言葉を知る18
前回に続き、間違いやすい日本語などを少しご紹介させていただこうと思います。
■「ぢ」や「づ」はいつ使うのか
「ぢ」と「じ」、「づ」と「ず」は発音は同じですが、「ぢ」や「づ」はあまり見かける機会がありません。
「ぢ」や「づ」はどういった時に使うのでしょうか?
「ち」と読む言葉に濁点が付く場合は「ぢ」となる場合があります。
例えば、「鼻血」は「はなぢ」と書くことがあります。
しかし、「地面」の「地」は「ち」と読みますが、「じめん」と書きます。
これは、「地」の「チ」というのが音読みだからのようです。
「血」の「ち」は訓読みで、音読みは「ケツ」ですね。
ただ、一概に訓読みだから「ぢ」や「づ」を使うとも言えないようです。
ややこしいのですが、原則として「ぢ」や「づ」は使わないとのことです。
ただし、例外として「はなぢ」や「てづまり」などのように、訓読みに濁点がついた場合は使っても良いらしいです。
また、「ちぢむ」や「つづみ」などのように、同音が続いて濁点がついたものも例外となるようです。
一応、法則があるようですが、「はなじ」などと書いても間違いではないと思われますので、迷ったら「じ」や「ず」を使うようにしましょう。
■読み間違いが多い言葉
読み間違いが多い言葉を書いておきます。
「雰囲気」は「ふんいき」です。「ふいんき」ではありません。
「体育」は「たいいく」です。「たいく」ではありません。
「女王」は本来は「じょおう」と読みますが、「じょうおう」と間違って読む人が多かったため、「じょうおう」でも間違いではなくなったようです。
「原因」は「げんいん」です。「げいいん」ではありません。
「全員」は「ぜんいん」です。「ぜいいん」ではありません。
「茨城県」は「いばらきけん」です。「いばらぎけん」ではありません。
「Simulation」は「シミュレーション」です。「シュミレーション」ではありません。
バレーボールやテニスなどで使われる「Duece」は「デュース」です。「ジュース」ではありません。
「Fast」は「ファスト」です。「ファースト」ではありません。
「Avocado」は「アボカド」です。「アボガド」ではありません。
漢字は変換する際に、正しい読みを書かないと変換できないこともありますので、注意しましょう。
■同音で意味の違う漢字
以前も書きましたが、続きとして、同音で意味の異なる漢字を少しご紹介させていただきます。
「泣く」、「鳴く」、「啼く」、「哭く」の違いは、「泣く」は人が涙を流したり悲しんだりすることで、「鳴く」は動物が声をあげることです。「啼く」はあまり使われせんが、主に野鳥が鳴く時に使うようです。「哭く」もあまり使いませんが、人が号泣する時に使うようです。
「掛ける」、「賭ける」、「懸ける」、「架ける」の違いは、「掛ける」は物を引っ掛ける時などに使い、「賭ける」は金品の受け渡しを約束して勝負をする時、「懸ける」は命を失う覚悟をして勝負する時、「架ける」は空中に長いものを渡す時に使います。
「探す」、「捜す」の違いは、「探す」は自分に合ったものを探す場合に使い、「捜す」は失くした物を捜す時に使いますが、この場合でも「探す」を使っても問題ないようです。
「移動」、「異動」の違いは、「移動」は場所を変える時、「異動」は会社内の所属部署が変わる時などに使います。
「変態」、「変体」の違いは、「変態」は昆虫などが成長とともに姿を変える場合に使いますが、人間の異常者などに対しても使う場合があります。「変体」は体裁が普通と異なっているという意味ですが、こちらはあまり使う機会がないかもしれません。
「整形」、「成形」の違いは、「整形」は文字通り形を整えることで、「成形」は形を作ることです。
ちなみに、「整形外科」と「形成外科」の違いですが、「整形外科」は運動に関する体の治療を行なうところで、「形成外科」は怪我や火傷などの主に体の表面の治療を行なうところです。顔の形を変えるのは「形成外科」の方になります。
「超える」、「越える」の違いは、「超える」は上回る時に使い、「越える」は「山を越える」など上を通る時に使います。「限界をこえる」などはどちらを使っても良いようです。
「常態」、「状態」の違いは、「常態」は通常の形態や様子のことで、「状態」というのはその時の物事の形態や様子という意味です。
「体制」、「態勢」、「大勢」、「体勢」の違いは、「体制」はシステムや組織、「態勢」は物事に対する準備、「大勢」は全体のおおまかな流れ、「体勢」は体の状態を表します。
「制作」、「製作」の違いは、「制作」は絵などのデザインを作る時、「製作」は工業品など物を作る時に使います。
「分かれる」、「別れる」の違いは、「分かれる」は物が別々になる時、「別れる」は人と人が離れる時に使います。
「湧く」、「沸く」の違いは、「湧く」は勇気や大量の虫などが出る時に使い、「沸く」は水がお湯になる時に使います。
「指す」、「刺す」、「差す」の違いは、「指す」は方向や人を指し示す時に使い、「刺す」は鋭い物を突き通す時に使い、「差す」は「日が差す」や「傘を差す」などに使います。
日本語は同音で意味の異なる漢字が非常に多いですが、他にもあればまた別の機会にご紹介させていただこうと思います。