夏と冬どちらが人間にとって良いか3

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冬も終わり、少しずつ暖かくなってきてますが、今年も関東では大雪もなく、以前のような芯から寒いと感じる日もほとんどなく、暖冬となりました。
地球温暖化が実感されますが、夏と冬の比較についてもう一度考えてみたいと思います。

 

■人間は寒さの方が弱いのか?

先日、テレビの情報番組で、熱中症で死ぬ人より、低体温症で死ぬ人の方が多いから、人間は寒さに弱いと結論づけているのを見かけました。
データ自体は正しいとは思いますが、人間が寒さに弱いと結論づけるのは分析不足というべきでしょう。

低体温症で亡くなった人のほとんどは、雪害と思われます。
熱中症のように、普通に生活していて、寒くて死ぬということはほぼないはずです。

大雪が降る北海道や東北地方などでは、地球温暖化の影響で大雪に見舞われることが多くなっています。
なぜ地球が暖かくなっているのに、大雪になることが多くなるのかというのは、地球のメカニズムが複雑で、説明するのは少し難しくなっています。

一説には、地球上で暖かくなっているところが増えたために、寒気が圧縮され、寒気に見舞われた地域はより寒くなるというのもありますが、有力な説としては、地球温暖化によって北極の氷が溶け、その細かな氷が南に流れてくることで、冬にその氷が海水と大気を冷やすために北極の寒気が南に広がりやすくなり、広い範囲で寒くなるというものです。
詳しく知りたい方は、専門のホームページなどで調べていただければと思います。

この雪害がやっかいで、雪山で遭難したり、ひどい吹雪で前に進めずに倒れてしまったりで亡くなってしまう場合、餓死する前に低体温症で死んでしまうことが多いのです。
雪かき中に、雪ら埋もれてしまった場合、窒息死や圧死となる場合もありますが、雪に埋もれていても生きていて呼吸が確保できていたとしても、すぐに助けなければ低体温症で死亡してしまうこともあります。

つまり、低体温症で死んだという人は、ほとんどが雪害であり、普通に生活をしていて寒くて死んだわけではないはずなのです。

しかし、夏の熱中症の場合、多くはお年寄りですが、普通に生活していても、熱くて死んでしまうことがあります。
高齢になってくるほど、暑さに鈍感になり、クーラーを使用しなくても平気になってくるため、家にいても体の温度が限界を超えてしまい、そのまま亡くなってしまうようです。

死亡するまで至らなくとも、熱中症の症状で救急搬送される人は、若い人も含めて非常に多くなっています。
事実、私も東京に住んでいますが、夏は毎日のように、昼でも夜でもかなり救急車のサイレンを聞きます。
対して冬は、正月に餅を喉につまらせて救急車を呼ぶ人が少しいる程度で、それ以外はほとんど救急車のサイレンは聞きません。

また、低体温症のほとんどが雪害ですので、それと比較するなら、夏も水害を含めないと、正しい分析はできないということになります。
夏の水害は、川や海での事故の他、豪雨や台風、洪水や土砂災害等も含まれますので、相当な数になるでしょう。

しかし、水害は溺死となる場合がほとんどで、圧死、出血多量などの死因もありますが、熱中症にはカウントされません。
低体温症に雪害が含まれている以上、正しい比較はできないということになるかと思われます。

結論として、熱中症で死亡した人のデータと、低体温症で死亡した人のデータを単純に比較して、低体温症で死亡した人が多いから、人間は寒さに弱いと分析していることがナンセンスであるかと思われます。
このデータは単純に比較できるものではありませんので、雪害や水害での死亡人数のデータなど、他の統計データを分析してから結論を出していただければ、普通に生活していて寒さで死亡した人よりも、暑さで死亡した人の方が多いという結論に達するはずです。

 

■台風のメカニズム

台風は秋の被害というご意見がありましたが、台風というのは、主に夏の被害です。
台風が発生するメカニズムとしては、太陽によって海が温められ続けて海水が蒸発し、水蒸気が溜まって発生するものです。

それだけだと単なる雨雲となりますが、これに地球の自転による力が加わり、回転を始めることで渦となり、台風となるわけです。
そのため、気温が高い夏に台風が発生しやすくなります。

秋になっても台風が発生するのは、寒気によって日本は涼しくなったとしても、赤道付近の海水はなかなか温度が下がらず、海水が多く蒸発しているためです。
水蒸気は蓄積されていくので、夏に蓄えられた水蒸気も台風になりやすく、秋の方が台風が発生することが多いのかと思います。

なので、台風は秋が多いイメージがありますが、秋の被害と言うよりは夏の置き土産というべきでしょう。

冬にも台風が発生することがありますが、これはやはり水蒸気の蓄積によるものかと思われます。
冬であっても、太陽光によって少しずつ海水は蒸発し続けていますので、蓄積量が多くなれば、台風が発生することが稀にあるということです。

しかし、冬の台風はご存知の通り、水分の蓄積は多くないため、勢力は大きくありません。
そのため、赤道から日本に到達する前に風で流されて、なくなってしまうことがほとんどなのです。

ただ、近年の地球温暖化により、暖冬となることが多くなっておりますので、だんだん冬や春も台風を警戒しなければいけなくなってくるとは思いますので、注意していただければと思います。

 

■寒さに弱い人は運動不足?

冬の間は、寒いから外に出たくないとか、運動したくないという話をよく耳にします。

しかし、普段から運動している人は、寒いからこそ運動したいと思うものです。
なぜなら、暑い時に運動すると、オーバーヒートしてしまい、体に負担が大きくなるのに対し、冬は運動しても暑くてつらいということにはならず、ちょうど良い温度となるからです。

冬に運動した方が、ダイエット効果も高いですし、いくら運動してもオーバーヒートすることもありません。
確かに、体を動かすまでは寒いかもしれませんが、夏の暑さに比べればどうということはないでしょう。

冬にダイエット効果が高くなるというのは、内臓が冷えると免疫力が低下してしまうので、身体を温めようと脂肪を自然に燃焼するため、痩せやすくなるのです。
ただ、大抵の人はそのせいで、いつもよりお腹が減ってしまって食べ過ぎてしまい、逆に冬に太ってしまう人が多いので、注意する必要があります。

冬に運動したくないという人は、普段運動していない人ではないでしょうか?
普段から筋トレやスポーツなどをしている人は、新陳代謝が良くなり、身体が暖まりやすくなります。
冬に運動すると、冬の寒さが心地よく感じることも多いのです。

寒いから運動したくないというのは、普段運動していない人が、運動をしたくないという理由で言うような言い訳にしか聞こえません。
先ほど書いたように、寒いからこそ運動するのに向いているからです。

寒さが苦手という人は、運動不足の可能性があります。
普段から、軽くで良いので、筋トレなどの運動を行っておけば、寒さに強くなってくるはずです。

ただ、代謝が良くなって身体が暖まりやすくなればなるほど、逆に暑さに弱くなる可能性があります。
これから地球温暖化はますます進んでいくので、暑さに弱くなると、それだけ夏が苦手になってしまいます。

ここの部分は非常に難しいところではありますが、運動は健康のためにも続けた方が良いとは思います。
体質によって、普段運動していても暑さに強いという方もたくさんいらっしゃいますので、自分の体質を考えて、運動を行っていただければと思います。

 



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