戦争について考える4

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真に平和を望むのであれば、戦争について考えることは大変重要なことです。
前回に続き、戦争について考えてみたいと思います。

 

■自国の問題は自国の人たちが解決すべき

自国の問題は、基本的に自国の人たちが解決すべきです。
国によって、それが難しいところもありますが、他国が介入して解決しても、その後はうまくいかなくなることが多いものです。

少し前から問題になっていますが、現在もシリア難民問題があります。
心優しい方は、可哀想だから、各国で保護しようと考える方もいらっしゃるかもしれません。

少人数であれば、それもそれほど問題ありませんが、難民の数も何十万人、何百万人という数になってきていますので、来た難民を全て受け入れてしまうと、国家存亡の危機にもなりかねません。
すでに、難民に紛れ込ませたテロリストがヨーロッパで猛威を振るっていますし、難民が増えればそれだけ治安も悪くなります。
また、多数の難民の生活を保障するとなると、莫大な税金がかかります。

なぜ難民を受け入れないのだと、国を批判している場合ではないのです。
これを解決するには、根本となる、シリア内乱の問題を解決するしかありません。

今は、欧米諸国なども、テロリストなどの鎮圧のために、空爆を行っていますが、テロリストは鎮圧できたとしても、内乱までは解決できない可能性は高いでしょう。
シリア近辺ではイスラム国の他、シーア派や、スンニ派、クルド人など、様々な勢力が混在しており、歴史や宗教などを踏まえると、複雑な状勢で簡単に解決できるものではありません。
他国が介入してきたところで、所詮は他国だからという民衆の認識から、一時的に平和になったとしても、いずれはまた内乱が起き、統治できない可能性が高いのです。

シリア難民のニュースを見ていて、少し残念なのが、意外と若い男性が多いということです。
差別するわけではありませんが、私からすると、なぜ解決するために誰も戦わないのだろうという疑問が少し湧いてしまいます。

私もシリア情勢にあまり詳しくないので素人意見となりますが、ベストな方法で解決するには、地元の民衆の誰かが、どの勢力にもどの宗教にも属さない、新勢力を革命軍として起こし、その勢力が統治するのが最も良い結果を生むのではないかということです。
もちろん、戦いに勝たなくてはならないため、最初はいずれかの勢力と同盟をし、極力戦争も避けなければなりませんが、誰かがこういったことをやらないと、永遠に解決しないようにも思えます。

私も色々と考えることがあり、もし日本がそのような内乱状態だったら、死を覚悟してそのような行動を取るだろうとシミュレーションすることもあります。
シリアの一般の人も、戦いに参加することはもちろんあるとは思いますが、やはり既存のいずれかの勢力に属しても、それに反発する勢力がある限り、内乱は治まらないでしょう。

昨今は、北朝鮮の挑発が激しくなっていますが、これも本当は北朝鮮内の民衆が起ち上がって、内乱を起こし、解決してもらうのがベストとは思います。
北朝鮮は、恐らく自国の軍事力や、中国、ロシアなどを頼みに、第三次世界大戦レベルの戦争を起こしたいのかと思います。

しかし、北朝鮮が先にどこかの国を攻撃してしまうと、中国やロシアが加勢してくれない可能性もあるため、挑発を続けていると思われます。
韓国やアメリカ側も、北朝鮮だけを排除できれば良いのですが、下手に攻撃をしてしまえば、中国とロシアが加勢してきて第三次世界大戦になってしまうのを恐れ、手を出せないのです。

北朝鮮の民衆も、ひどい統治に苦しめられていると聞きますので、本当は民衆の誰かがクーデターを起こして、統治者が変わってくれるのが一番良い解決方法ではあります。
人の命が関わるので、簡単なことではありませんが、自国の問題は自国が解決するのがベストではないかと私は考えます。

 

■戦争が起きる時は起きる

現在も、安保法案反対の声が鳴り止みませんが、第二次世界大戦後から現在まで平和だったのは、憲法のおかげと言うよりは、海外で戦争がなくなっていったためという要因の方が強いです。

明治維新以降、日本は他国と戦争をしました。
しかし、それは日本が他国に侵略されそうになったからであり、日本を守るためでもありました。

日本は、中国や東南アジア各国を植民地化しましたが、それはイギリスやフランスなども植民地化を進めていたため、それに対抗するためです。
確かに日本が他国を植民地化すれば、その国の人たちや日本兵士もたくさん戦争で死ぬことになりますし、植民地化された国が日本を恨むということもあるでしょう。

しかし、これをしなければ、日本が逆にイギリスなどの植民地になってしまう可能性がありました。
歴史の授業でもあまりこの日本の侵略については触れられないことが多いですが、私はこの辺りも日本の汚点とはそれほど思っていません。

