医療の知識を身につける3
前回に引き続き、医療関連の話について少しご紹介させていただければと思います。
■無農薬野菜は危険?
少し前の健康ブームなどで有機野菜や無農薬野菜などが話題になり、今でも農薬は危険という認識の方も多くいらっしゃるかもしれません。
確かに、近代農業は化学肥料を使ったり、害虫や菌類から農産物を守るために農薬を使っていて、摂取し続けると人体にも悪影響がある可能性があります。
しかし、無農薬野菜を摂取する方が危険だという意見もあります。
無農薬野菜は、害虫や菌類を排除しきれていない可能性があり、目に見えない寄生虫や害のある菌を人体に入れてしまう危険があるかもしれないとのことです。
農薬を微量摂取し続けるよりも、無農薬によって排除しきれない害虫や菌類を摂取する方が危険かもしれないのです。
こういった話を聞くと、何を信じて良いのか分からなくなりますが、わざわざ高い無農薬野菜を探して買うよりも、それほど気にせずに農薬を使用している野菜を買った方が良いかと思います。
科学は進歩し続けており、農薬も進化しています。
化学肥料や農薬も人体に影響がないレベルまでになってくれば、問題なく農薬野菜を摂取することができます。
まだその段階には達していないかもしれませんが、どうせ無農薬野菜でもリスクがあるのであれば、執拗に無農薬野菜にこだわる必要もないかと思います。
■筋肉痛が2日後にくるのは歳のせい?
よく
「歳のせいで筋肉痛が2日後にくるんだ」
という話を耳にします。
筋肉痛は、急な運動などにより、破壊された筋繊維を修復する時の痛みで、慣れない運動をすると筋繊維が破壊される量も増えるということになります。
2日後に痛みがくるのは、修復に時間がかかるために、1日後にはあまり痛みがないと言われています。
これは、加齢や運動不足などで筋肉が衰え、修復に時間がかかるためとされています。
歳も関係はありますが、主な原因は運動不足かと思います。
40代、50代になっても、普段から運動を続けている人が、別の激しい運動で筋肉痛を起こしても、痛みがくるのは1日後という方が多いようです。
逆に若い20代くらいでも、運動を全くしない人が激しい運動で、筋肉痛がくるのが2日後になる方も多くいらっしゃいます。
要は、筋肉痛が遅く発生するのは、筋肉の衰えが原因なのであり、歳も関係はありますが、どちらかというと運動不足の方が要因と言って良いと思います。
歳のせいにしているのは、単に自分の運動不足の言い訳となってしまいますので、なるべく普段から運動するようにしましょう。
また、腰痛や関節痛や肩凝りなども、同様のことが言えます。
確かに、年齢により発生しやすくはなるのですが、腰痛や関節痛のようなものは、周囲の筋肉の衰えが原因の場合も多く、運動不足が原因となっている方も多いのです。
肩凝りも、普段運動している人は起こりにくいので、筋力が関係しています。
10代のように若い時は、筋肉がつきやすいので、さほど運動しなくても問題はないのですが、年齢を重ねるにつれて、徐々に筋肉がつきにくくなってきます。
筋肉を衰えさせないためにも、普段の運動がいかに重要かが分かるかと思います。
■一生虫歯にならない人がいる?
都市伝説的な話で、
「生まれてから3歳までキスをしなければ、その子は一生虫歯にならない」
という話を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
私も聞いたことはあるものの、にわかに信じることはできませんでした。
しかし、先日ある健康番組で、それは事実という話を耳にしました。
まぁ、それでも本当かどうかは分かりませんが、生まれてから3歳になるまで、とにかく虫歯菌を移さなければ、その子は一生虫歯にならないとのことです。
キスもちろん、スプーンや箸も共有してはならないそうです。
親にとってはなかなか難しいかもしれませんが、私の周りにも、
「歯磨きは適当にやっているけど、虫歯になったことがない」
という知人もおりますので、もしかしたらそういったことを親が実践して、虫歯にならないのかもしれません。
歯が弱い私としては、うらやましい話ではありますが、そういった方がいる以上、本当の話なのかもしれません。
■医療を否定する本を鵜呑みにしてはいけない
最近は、医療や薬は危険で、頼りすぎてはいけないと訴える本が増えています。
私も、身体があまり丈夫ではないので、そういった本をよく読んだりしますが、これらの本も全てが正しいとは限らず、鵜呑みにするのは危険かと思います。
確かに一理はありますし、そういった医療や薬に頼らず、食事療法や生活習慣の改善で治療できたという方も多くいらっしゃるかと思います。
ただ、全ての人がそれで治療できるとは限らないと思います。
今まで、現代の医療や薬によって多くの方が助かったとおっしゃっています。
その中には、その治療法でなくとも助かったという方もいらっしゃるかもしれませんが、現代医療でないと助からなかったという方も多いと思います。
そう言ってしまうと、また何を信じれば良いか分からなくなってしまうと思いますが、人間には個体差があり、この病気はこうすれば必ず治るということはないのです。
人によっては、特定の薬が効かなかったり、多くの人は治る薬でも、その人は副作用が出てしまうというケースもあります。
自分がどんな種類の病気のかかったのかをよく把握し、それにはどんな治療法があるのかを自分で考えることです。
信頼する医師に頼り続け、この人なら絶対に治してくれると思っていても、自分には効果がないという場合もあるのです。
そういった場合は、セカンドオピニオン(別の医師に診断してもらうこと)をお勧めします。
また、現代医療が危険とか薬は害だという本も、鵜呑みにするのではなく、自分にその治療法が当てはまるのかを見極めるようにしましょう。
風邪をひいたときにお湯割を飲むと薬が効かなくなりますか?
アルコールはだめですか?
大島恭子様。
風邪をひいた時のアルコールは、利尿作用から水分不足をまねいたり、熟睡できなくなったりするので、基本的には避けた方が無難です。
ただ、ごく少量の日本酒でつくった卵酒やしょうが湯などを1杯程度であれば、風邪に効くかもしれません。
私は医師ではないので、あくまで自己責任でお願いしたいですが、くれぐれもアルコールの大量摂取は避けてください。