言葉を知る22

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前回に続き、間違いやすい日本語などを少しご紹介させていただこうと思います。

 

■勇み足

「勇み足」とは、どういう意味でしょうか?

勇気を持って進むという意味でしょうか?
それとも、勇気が出ずに前に進めない、でしょうか?

答えは、どちらも間違いで、正しくは、勇んで進んだものの失敗することです。

喧嘩に勝てると思って勝負を挑んだが、勇み足だった。
のように使います。

意味を勘違いしていたり、曖昧に覚えている方も多いと思いますので、しっかりと覚えておきましょう。

 

■重複表現

以前、少し書きましたが、「頭痛が痛い」は重複表現となりますので、間違った言い方です。
「頭痛」で頭が痛いという意味ですので、「頭が痛いが痛い」となってしまうからです。

同様な間違った使い方がたくさんあります。

「犯罪を犯す」は「罪を犯すを犯す」になってしまいます。
「罪を犯す」か「犯罪を行う」が正しいです。

「必ず必要」は「必ず必ず要る」になってしまいます。
「必要」か「必ず要る」が正しいですが、強調したい場合は「絶対に必要」と言えば良いでしょう。

「後で後悔する」は「後で後で悔いる」になってしまいます。
「後悔する」か「後で悔いる」が正しいです。

「過保護にし過ぎる」は、「保護し過ぎにし過ぎる」とになってしまいます。
「過保護にする」か「保護し過ぎ」が正しいです。

他にも「馬から落馬する」、「過半数を超える」、「余分に余っている」、「価格を値上げする」なども重複表現となり、誤った使い方になります。

まぁ、間違ってしまっても意味は通じるので、さほど問題にはならないかもしれませんが、なるべく正しい表現を使うようにしましょう。

 

■若者言葉はなるべく使わないようにする

若者言葉というものは、必ずどの時代にも出てくるものです。
私も、若者の言っていることがよく分からない年齢になってきておりますが、無理に覚えたり、使ったりする必要はないと思います。

若者言葉は、流行り言葉であり、時間が経てば死語になるものが多いです。
今、「チョベリバ」などと言ったら、恥ずかしい思いをするでしょう。

死語になったら使わなければ良いと言えばそうなのですが、動画などで映像が残る時代なので、そうもいかないこともあります。
YouTube、TikTokなどで若者言葉を使っていて、何十年か後に見たら、恥ずかしい思いをする可能性は高いです。

動画配信者でなくとも、どこで動画や音声などを記録されているか分かりませんので、恥ずかしい思いをしないためにも、なるべく若者言葉を使わない方が無難です。

若者であっても、若者言葉を使わない方が良いということになりますが、若者言葉についていけないという人でも、無理に合わせる必要もないということです。
言葉が分からなかったら、その若者に都度聞けば良い話です。

言葉の乱れという面もありますので、なるべくきれいな日本語を使うように心がけましょう。

 

■同音で意味の異なる漢字

以前も書きましたが、続きとして同音で意味の異なる漢字を少しご紹介させていただこうと思います。

「男」、「漢」は、どちらも性別的に「男」を意味します。「好漢」、「大食漢」のような言葉もありますので、より男らしい人に「漢」が使われることが多いようです。

「舐める」、「嘗める」も、どらちも同じ意味ですが、「舐める」は舌で物を舐める時に使い、「嘗める」は「賞を総嘗めする」などで使うと良いかもしれません。見下すという意味の「なめる」は、「無礼」を「なめ」と読んでいるところから来ているので、「なめる」とひらがなで書くのが正しいようです。

「許す」、「赦す」の違いは、「許す」は何かを許可する時に使い、「赦す」は過ちをや間違いを赦す時に使います。

「特」、「得」、「徳」、「篤」の違いは、「特」は特別という意味で、「得」は利益がある、「徳」は人徳がある、「篤」は十分注意してという意味があります。「篤とご覧あれ」のように使います。

「持つ」、「保つ」の違いは、「持つ」手に物を持つ時に使い、「保つ」は物の状態を維持できる時に使います。

「悲しい」、「哀しい」の違いは、「悲しい」は心が痛い時や切ない時に使います。「哀しい」も同様ですが、より悲痛な時に使われます。

「押し」、「推し」はどちらもお勧めするという意味になりますが、「押し」は物を押す意味の方が強いので、「推し」を使う方が良いとは思います。「イチオシ」も「一押し」と書くと、もう少しで完了するという意味の「もうひと押し」の方に勘違いされる場合もありますので、「一推し」の方が良いかもしれません。

「締める」、「絞める」、「占める」の違いは、「締める」はネジを絞めるなど、物を固定する時に使い、「絞める」はネクタイや首などを絞める時に使い、「占める」は占拠したり、埋め尽くしたりすることに使います。

「若干」、「弱冠」の違いは、「若干」は物が少ない時に使い、「弱冠」は20歳前後でまだ若いという意味で使います。

「予言」、「預言」の違いは、「予言」は未来を予知した言葉のことで、「預言」は神から託された言葉のことです。

「整える」、「調える」の違いは、「整える」は乱れたものを整理する時に使い、「調える」は必要なものを揃える時に使います。

「測る」、「図る」、「計る」、「量る」、「謀る」の違いは、「測る」は長さを測る時に使い、「図る」は計画を実行しようとする時に使い、「計る」は時間などを計る時に使い、「量る」は重さを量る時に使い、「謀る」は誰かを陥れる時に使います。

まだまだ同音で意味の異なる漢字がありますが、続きはまた別の機会にご紹介させていただこうと思います。

 



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