戦争について考える
先日、安保法案が衆議院で強行採決されました。
これについては、賛否両論あるかと思いますが、ここでは、戦争や安保法案について、少し検証してみたいと思います。
■戦争が起きない前提で考えないこと
私は、集団的自衛権は必須であると考えています。
ただ、今の政府のやり方には反対で、やはり国民投票を経て、憲法にしっかり明記すべきと考えます。
現在の憲法には、集団的自衛権を行使して良いとも悪いとも書いてないので、確かに憲法の解釈を変えて集団的自衛権を行使できるようにするということは可能ではあるのですが、やはり国民が納得するわけがありませんし、憲法違反と言われてしまうのも無理はありません。
私も、きちんと国民に説明した上で、憲法改正の国民投票を行い、憲法を変えるべきと思います。
集団的自衛権については、反対意見も多いですが、やはり戦争が起きた場合に必要かと私は思います。
確かに、集団的自衛権の使いどころを誤れば、無用な戦争に巻き込まれる可能性もありますので、反対意見の方々のお気持ちもよく分かります。
ただ、周囲で戦争が勃発するような事態となった場合には、集団的自衛権が必須であると言わざるを得ません。
同盟国であるアメリカが敵国に滅ぼされそうな状況になったとしても、日本は手を出してはいけないとおっしゃるのでしょうか?
手を出さずに、アメリカが滅ぼされてしまったら、次は日本が攻め滅ぼされるのは間違いありません。
反対意見を述べる多くの方々は、戦争が起きない前提で話しているため、賛成意見の方々と意見が合わないのかと思います。
もちろん、戦争を起こさないという考えが最も重要であることは、我々も反対意見の方々と同じです。
ただ、日本が戦争を起こさなくても、安保法案があろうがなかろうが、戦争が起こる時は起きますし、近い将来でなくとも、いずれは必ず日本にも戦争は起こるでしょう。
それは、100年後か200年後か分かりませんが、その時のために、日本を守るためにも集団的自衛権は使えるようにしておいた方が良いのです。
なぜ必ず戦争が起こるかと言えば、このサイトでも何度も書いております通り、絶滅回避の多種多様性によって、多かれ少なかれ悪人がいなくなることがないからです。(他の記事を参照していただければと思います。)
戦争をなくす唯一無二の方法は、人類の絶滅以外にはあり得ません。
もちろん、戦争を仕掛けられても、話し合いで解決できるなら誰でもそうします。
今のイスラム国を名乗る過激派のように、話し合いが通じない相手も多いのです。
沖縄の基地問題についても同様です。
辺野古基地の移設のみならず、米軍基地が多数ある沖縄に住む県民の方々の気苦労は、大変なものかと思います。
しかし、アメリカも日本政府も沖縄県民を苦しめるために、基地を作っているわけではありません。
もし戦争が起きてしまった場合、沖縄が占領されてしまうと、日本の敗北は目と鼻の先となってしまいます。
沖縄に住む方々にお聞きしたいのは、もし今この瞬間、問答無用で中国が攻めてきたとしても、それでも辺野古の基地移設に反対するのかということです。
反対するというのであれば、中国が沖縄を占領しやすくなり、日本の敗北は濃厚となりますので、日本国民全員が、中国の恐ろしい支配に苦しめられるかもしれません。
中国が攻めてきた場合は、基地建設はやむを得ないとおっしゃるのであれば、事前に基地を建設しておいた方が、中国に隙を見せずに済むということになります。
もちろん、敵は中国だけではありませんが、どの国が敵になったとしても、沖縄は地理的に重要な意味を持ちます。
沖縄が敵国に占領されていなければ、米軍の足がかりとなる重要な拠点ともなりますので、沖縄に基地がある方が、戦争勃発時には有利になります。
ただ、政府はきちんとそういったことを沖縄の方々に説明し、沖縄県民の方々の理解を得る必要があります。
今の政府の強引なやり方には、私にも納得できるものではありません。
いずれにしましても、戦争というのは、日本が起こさなくてもいずれは起きてしまうことは肝に銘じておきましょう。
それを認識していただき、戦争が起きない前提で話をするのではなく、戦争が起きた場合の備えとして、今何をすべきかを考えるようにしましょう。
■70年間平和だったのは憲法があったからなのか
テレビのニュースなどで、戦後70年間、平和があったのは、日本国民が憲法をしっかり守ってきたからだということをよく聞きます。
本当にそうでしょうか?
