話術を学ぶ3
人と話す時に、話術の心得があるとないとでは人間関係も大きく影響を与えると言えます。
様々な人たちと円滑な関係を保つために、考えながら会話を行うようにすると良いと思います。
■沈黙が必要な時もある
会話の内容や状況によっては、思ったことを口にするよりは、黙っていた方が良い場合があります。
相手が良かれと思ってしてくれたことでも、自分にとっては迷惑だった場合、
「それは止めてほしかった」
と正直に言うよりも、黙って受け入れた方が、相手にとっては心象が良いと言えます。
ただ、その後も同様なことが続くと予想される場合は、素直に言うか別の方法を提案するなどした方が良いでしょう。
また、相手が怒っている時は、沈黙を守って火に油を注がず、後で言いたい意見を言うという手法も効果的です。
逆にこちらが怒りたいことがあった場合、言葉にせずにあえて沈黙することで、穏便に怒りを伝えることができる場合もあります。
相手の話を促したい時も、あえて沈黙すると効果的な場合があります。
会話のキャッチボールをしていて、少し間が空いた時、無理に話題を提供せずに、相手が口を開くのを待ち、流れにまかせる手法です。
相手が話したいことがあるかもしれないので、あえて沈黙して相手の言葉を待つということです。
もちろん、相手に話したいことがなさそうであれば、こちらから話して構いません。
状況に応じて、会話の中でうまく沈黙を活用するようにすると良いでしょう。
■相手の性格によって対応を変える
人との会話はなかなか難しいもので、どんな人にも好印象を与えるためには、相手によって対応を変えた方が良い場合が多いのです。
それには、相手の性格をよく知ることが重要です。
例えば、相手が情熱的に目標に向かってつき進む人なら、それを妨げるようなことをせず、サポートする役目にまわってあげると喜びます。
相手が周囲との協調を大事にする人なら、グループの和を乱すような言動は控え、皆に意見を合わせる方が良いと言えます。
勉学に真剣に取り組むような人には、頭の良さを褒めれば喜ぶでしょう。
人の性格と言っても千差万別ですので、なかなかすべてに対応するのは難しいですが、大別して4つに分けられるという心理学もあります。
そういった心理学を勉強することでも、人間関係を良くすることはできるかもしれません。
その人がどういった性格かにより、褒めるべきポイントや、避けた方が良い言葉などが変わってきます。
相手の性格をよく見極め、人によって対応を変えることができれば、人間関係もうまくいきやすいでしょう。
■相手の心理状態を読む
会話中にも相手の心理状態を読んだ方が良い場合があります。
心理状態と言っても漠然としていますが、要は怒っているのか、悲しんでいるのか、楽しんでいるのかという状態を会話中に察するということです。
空気を読むということにも近いと思いますが、人によっては自分の感情を素直に言葉にしていない場合があります。
日本人の場合は、特にそういった人も多く、本当は怒っているのに言葉には出さなかったり、言葉によって傷ついてしまったのに強がったりするという人も多いでしょう。
口に出していなくとも、そういった心理状態を察することで、その人を傷つけたりせずに円滑に人間関係を構築していくことができます。
相手の心理状態を察するというのも、なかなか難しいことではありますが、日本人であればそれも得意という人も多いはずです。
例えば、自分が楽しいと思って話をしていても、相手の相槌が少ないようであれば、あまり興味を示していないと考えられますので、相手がどう思うかや相手の経験を聞いてみて、会話を相手にパスするということが必要になります。
他人の心理状態を見極める訓練をするには、やはり人をよく観察することです。
グループでの会話の時にでも、会話中に「この人は今どういう気持ちなのだろう」と考えたりすると鍛えられると思います。
そして、相手の立場に立って、どういった言葉を言えば喜んでもらえるかなどを考えると、相手の心理を読むことにつながるでしょう。
■相手の意見を否定したい時
このサイトでも、基本的に相手の意見を否定しない方が良いと述べてきました。
意見を否定すると、その人の気分が害されてしまいますし、余計に反抗的になってしまう場合があります。
ただ、意見を否定した方が良い場合もあります。
例えば、誰かを褒めて、褒められた人が否定した時は、それを否定するといったケースです。
「その服オシャレだね」
「そんなことないよ」
「いや、絶対似合うと思うよ」
のような感じですが、こういったケースは誰でも経験はあるかと思います。
確実に相手の意見が間違っていて、その方向に進みそうな場合も、意見を強く否定する必要があるでしょう。
そういった場合は、「気持ちは分かるけど」という言葉をつけると良いと思います。
「彼女のこと、もう諦めたら?」
「いや、もう一回告ってみるよ」
「気持ちは分かるけど、脈はないと思うよ」
といった感じです。
基本的に、相手の意見に反論する時は、相手の意見を批判するようなことはしない方が良いと言えます。
反論したい場合は、相手の意見を認めた上で、自分の意見を述べるようにしましょう。
「今回はAプランが良いのではないでしょうか?」
と言われて否定したい時、、
「いや、それだと予算がかかり過ぎる。Bプランにしよう」
と応えるより、
「それでも良いが、Bプランの方が予算を抑えられる」
と言った方が提案した人の心を傷つける可能性が低くなります。
少しでも人間関係が円滑に進むよう、これらのことがお役に立てれば幸いです。