日本人はなぜ英語が話せないのか2

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前回からかなり間が空きましたが、日本人がなかなか英語が話すようにならない理由を考えてみたいと思います。

 

■発音の違い

日本語と英語では、発音の仕方がずいぶん違います。
英語には、日本語にない難しい発音があり、これが日本人にとって英語を聞き取りにくく、さらに発音しにくくしている大きな要因かと思われます。

最も影響が大きいのが、Rの発音でしょう。
Rの発音がうまくできないと、外国人にはなかなか通じません。

例えばRightとLightはまったく別の意味ですが、日本人にはうまく発音できない人も多いですし、聞き取りも同じように聞こえてしまいます。
ご存知の通り、Lは通常のら行で良いのですが、Rの方は舌を丸めて発音するものです。

文字にしても、どちらも「ライト」と記述されますので、日本人にとっては分かりづらいのです。
せめて文字だけでも、新たな日本語として、新しい文字を作った方が良いかもしれません。

例えば、Rのら行なら、「ら」に○を付けて、「ラ゜イト」という新しい文字に作ると、これは「右」を意味するRightだとすぐに分かるようになるので、新しく文字を作るメリットはあるかもしれません。

Thの発音も、さ行やだ行になりますが、ZやDと区別するために、Thは「サ゜」「タ゜」で舌を噛んで発音するThの文字を新しく作るとわかりやすくなるかもしれません。
例えばThank youは「サ゜ンキュー」と書くわけです。

Vaの発音としては、「ヴァ」という書き方がすでにありますが、Faは「ファ」とは異なり、下唇を噛んで発音しますので、「ウ゜ァ」と書くのが良いかもしれません。

Earthのような伸ばす発音でRが入る場合は、「ア~ス゜」のような波線を使うと、カタカナで書いても発音が分かりやすくなります。

まぁ、これらの文字で良いかは分かりませんので、もっと新しい文字を作った方が良いかもしれませんが、いずれにしましても、このように新しい文字を作ることで、カタカナで書かれていたとしても、発音の仕方が分かりやすくなりますので、英語の発音をしやすくなるというメリットはあるかもしれません。

 

■文法の違い

日本語と英語では、文法が大きく違います。
日本語の場合は、述語が最後にくる場合が多く、修飾語はその述語の前にきますが、英語の場合は、主語の後に述語がきて、その後に修飾語がきます。

例えば、「彼は速く走る」は「He runs fast」となります。
英語の順番をそのままに、日本語を書くと、「彼は走る、速く。」となります。

これは、日本語の倒置法に当たるもので、述語を強調したい時に使うものと同じ順番です。

日本人にとっては、あまり意識しませんが、他の国の人にとっては、述語が一番最後にくる文法はめずらしく、少し煩わしい面があります。
修飾語が少ない場合はそれほど問題ないのですが、修飾語がたくさんある場合、話の途中では何が言いたいのか分からない場合があるのです。

例えば、
「彼は、フォームは人のそれより少し変わっているが、独特のフォームがうまく機能しているからか、他の人にはない脚の力の使い方をしていて・・・・・から速く走れるんだ」
と長々と修飾語が続いてしまうと、話している途中では、結論として何を言いいたいのか分かりづらいのです。

先に
「彼が速く走れるのは、・・・・という理由だ」
と言えば問題はないですが、日本語では述語が最後にくるのが普通なため、その場合は外国人にとっては分かりづらいことがあります。

韓国語は、日本語と同じく述語が最後にきますが、中国語は英語と同様で、述語の後に修飾語がくるので、中国人の方が英語を勉強しやすいというメリットがあます。

まぁ、この文法は今さら日本語を変えることもできませんので、どうしようもない部分はありますが、日本語を話す時も、説明が長くなりそうな場合は、結論や述語を先に持ってきて、相手に伝わりやすくした方が良いと言えます。
英語の文法に慣れるためにも、日本語を話す時にそういったことを意識しておいた方が、英語の習得が早くなるかもしません。

 

■言語レベルが違う

日本人は英語を話すのが難しいと書いてきておりますが、外国人が日本語を話せるようになる方がよほど難しいと言えます。
言語レベルというものがあるとすれば、日本語は5くらいなのに対し、英語はせいぜい2程度かと思います。

英語の文字はアルファベットの大文字小文字の52文字しかありませんが、日本語はひらがな、カタカナだけでも約100文字、漢字は4000文字以上あります。
まぁ、漢字が4000文字以上あると言っても、日本人でもほとんどの人が全てを知っているわけではないですし、知らない文字があっても日常生活に支障はありませんが、外国人にとっては、これらの文字を覚えるだけでも大変というわけです。

文章を読む時も、日本語なら漢字があるので、パッと見て大体何が書かれているか分かる場合もありますが、英語の場合はきちんと文章を読まないと分からない場合が多いです。

さらに、よく難しいと言われるのが、数え方で1ぴき、2ひき、3びき・・という濁点や半濁点のつく法則や、同じ読みの漢字の使い分けなど、日本人でも難しいことを学ばなければならないわけですから、外国人が日本語を学ぶ方が大変と言えます。
言語レベルでは、日本語の方がレベルが高いからとも言えるかもしれません。

日本人が英語を学ぶ場合、言語レベルが低い方を学ぶことになるわけですから、習得しやすいはずなのですが、そうとも言えないのかもしれません。
言語レベルが高い母国語を話せる人が、言語レベルが低い言葉を話すというのは、それだけ言語レベルを落とさなければならないということになり、返って難しい場合があるのです。

例えば、「もったいない」という言葉は英語にはありません。
強いて訳すなら「It’s not good to waste ・・・」のように「無駄に~するのは良くない」のような表現をしなければなりません。

このように、ボキャブラリーが少ないと、回りくどい説明をするしかなく、日本人にとっては難しい場合もあります。
まぁ、ボキャブラリーの少なさで困ることはあまりないですが、英語を話す時に何と表現すれば良いかなど、たまに困ることはあります。

ただ、言語レベルが低い方が、話を早く伝えやすいというメリットがあります。
日本語と英語の両方を完璧に話せる人は、英語の方が早く伝えられると言いますので、言語レベルが低いほうが話をする時は良いのかもしれません。

言語レベルが高い日本語は、複雑で一つ一つきちんと言葉を伝えるようになっていますので、その分時間がかかってしまうということかと思います。
文字がたくさんある日本語は、読む時には早くなりますが、話を伝える時は少し時間がかかるということなのでしょう。

習得のしやすさで言えば、言語レベルが同程度の方が習得しやすいのかもしれません。
言語レベルが違う言語を学習するのは大変ということになりますが、日々勉強することで、少しずつ話せるようになりますので、もし習得したいという方がいらっしゃったら、日頃からその言語に触れるようにしましょう。

 



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