言葉を知る12
前回に続き、間違いやすい日本語などについて少しご紹介させていただこうと思います。
■喝を入れる?
他人に気合を入れるなどの意味合いで、「かつを入れる」と言いますが、「かつ」はどのような漢字を書きますでしょうか?
「喝を入れる」
だろうとおっしゃった方は、残念ながら間違いです。正しくは
「活を入れる」
です。
「喝」は大声で叫ぶという意味で、大声を入れるという表現はおかしいということになります。
ただ、自分に大声で励ます時に、「自分に喝を入れる」という表現はあるようです。
しかし大声で叫ぶのではなく、生きるための気合を入れるという意味では、「活を入れる」と書きますので、漢字としてはこちらがふさわしいと言えます。
間違えて使ってしまう方も多いと思いますので、覚えておきましょう。
■世間ずれ
「あの人は世間ずれしているな」
と言った場合、どういう意味で解釈してますでしょうか?
「世間の常識から少しズレている」
と回答した方は間違いです。
「世間ずれ」の正しい意味は、世間の荒波に揉まれて世の中の道理に慣れているという意味になります。
「世間ずれ」と書くと、そのまま世間から考えや行動などがズレていると解釈してしまいがちですが、どちらかというとこの「ずれ」は「擦れて」の意味で、世間に揉まれていると解釈します。
こちらも誤解をしていらっしゃる方が多いと思いますので、注意をしておきましょう。
■二つ返事
「二つ返事で引き受ける」
の意味も間違えて覚えていらっしゃる方も多いようです。
「二つ返事」なので、「はい」を二回繰り返して「はいはい、やりますよ」という感じで返事をすることで、イヤイヤやる、もしくは聞き流すという意味だと思っている方がいらっしゃいます。
正しくは、快く引き受けるという意味で、イヤイヤ引き受けるというわけではありません。
「二つ返事」が「はい、はい」なのはそうなのですが、イヤイヤではなく、ハキハキと二回返事をすることから、快く引き受けるという意味になったようです。
こちらも間違いやすい言葉なので、覚えておくと良いと思います。
■フリーマーケット
「フリーマーケット」は「自由な市場」と翻訳しがちですが、本来この「フリー」は「自由」という言葉ではありません。
「フリーマーケット」は元々、「flea market」であり、「free」ではないのです。
「flea」というのは、「のみ」という意味です。
なので、「フリーマーケット」は「蚤の市」と訳すのが通常です。
なぜ「蚤の市」なのかと言いますと、元々はガラクタ品を扱うことが多かったために、大した物ではないという意味で「のみ」のような市場と言われていたようです。
ただ、「自由な市場」と勘違いしている人も多く、今ではガラクタ品のみでなく、様々な物を扱う場合が多いので、「free market」の言葉を使っても問題はないと思われます。
そのため、今では「free market」書いているサイトなども多いと思います。
まぁ、語源を知っておくことは大切なことですので、この機会に覚えていただけたらと思います。
■永遠と延々
たまに「永遠と~し続ける」という言葉を耳にします。
本当に「永遠」にそれを続けるのであれば間違いではないのですが、「永遠」は無限の時間という意味ですので、おそらく「延々」という言葉と間違えて使っていらっしゃるのではないかと思われます。
「延々」と言うと、長々ととか、ずっとという意味です。
発音としても、「えいえん」と「えんえん」で似ていますので、間違って使ってしまう方もいらっしゃるようです。
文字を正しく理解し、正しい日本語を使うように日頃から意識しておくようにしましょう。