江戸時代が平和だったのは、徳川幕府が日本国内の内乱を治めていたという要因はありますが、もし黒船が江戸時代初期に来ていれば、江戸時代は長く続いていなかったと考えられます。
イギリスの産業革命以降、ヨーロッパ各国は急激に技術力の発展を遂げ、戦争のための戦艦や砲術も進化をし、他国を植民地化し始めていました。

日本もそのターゲットとして例外ではなく、江戸末期に黒船がやってきました。
この黒船も、最初は開国の要求でしたが、本当は日本植民地化のための下調べも兼ねていました。

そして、明治維新を経て他国と戦争していくことになりましたが、もし江戸時代初期に黒船が来ていたとしたら、それが早まるということになります。
もちろん、その場合は同じような明治維新が起きていたかは分かりませんが、日本が植民地化されてしまうのを防ぐために、他国と戦争をせざるを得なくなることは間違いなかったでしょう。

要は、日本が平和を維持できるかどうかは、日本自身の問題と言うよりかは、他国の影響によるところが大きいということです。
日本の周囲で戦争が勃発しているのに、日本だけ平和ということは考えにくいということです。

現在でも、北朝鮮や中国が、いつ日本に攻撃してくるか分からず、漁船が襲われたり、ミサイル発射や領空侵犯など、緊迫する場面もあります。
もし、ちょっとした弾みで小競り合いが始まり、それが大きくなっていってしまえば、戦争になってしまう可能性もあります。

つまり、日本が今まで平和だったのは、他国が戦争をしていないだけで、憲法のおかげで平和だったとはあまり言えないということです。
永遠に戦争を放棄するという憲法は、平和維持のために良いような気もしますが、単に日本からは攻撃をしないというだけの意味であり、実際は自衛権もあり、他国が日本を攻撃してくれば、戦争状態に突入するのです。

だからと言って、安保法案が要るという意味ではありませんが、安保法案については、他の記事でも述べた通りです。
ただ、憲法が日本を守ってきたという、安保法案反対の声には疑問が残ると言わざるを得ません。
戦争のことを考え、声を上げるのは大事なことではありますが、この辺りもよくよく考えてみていただければと思います。

 

■日本がアメリカと戦ったのは無謀だったのか

第二次世界大戦で、日本がアメリカと戦ったことは無謀だったと述べる方がいらっしゃいます。
ただ、それは結果論であり、GHQ(General Headquarters。連合国最高司令官総司令部)の刷り込みでもあります。

小学校の社会の授業で、先生が「日本はアメリカと戦うことにした。勝てるわけないのにバカだよな」と言ったのを覚えていますが、私はこの時からかなり疑問を持っていました。
勝てるわけないのは結果論であり、当時の人たちはそう考えていなかったから戦ったのではないでしょうか。

当時は、日本はかなり植民地を持っていて、中国や東南アジア諸国まで広げていました。
今では植民地化など良いことではないのは分かっていますが、当時は飛ぶ鳥を落とす勢いだったと言えるでしょう。

しかし、日本の戦況は良くなく、食料や武器、戦艦、戦闘機、兵士など、かなりの物資不足となっていたのは事実です。
植民地化した国から、それらが送られてくれば、アメリカとも互角に戦えた可能性はありますし、アメリカ側も日本との戦いは、かなり苦戦していたようです。

ご存知の通り、これを打破する解決策として、アメリカは禁断の原爆を使用するわけですが、逆に言えば、そこまでアメリカは追いつめられていたということです。
日本側も、アメリカが原爆を持っていたことを知りませんでしたし、恐らく原爆の威力も知らなかったと思われます。

原子力爆弾のような兵器を使えば、当然大量の死者が出ます。
ドイツのヒトラー並の大量虐殺と言っても良いでしょう。
そんなことをすれば、世界中の国から批判され、各国がアメリカに反旗を翻す可能性も0%ではなかったのです。
結果的にはそうなりませんでしたが、アメリカはそのリスクを犯してでも原爆を使用しなければならなかったということになります。

日本は唯一の原爆被害国であり、その他の戦争ではどの国も原爆は使用していません。
それを知ってると、日本がかなりの脅威だったため、やむを得ず使用したと考えられるのです。

もし、アメリカが原爆を保持していなかったら、この戦争もどうなっていたかは分からないのです。
原爆を受けた被害があまりにも大きかったため、日本は降伏し、平和になったということもあるので、結果的にはその方が良かったかもしれませんが、日本がアメリカと戦ったのは無謀と言うほどではないとも思えます。

GHQの刷り込みというのは、戦後に日本が二度と戦争を起こさせないために、アメリカに勝てるわけがないと日本人たちに教え込んだのです。
洗脳に近いと言えますが、降伏した日本側には文句を言える立場ではありませんでした。
これも逆に言えば、それだけ日本の力を、アメリカが恐れていたということです。

日本はそれほど弱い国ではなく、それはアメリカが植えつけた刷り込みであるということは知っておきましょう。
こういったことは、歴史を勉強しても分かることですので、安保法案に反対するなら、ぜひとも歴史を色々な角度から勉強していただければと思います。

 



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