同様のようです。
「進める」は歩を進めるなど、前進するという意味になります。
「暖まる」、「温まる」の違いは、「暖まる」は気温が上がって暖かくなった時、「温まる」は火などで熱して温度が上がった場合に使います。
「治す」、「直す」の違いは、「治す」が病気を治す時、「直す」は壊れた物を修理する場合などに使います。
「生長」、「成長」の違いは、「生長」は植物が育つ時、「成長」は動物が育つ時や、物事の規模が大きくなる時に使います。
「追求」、「追及」、「追究」の違いは、「追求」は利益を追求するなど、手に入れるために求める時に使い、「追及」は嘘を追及するなど、責任や嘘を問いただす時などに使います。「追究」は科学を追究するなど、学術の研究を深く行う時などに使います。
「制作」、「製作」の違いは、「制作」は絵画やソフトウェアなどを作成する時、「製作」は工芸品やハードウェアなどを作成する時にに使います。
「取る」、「摂る」、「採る」、「執る」、「撮る」、「捕る」の違いは、「取る」は手で物をつかんだり、手に入れる時に使い、「摂る」は栄養を摂取する時に使います。「採る」は人材を採用する時や、植物を採る時に使い、「執る」は指揮を執るなど行動をする時に使います。「撮る」は写真や映像を撮影する時に使い、「捕る」は虫などを捕まえる時に使います。
「街」、「町」の違いは、「街」はにぎやかな繁華街の意味を持ちます。「町」は市や村と同様に地域を分けるための単位の意味もありますが、繁華街以外は「町」を使えば良いでしょう。
「捕らえる」、「捉える」、「囚える」の違いは、「捕らえる」は犯罪者を取り押さえる時などに使い、「捉える」は要点を捉えるなど、物事をしっかりつかむという意味です。「囚える」は拘束することで、牢屋に囚えるのように使います。
「建てる」、「立てる」、「点てる」の違いは、「建てる」は建物を建てる時、「立てる」は物を垂直にする時や、男を立てるのように立派にするという意味などで使われます。
「点てる」は、「お茶を点てる」のように使いますが、基本的に茶葉を粉状にしてお湯に溶かして飲む場合は、「お茶を点てる」という言い方をしますが、茶葉から抽出したエキスだけを飲むお茶の場合は、「お茶を入れる」というのが正しいようです。
「持つ」、「保つ」の違いは、「持つ」は手に持つ時、「保つ」はある状態が持続する場合に使います。
「硬い」、「固い」、「堅い」の違いは、「硬い」は「石が硬い」や「表情が硬い」など、外部から力が加わっても形が変わらないような時に使います。「固い」は「団結が固い」や「頭が固い」など、変化しにくいとか結びつきが強いという意味になります。「堅い」は「守りが堅い」や「義理堅い」など、丈夫でしっかりしているという意味になります。
「十分」、「充分」の違いは、「十分」はコップに水が十分あるなど、数量的に満ちている場合に使い、「充分」は充分に満足したなど、感情的に満ちている場合に使います。
「川」、「河」の違いは、「河」というのが中国で大きな川として使われることが多く、日本の川にはあまり「河」の字は使われていません。ちなみに「河川」は「河」と「川」を総称したものです。
「皮」、「革」の違いは、「皮」が動物の表面の皮膚のことを指し、「革」は製品に使用するために加工されたものに使います。
「災い」、「禍」の違いは、「災い」は地震や火山など防ぎようのない天災に使い、「禍」は戦争や汚染など人為的によって生じた大きな被害に使います。