話術を学ぶ11

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AL-36
前回に続き、役に立つかもしれない話術について、少しご紹介させていただこうと思います。

 

■質問のコツ

質問をして、回答内容が抽象的でよく分からず、具体的な説明がほしい場合、例を出して質問すると良いと思います。

例えば、仕事でクライアントの意図を聞きたい場合
「このホームページの画面はどういったデザインがよろしいでしょうか?」
「なるべく高級感を出してほしい」
「高級感を表現するとなると、青と白を基準として清涼感も出す方がよろしいでしょうか?それとも、グレーをベースとしてシンプルな高級感を出す方が良いでしょうか?」
といった感じで、例を出して質問した方が、より詳細な回答を得られるかと思います。

単に、
「高級感とはどういったイメージでしょうか?」
と聞くよりは、詳細な回答が得られるはずです。

このサイトで何度か書いておりますが、自分の持っているイメージというものは、他人になかなか伝わらないものです。
また、自分のイメージしていることは、他人もイメージしているはずという思い込みもあるもので、詳細内容をあまり伝えなくとも、伝わっていると勘違いしていらっしゃる方も多いのも事実です。

仕事上で、納品後の製品が、クライアントがイメージしているものと違い、言った言わないの議論になってしまうトラブルが多いのは、そういった理由があります。
クライアントがイメージしているものと全く同じものを、制作者サイドでもイメージできるように、例を出して質問して、詳細の回答を得る必要があるということです。

質問を繰り返しても、なかなか詳細な回答が得られないということはよくあることです。
こういった場合、具体例を出したり、こちらが持っているイメージを箇条書きなどにして、メールで質問したりすると、相手としても回答しやすくなり、よりイメージを共有できるようになるかと思います。

もちろん、これは仕事上の話だけではなく、日常会話でも有効です。
例えば、家族との会話で、
「コンビニに行くなら、ついでにペットボトルのお茶を買ってきて」
「お茶というのは、緑茶?それともウーロン茶?」
と、後でお互いがイメージしているお茶が異なってトラブルにならないためにも、確認しておくことが有効と言えるでしょう。

 

■他人の気持ちを考えない人に対して

他人の気持ちを察することができない人というのは、少し昔に比べたら、増えたように感じられます。
これは、恐らくネットでの会話が増え、相手の顔や表情が見えないまま会話することが増えたため、人の気持を察する能力が落ちてきているというのが要因かもしれません。

現実に人と会って会話する場合も、他人の気持ちを察することができないような人が、特に若い人を中心として増えてきているようです。
時代の流れとして、ある程度、仕方ない部分はあると思いますが、他人の気持ちを考えないような人とどう接すれば良いか、難しい場面もあるかと思います。

もし、そのような人と会話する場合、他人の気持ちに立って考えさせるのが有効と思われます。
例えば、コンビニなどで店員のちょっとしたミスを、クレーマーのような人がすごく怒っていた場合、
「あなたがこの店員さんの立場だったら、どうすれば良かったのでしょうか?」
と聞いてみましょう。

つまり、強引にでも他人の立場に立たせて、その人の気持ちを考えさせるのです。
そのクレーマーが素晴らしい改善策を言ってきたら、そのようにすれば良いかと思いますが、このような人物は大抵頭の悪い人が多く、他人の立場が分かった瞬間に、沈黙するケースが多いはずです。

もし、逆ギレするようであっても、何度も同じ質問をして、責められている側の立場に立たせましょう。
普通の人であれば、責められる側の気持ちが分かり、それ以上は責められなくなるはずです。

様々なケースがあるとは思いますが、他人の気持ちを考えないような人物には、根気よく他人の立場に立たせるように、「あなたがその立場ならどうするか?」という質問をするようにしましょう。

 

■プライベートな質問をする時

まだあまり親しくない人と会話をする時、プライベートに立ち入ってしまう質問をして、距離を詰めようとしたい場合があるかと思います。
相手がフランクに話せる人なら良いですが、気難しそうな人の場合、少し気を遣う必要があります。

このような場合、
「休日は何をしているか、聞いても良いですか?」
のような聞き方をしましょう。

単に、
「休日は何をしていますか?」
と聞くと、相手によっては身構えられてしまうことがあります。

前者のような質問の仕方をすることで、無理に回答しなくても良いという意図が加えられ、相手を気遣っているという気持ちも伝えることができます。

これは、男性が付き合いたての女性に対しても有効かと思います。
「何歳か、聞いてもいい?」
と、相手の年齢を聞く場合は、このような聞き方の方が良いでしょう。
女性の年齢を聞くのは失礼ですが、さすがに付き合っている人、もしくは付き合いたいと思っている人の年齢を知っておく必要はあると思いますが、女性に対して
「○○ちゃん、何歳なの?」
と聞くよりは前者の方がずっと、相手に不快感を与えにくいと思います。

これは、質問に答えたくない場合は、Noという回答がしやすいということもあります。
後者では直接的なのに対し、前者はワンクッション置いているとも言えるでしょう。

初対面の人に名前を聞きたい場合も、
「あなたのお名前は何でしょうか?」
と聞くより、
「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
という言い方をした方が良いというのも同様です。

この手法は、立ち入った質問をする際は結構有効ですので、機会があれば使ってみていただければと思います。

 

■相手が話しづらそうにしている場合

質問をした時に、相手が話をはぐらかしたり、口ごもったりする場合が、たまにあるかと思います。
これは、相手にとって回答したくない内容なので、相手との関係を壊したくないなら、無理に聞こうとしない方が良いと思います。

すぐに、
「答えたくなかったら、答えなくても良いよ」
と言うか、すぐにそうと分かったら、話題を変えるなりしましょう。

もちろん、単に考えをまとめているだけかもしれませんので、少し様子を見る必要がありますが、なかなか回答が出ない場合は、無理に聞き出さず、話題を変えた方が無難と言えるでしょう。

ただ、どうしても聞き出さなくてはならないような重要な話であれば、回答を得るまで待つしかないかもしれません。
もしくは、質問の仕方を変えて、相手が話しやすいようにするなどの工夫が必要でしょう。

会話の内容によりますので、どうしても聞き出したい内容でなければ、なるべく無理に聞き出さないようにした方が、人間関係の悪化を防げると思います。
特にプライベートな質問や、恋愛関係などの込み入った質問をして、相手の回答が詰まった場合などは注意していただければと思います。

 



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