戦国時代の背景4

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前回に続き、戦国時代の背景について少しご紹介させていただこうと思います。

 

■歴史の記録が正しいとは限らない

以前もこのサイトで述べていますが、歴史の正式な記録であっても、全てが正しいとは限りません。
書いている国の人は、自分たちの善行だけを記録し、悪いことは書きたくないというのが心情というものです。

一例として、兵士数を挙げると、戦国時代の各国の記録にある兵数は、およそ5~10倍増しに書かれていたようです。
当時の人口と、兵士の割合を計算すると、どうもどの国も兵数が水増しして記録されているようだという研究結果が出ています。

つまり、「我が国の兵数は3万人である」と書かれている場合、実際は3千人程度しかなかったのではないかということです。
どの国も、自国の兵数が少ないと思われると、敵国に攻めこまれやすくなるということと、自国は兵数も多いので安泰であるというアピールをしたかったなどの理由で、兵数を水増しして記録していたようです。

中国の歴史書も同様で、何十万単位の兵士が攻め込んだとか、何万人も兵士を殺したという記録も、そうとう何倍に増して書かれていたと考えられています。

また、中国の戦国時代の史記や三國志正史などの正式な歴史書であっても、やはり自国の悪行は書かれず、やってもいない善行を記録するということは多々あったようです。
例えば、邪魔になった家臣を殺したり、野望のために善良な君主を暗殺したのに、素直にそのように記録を書くはずもなく、病死扱いにするのが普通です。

このように、正式な歴史書であっても、鵜呑みにすることはできません。
当時の人たちの気持ちを考え、真実はどのようなことがあったのかを考えてみるのも面白いと思います。

 

■合戦の勝敗を決める要素

合戦の勝ち負けは、兵数のみで決するわけではありません。
もちろん、兵士の数が多い方が有利ではあるのですが、他にどのような要因があるかを考えてみましょう。

兵士数以外に影響が大きいのは、指揮官や参謀による戦術でしょう。
どんなに劣勢であっても、兵の動かし方が絶妙であった場合、勝つ確率が上がります。

指揮官の統率力も重要です。
これは訓練度にも関わってきますが、兵士が指揮官の指揮する通りに動いてくれなければ、どんなに兵が強くても勝てない場合があります。

訓練度や兵士の武装度も重要でしょう。
いかに兵を集めても、武器の扱い方も分からないような寄せ集めの軍勢では、勝つことができません。
また、鎧や兜を着ていれば、簡単に刃物を通すことができないため、防御力が上がります。
その分、重くなって動きが鈍くなりますが、兵士を死なせにくくするためには重要な要素です。

また、兵士の質という要素もあります。
若い男が、みな戦死してしまい、戦うのは幼い子どもや女性、老人のみということになってしまうと、戦力が期待できません。

地形、天候も戦いを左右するものです。
少ない兵士数であっても、山や森の地形をうまく利用することで、勝てるようになるかもしれません。
天候は、雨の日は鉄砲や火計を使えなくするということもありますし、水攻めもできるようになります。
他に、夜に奇襲をかけるというのも、戦術の一つです。

兵の士気というのも重要な要素です。
どんなに兵が多くても、兵士のやる気がなくては、その強さを十分に発揮できません。
大義名分があったり、合戦に勝つなどで、士気が高まります。

このように、合戦の勝敗を決める要素は様々あり、一概に兵士数が多い方が有利とも言い切れません。
この辺りは、孫子の兵法書にも書いてあることですので、興味のある方は読んでみていただければと思います。

 

■兵の構成

日本の戦国時代の兵の構成は、国によってかなりの違いがあったようです。

足軽が五人一組で組を作り、それらの組をまとめる足軽大将、それらをまとめる侍大将という構成の国も多かったようです。
この最小単位である組の構成は、リーダーの組頭、戦う人、武器や食料を管理する係で構成されていたようです。

兵の種類としては、槍で戦う長柄組、弓で戦う弓組、主に鉄砲で戦う鉄砲組、騎乗して戦う騎馬隊、総大将を守る旗組などに分かれます。
他に補給部隊の小荷駄、兵の功や軍律違反を監視する目付、部隊間の連絡係である使番、軍の指揮に使うための太鼓、貝などで構成されます。

騎馬隊については、以前も書きましたが、存在自体が疑問視されています。
当時、馬は非常に貴重なものであり、サイズもポニーサイズ程度だったので、実戦向きではなく、主に移動にのみ利用され、戦うときは下馬していたのではないかという説が有力です。
馬が多い地域の国でも、足軽組頭のみが移動の時のみ乗っていたのではないかと考えられています。

ただ、小規模の騎馬隊はあったかもしれません。
数十騎規模であっても、いっぺんに騎馬隊が突撃してきたら、敵も恐怖に陥る可能性が高いでしょう。

また、部隊の呼び方も、備、衆、隊、勢、手など様々あり、国によって違いがあったようです。
これらを知っておくと、歴史ドラマや映画などでも、より楽しめるかもしれません。

 

■戦場を監視する目付

先ほども書きましたが、戦場での兵の中には、自国の兵を監視する目付という人がいます。
これは、誰が敵武将を討ち取ったのかや、敵前逃亡や裏切りなどを監視する人で、軍監と呼ばれる場合もあります。

敵大将を討ち取ったのに、討ち取った兵士が死んでしまい、首などの証拠もない場合、自分が討ち取ったと複数人が嘘をついて功をあげようとする人が出てきてしまいます。
監視する人がいれば、そういった事態を防ぐことができます。

自国の兵も、目付がいるので、敵を何十人も倒しているのに、功が得られないという心配がなくなるというメリットもあります。
もし、目付がいない場合、自分が倒した敵兵の首や耳などを切り落として持ち帰るのは、大変な作業となってしまいます。

また、敵と内通している者がいたり、逃げ出そうとするような兵がいれば、それを総大将に報告する役割があります。
これによって、自国の兵は下手な行動ができなくなります。

戦場が広くなれば、目付も複数人使う場合が多かったようです。
目付の中の一人は、大目付と呼ばれ、総大将のそばで他の目付の情報を集めて分析していたところもあったようです。

このように非常に重要な役割がある目付ですが、それだけに身分の高い人が就く場合が多かったようです。
目付自身が買収されたり、裏切りを行うような人では、自国の統率もガタ崩れとなってしまいますので、信頼できる人が選ばれる傾向があったと考えられています。

 
戦国時代の背景を知ることで、歴史もより楽しく学べるようになるかと思います。
興味がある方は、本やインターネットでも詳しく解説があるものもありますので、ぜひ調べてみていただければと思います。

 



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