起業家へのアドバイス
起業家というと格好いいというイメージがあるかもしれませんが、実際にやってみると汗まみれでアクセク働き続け、格好いいと言うには程遠いものです。
近年の不況で、起業しようと思う方は減っているかもしれませんが、起業するのは実は不況の方が有利なのです。
不況になれば大企業が細かい分野まで手を広げられなくなるため、中小企業が入り込む隙間が多くなるためです。
もちろん、中小企業も不況の影響を受けますが、きちんとした商品やサービスを提供していれば、不況でも業績は上がります。
もし、これから起業を目指している方がいらっしゃったら、少しアドバイスさせていただければと思います。
■人が喜ぶことをする
仕事というのは、基本的にお客様のためにするものです。
どんなに関係のなさそうな雑用であっても、それが会社の人のためであれば、その雑用で助けられた人がまた別の人を助け、巡り巡って最終的にお客様が喜ぶ商品やサービスを提供することにつながります。
起業家を目指すのであれば、そのことを忘れてはなりません。
お客様が喜ぶことを第一に考え、お金儲けを先に考えてはいけません。
お客様が喜ぶことは何かを考え、お金儲けの仕組みは後で考えるようにしましょう。
どんなことでも、素晴らしい商品やサービスを提供する企業には、お客様もお金を払いたいと思うものです。
起業家を目指すことは決まったものの、どの分野で起業するかやアイディアがない人は、まずどんなことをすれば人が喜ぶかを考えてみましょう。
また、人の困り事を解決するような商品やサービスを提供することから考える方法もあります。
インターネットやニュース、雑誌、新聞、本などから、どのようなニーズがあるかを調査すると良いでしょう。
特に、「Yahoo!知恵袋」や「教えてgoo」などのサイトで、困っている人が多い悩み事を検索するという方法も有効です。
どのような分野であっても、インターネットを使ったサービスを組み合わせて考えると、アイディアもたくさん出てくると思います。
既存のインターネットサービスはたくさんありますが、斬新なアイディアであれば、世の中の人にも受け入れられるかもしれません。
もちろん、インターネットはサブ的な扱いで、メインは商品を売るなどするというのでも構いません。
どんなことがお客様を喜ばせ、楽しませることができるのか、助けることができるのかを考えてみましょう。
■誰か一人のためにやってみる
成功している起業家の中には、最初は身近な一人のために作ったサービスが、他の人にも受け入れられて、いつの間にか大きな仕事になり、年商何十億という大企業になってしまったというケースも多々あります。
最初から売れる商品やサービスを提供するとか、大企業を作るという目標を掲げてしまうと、なかなかアイディアが浮かんで来ず、難しいものだと思います。
しかし、身近にいる誰か一人を笑顔にするという目標であれば、意外と何か思いつくのではないでしょうか?
その人は誰でも良いのですが、なるべく大切に思っている人の方が良いでしょう。
配偶者または恋人、両親や兄弟、祖父や祖母などの家族を喜ばせることを考えると良いかもしれません。
大切な人の方が真剣に考えようとするからです。
または、身近で困っている人をどうやったら助けられるかを考えても良いでしょう。
人には大小問わず、問題やコンプレックスを抱えているものです。
最初はそういったところから、商品やサービスを考えて試してみると良いと思います。
その人が喜んでくれれば、他の人も喜んでくれる可能性が高いのです。
身近の人ひとり喜ばせることもできずに、大勢の人を喜ばせることはできません。
たった一人のその人のために、全力で考えて行動してみましょう。
■ターゲットを絞る
起業家でよくやりがちなミスは、何でもやりますと謳ってしまうことです。
何でもやると言ってしまうと、返ってお客様が来なくなる可能性があります。
例えば、「カメラのことなら何でもお任せ」という看板を掲げてしまうと、そういうお店は他にも大きなお店があるからという理由で、あまりお客様が来てくれません。
ところが、「Sonyのカメラならお任せください」という看板を出せば、Sonyのカメラを持っている人や、Sonyファンのお客様なら来てくれる確率が高くなります。
もちろん、その場合はSonyのカメラ製品を全て取り揃えてなければなりませんし、Sonyのカメラ製品の知識を網羅している必要がありますので、準備を万端にしておかなければなりません。
ただ、このようにターゲットを絞ることで、「何でもやる」と謳うよりも、そのターゲットに入っているお客様を得ることができます。
ITの世界も同様で、「ホームページ制作ならお任せください」という制作会社は五万とありますが、「レストランのホームページ制作ならお任せください」という謳い文句なら、レストラン経営者はそちらに依頼したくなるでしょう。
依頼する側も、ターゲットが絞られている方が、きめ細かいサービスを提供してくれるはずと思うからです。
この場合、多少相場より金額が高くても、レストラン向けのホームページの質が高いはずという理由で発注してくれる可能性も高いのです。
もちろん、お客様の期待通り、レストラン向けのホームページ制作の質が高くなければなりませんが、何でもやりますと謳うよりは、ずっと受注率が上がるはずです。
このように、ターゲットを絞ってそのターゲット内のプロフェッショナルを目指すことで、お客様を増やすことができます。
ターゲットの焦点をどこにするかは、自分の得意なことや、今までの経験を活かすことができる分野から考えてみると良いでしょう。
■狭い範囲で一位を目指す
ターゲットを絞っても、自分の会社の手に余る場合もあります。
その場合は、さらに範囲を絞ってみましょう。
一番良いのは、地域で絞ることです。
「Sonyのカメラならこの町でNo.1!」
という看板を掲げてみると、その町でSonyカメラのファンの人なら、必ずそのお店に来てくれるでしょう。
No.1と謳ってしまって、No.1でなければ嘘になってしまいますので、その町で他に同じお店がないかを調べる必要がありますが、そこまで範囲を絞っているお店はなかなかないと思います。
狭い地域でNo.1となることができれば、いつの間にか他の町にも知れ渡って、遠くからもお客様が来るようになるかもしれません。
ただし、範囲を狭めたなら、必ず一位を目指さなければなりません。
範囲を狭めても、他に同じ事をするお店や会社があれば、そちらにお客様が流れてしまう可能性があります。
なので、一位を目指さなければなりません。
一位でなくても良いケースは、範囲やターゲットが広く、利益を見込める場合は一位でなくても良いと思います。
一から起業家を目指すのであれば、まず狭い範囲で一位を目指し、徐々に範囲を広げていくようにすると良いかもしれません。
起業家を目指す場合は、色々と考慮することがあります。
何となく起業してしまうと、取り返しのつかない借金を背負ってしまうこともあるのも事実です。
また、多少の失敗をしても、諦めずに突き進む勇気も必要です。
失敗して諦めてしまえば、本当の意味で起業失敗となります。
どのような分野で起業するにしても、基本となる信念を忘れず、どうすればお客様が喜んでくれるかを考え続ければ、いつか必ず報われるでしょう。
このことを忘れず、頑張ってみていただければと思います。