話術を学ぶ
話術というのは、人間にとって非常に重要なものです。
他人を説得する時や、相手に好印象を与える話し方などを知っていれば、何事も円滑に進むようになるでしょう。
ここでは、ちょっとした話術をご紹介いたします。
■話し出す時は前フリを入れる
話し相手がずっと話している時や、他の人同士で話している時に、自分が話をしたい場合、話し始めるタイミングが難しい時があります。
タイミングを間違えれば、話を遮られた人は不快に思うかもしれませんし、空気が読めない人と誤解されてしまうかもしれません。
こういう時は、話の途切れたタイミングで
「あの~」
とか
「え~っと」
などのような前フリを発しましょう。
この時、会話をしていた人があなたの話を聞く準備ができている場合は、会話を止めてあなたの話に耳を傾けます。
もし、会話を続けたい場合は、無視されるか、後で聞くと頭に入れておいて会話を続けるでしょう。
この手法は、会話が途切れたタイミングで、複数人が同時に話し始めた時にも有効です。
よくグループでの会話で、同時に何人かが話し出してしまい、お互いに譲り合ったなどということがあると思いますが、
「あの~」
という言葉を発してから話し出す場合は、タイミングがかぶってしまっても、とりあえず無視されて、先に本題を話している人が続けるようになります。
そのため、気まずい思いもしませんし、もし言葉を発したのが自分だけなら、他の人も聞く準備ができますので、そのまま話し始めることができます。
もちろん、相手の話を遮ってでもどうしても話したいことがある場合は、前フリなく話し出しても良いのですが、それほどでもない場合は、常に前フリを入れる癖をつけておくと会話も楽になります。
この前フリは様々な会話の場面で有効ですので、ぜひ試してみていただければと思います。
■質問力をつける
自分の子どもが、勉強せずに遊んでいるばかりで親が困っているというご家庭は結構多いと思いますが、
「勉強をしなさい」
と言い続けると、子どもは反抗して逆に勉強をしなくなってしまうものです。
かと言って、
「勉強はいいから、もっと外で遊びなさい」
と言っても勉強を進んでするわけではないでしょう。
テストの点が良ければ、ご褒美におもちゃやお菓子を買ってあげるという方法もありますが、あくまでも一時的なものでしょう。
勉強を進んでやらせるためには、本人の口から
「勉強する」
という言葉を引き出さなくてはなりません。
それには、質問力が必要になります。
質問力とは、文字通り質問する力です。
質問によって、相手の意思をある程度コントロールすることができるのです。
まずは将来何になりたいのかを質問し、その職業に就くには何が必要なのかを質問すると、自ずと勉強しないといけないという答えにたどり着くかもしれません。
この場合は、最初の質問の答えによっては、勉強に結びつけるのが難しくなりますが、その場合は
「バカってどんな人?」
「そんな人になりたい?」
「なりたくないなら今何をすべき?」
のようにして勉強した方が良いと導けるかもしれません。
また、職場で、部下の仕事の成果が上がらない時、
「何でこんなこともできないんだ!」
と怒ってはいけません。
「これを実現させるためには、どうすれば良いと思う?」
と質問をして、部下に考えさせましょう。
質問力というのは、色々な場面で使います。
ただ、質問力というのは、簡単に鍛えられるものではありませんので、本など読んで勉強してみると良いでしょう。
■印象に残る話し方
言葉というのは不思議なもので、2つの事を言った時、後に言った事の方が印象に残ります。
例えば、
「おまえは賢いけど、ケチだな」
と言うのと、
「おまえはケチだけど、賢いな」
と言うのでは、まるで印象が異なると思います。
前者は文句を言ってますが、後者は褒めています。
このように、言葉というのは、後に言う方がメインになります。
これを利用して、相手に何か指摘したい時は、指摘してから褒めるという方法があります。
「君はもう少し営業の成績を上げてもらわないと困るな。君はやればできる男なんだから」
「もうちょっと化粧は薄くした方がいいんじゃないかな。君は元がかわいいからね」
のように言えば、相手の心をあまり傷つけずに指摘できるでしょう。
ただ、この逆パターンもあります。
「あなたのような頭の良い人が、なぜこのようなことが分からないのですか?」
「君は体力があるのに、なぜ手伝わないの?」
のようなパターンは、指摘の方を強めたい時に使うと良いかもしれません。
また、命令文は依頼文に変換するようにしましょう。
この手法は、特にビジネスなどでは不可欠です。
「これに押印してください」
「あちらでお待ちください」
という命令文は、
「これに押印していただけますでしょうか」
「あちらでお待ちいただいてもよろしいでしょうか」
のようにすれば、気持良く相手も聞いてくれるでしょう。
言葉というのは難しいもので、話し方を間違えると、相手に不快に思わせてしまうことになるかもしれません。
しかし、上手な話し方であれば、相手に好印象を与え、何事も円滑に進むようになりますので、使える話術を心得ておきたいものです。
■説得、論破には判断力や知識が必要
説得や論破というと難しいイメージがあり、実際他人を説得するというのはなかなか難しいものです。
論破ともなれば、相当の判断力や知識が必要になります。
その会話の中で、何を言うべきかをとっさに判断しなくてはなりませんし、様々な会話の内容に対応する知識が必要となるでしょう。
相手にも言い分がありますので、それも聞いてあげなくてはいけません。
反論する場合も、相手の意見を全て聞いてから反論するようにしましょう。
中途半端な状態で反論を行なってしまうと、余計に相手が反発してしまう場合があります。
また、相手の意見を否定すると、相手が不快な思いをしてしまいますので、意見を否定をせずに反論するなど、注意が必要です。
判断力や知識を鍛えるには、日頃の鍛錬が必要です。
本などを読んで、少しずつ学んでいくようにしましょう。
質問力や話術も同様に、そのような本で学習するのが最も手っ取り早いです。
そういったノウハウ本のようなものも売っていますので、機会があればぜひ学んでいただければと思います。