70年間平和だったのはたまたまです。
もし、周囲で戦争が続いていた場合、例えばアメリカとロシアが戦争を続けていたり、ヨーロッパ諸国内で戦争が続いていた場合、それでも日本は平和を守れていたでしょうか?
このような状況だった場合、日本もタダで済むとは思えず、何らかの形で日本も戦争状態は続いていたと考えられます。
第二次世界大戦で、日本の原爆の被害も甚大なものでしたし、他の国でもやり過ぎたという反省があったため、どの国も少し落ち着いた方が良いという考えが生まれ、周囲の国々で戦争がなくなっていったため、日本も70年間平和だったのだと思います。
決して憲法があったから平和を守れていたとは言えません。
今の憲法がなかった江戸時代でも200年以上は平和だったわけですし、そもそも今の憲法は、アメリカが日本の軍事力を削ぐために、アメリカが口を出して制定されたものです。
歴史を勉強していただければ分かると思いますが、アメリカに負けた日本は、日本国憲法の基礎を作りますが、アメリカが色々と変更したため、今の憲法になったのです。
戦争に負けた日本はアメリカの従属国のような存在です。
それをアメリカは、日本を同盟国として対等に扱ってくれているのです。
確かに、その憲法のおかげで、日本人も戦争のやる気を削がれて平和に向かっていったとは思いますが、その憲法を死守しなければならないという考えには少し違和感が残ります。
時代とともに周囲や国内の状況も変わりますので、ずっと同じ憲法を守っていれば良いというわけではありません。
もちろん、コロコロと変えて良いわけでもなく、日本の平和維持のためには、いたずらに変えるべきではないと思います。
ただ、集団的自衛権のように、必要なのもは変更していくという考えも持たなければならないと私は思います。
安保法案は違憲という声もありますが、集団的自衛権についての言及が憲法にない以上、違憲とも合憲とも言えません。
集団的自衛権についての言及がないのは、憲法自体が不完全だからです。
憲法が不完全である以上、集団的自衛権を認めるにしろ認めないにしろ、憲法を改正する必要があると言えます。
■安保法案に反対するには
政府は、安保法案を強行採決によって、衆議院を通してしまいましたが、私もこのやり方には反対です。
やはり国民投票を行った上で、憲法を変えるべきです。
ただ、自民党は国民投票で過半数の議席を得ているので、当然の権利とも考えられます。
国民に選ばれた議員の法案を阻止するのであれば、その方が民主主義でないという考え方もあります。
安保法案反対のデモを行っている方々を、ニュースなどでよく耳にしますが、残念ながら無駄と言わざるを得ません。
政府がそのようなデモに耳を傾けるとは到底思えないのです。
東京オリンピックの新国立競技場を、国民の声を聴いて白紙撤回したというのも、安保法案の強行採決による支持率低下を抑えるための演出です。
白紙撤回するのであれば、もっと早い段階でしなければならないのに、安保法案の強行採決直後にそれを行ったのがその証拠です。
政府は自分の党の支持率ばかり気にしていて、国民の声など全く聴いてはいないのです。
ただ、デモをしたり、ネットなどを利用して、国民の声を政府に訴えるのは良いことです。
政府が間違った方向に進んでいるのであれば、我々が声を挙げる必要があります。
しかし、政府が国民の声を聴いていない以上、政府に言うのは無駄となってしまいます。
ではどうすれは良いのかと言えば、日本国民全員に、次の選挙で自民党に投票しないように訴えれば良いのです。
安保法案が通って、自民党による暴走が怖いのであれば、次の選挙で別の党に投票し、自民党を国会から引きずり降ろせば良い話です。
現政府は、原子力発電の推進や、公共事業の無駄な投資などの間違った政治が多々ありますので、是非ともそれを国民に訴えた方が良いでしょう。
もちろん、先の民主党政府による失態も記憶に新しいので、慎重に党を選ぶ必要はありますが、党が変われば、政治も大きく変わる可能性もあります。
我々は、よくよく党のマニフェストとそれが実現可能なのかや、党の考えやどんな立候補者があるのかなどを調べ、ニュースやネットなどでも政治や戦争について知り、慎重に選挙に参加する必要があると言えるでしょう。