煮詰まると行き詰まるの違い

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※この記事は過去の記事からの再掲載となります。

 

■煮詰まると行き詰まる

「煮詰まる」という言葉は、実は完成に近いという状態を表し、本来は行き詰まる、つまり物事が進まなくなるという意味はありませんでした。
もともと「煮詰まる」という言葉は、鍋料理が煮詰まってきて、完成に近づいているというところからきています。

「会議での議論が煮詰まってきた」と話すと、本来は話が進まなくなってきたという意味ではなく、正しくは議論が最終段階になってきたという意味になります。
ところが、あまりにも「煮詰まる」の意味が「行き詰まる」と同じ意味と勘違いする人が多かったためか、辞書にも行き詰まるという意味が追加されたようです。

つまり、「会議での議論が煮詰まってきた」という部分だけでは、会議がもうすぐ終わるのか、議論が進まなくなったのか、どちらの意味なのか分からないということになります。
この場合、前後の文脈で判断するしかないのですが、非常に不便な言葉となってしまいました。

このように、誤用であっても、それが世の中に浸透してしまうと、正式に辞書に載り、その誤用が誤用でなくなることがあるのです。
まぁ、だからと言って、どんどん誤用しても良いというわけではありませんが、言葉本来の意味を正しく理解するということは大切なことですので、なるべく言葉の意味を調べるようにすると良いでしょう。

 



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