「足元をすくわれる」は誤用?
■足をすくわれると足元を見られる
間違いの多い言葉に、「足元をすくわれる」という使い方をされる方がいらっしゃいます。
少し考えていただければ分かると思いますが、正しくは「足をすくわれる」で、足元というのは足の辺りという意味ですので、足元をすくうことは物理的にはできません。
「足をすくわれる」という言葉は、足をつかまれて転びそうになるということから、手痛いしっぺ返しを喰らうという意味です。
「足元をすくわれる」という誤用は、「足元を見られる」と混同してしまったものと思われます。
「足元を見られる」というのは、昔、人を運ぶ籠屋さんがお客さんの足元が泥だらけなのを見て、料金を高く取られたというところから来ています。
足元が泥だらけということは、それだけ旅で苦労しているということであり、少々値段が高くても籠を使ってくれるだろうということです。
つまり、「足元を見られる」の言葉は、人の弱みにつけ込んで、ぼったくられるという意味です。
二つの言葉は、意味は全然違いますが、混同しやすい言葉なので、「足をすくわれる」と「足元を見られる」はセットで覚えておくと良いでしょう。