交渉術を身につける

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仕事でお客様とやり取りする時に、交渉術というものが必要になることがあります。
取引する時や値引き交渉の時に、交渉術を知っていると知っていないとでは、有利不利が大きく変わってきます。
ここでは、今まで私が学んだ交渉術を少しご紹介させていただければと思います。

 

■不利な取引をする場合は条件を出す

何らかの不利な取引をしなければならない場合、こちらからも条件を出すという方法があります。
一方的な不利な取引を、そのまま無条件で受けてしまったら損をしてしまいます。

例えば、金額を提示してから値引き交渉が始まった場合、値引きをする代わりに機能を削るといったような方法です。
逆に、お客様の要望が増える場合は、無理せず請求金額を高くする交渉を始めるのも良いでしょう。
一方的に不利な条件をそのまま飲んでしまっては、確実に損をします。

私も、プログラムの納品後に不具合が見つかり、値引き要求があったのですが、お客様がこのような無理なことを結構要求する会社だったので、今後のためを思い、値引きを受ける代わりに、今後一切取引しないという条件を突きつけたことがあります。
自分の身を守るためにも、不利な条件を突きつけられたら、こちらの要求もなるべく言うようにしましょう。

もちろん、今後も取引を続けたい場合は、あまり強く言えない場合も多いかもしれませんが、もし不利な条件で取引してしまうと、今後もずっとそのような不利な取引が続くことになってしまいます。
会社の存続もありますので、
「そのような取引を続けてしまうと、弊社の経営も危うくなってしまいます」
など、素直に言うのも手だと思います。

 

■相手の逃げ道を用意しておく

こちらが何かを要求する場合や、取引を断る時などに、一方的にこちらの条件を突きつけると、相手も困ってしまい、条件を受け入れてくれなくなる可能性が高くなります。
こういった場合は、相手がどの方向に進めば良いかを示して逃げ道を作っておきましょう。

例えば、仕事の依頼を断る場合、別の会社や知り合いを紹介するなどしておくと、そちらの方向に行ってくれて、スムーズに仕事を断れる可能性が高くなります。

こちらの要求が通らない可能性が高い場合も、逃げ道を用意しておくと良いです。
要求された製品の金額を提示する時に、お客様の予算感と合わないと思った場合、
「ご予算が合わない場合は、機能削減をご検討ください」
と一言と添えておくなどです。

この方法は、戦国時代の城攻めの方法に似ています。
城攻めをするとき、完全に周りを囲んでしまうと、籠城側は逃げ道を失いますので、降伏しない場合は必死に戦うしかなくなり、敵味方の被害は甚大なものとなります。
しかし、囲みの兵を一方向のみわざと手薄にしておくと、籠城側はそこから突破して脱出を試みる場合が多く、出てきたところを伏兵で容易に撃破できます。

こちらから何か条件を出す時に、こちらの要求が通る可能性が低いと思った場合は、どの方向に導きたいかを予め考えて、合わせて提示しましょう。
状況にもよりますが、相手がその逃げ道に進む可能性は高いと思います。

 

■相手の条件を予想しておく

何か契約や取引をする時は、相手の要求や条件を予想しておくと良いと思います。

相手がよく値引き交渉をしてくるお客様の場合は、予め金額を高く設定しておくと良いでしょう。
売りたい値段を最初に提示してしまうと、値引き交渉が始まった場合、断るか、売りたい値段よりも低い金額で取引しなければなりません。
しかし、少し金額を上乗せして提示し、値下げ交渉をされた場合に売りたい値段まで下げれば、値引きをした上に、こちらの売りたい値段で取引することができるのです。
これは、お店で製品を売る場合も同様です。
ただし、あまりに高い金額に設定すると、相場より高いという印象を与えてしまいますので注意しましょう。

また、顧客へ訪問する場合は、その場で即答しなければならないので、相手の要望を予想しておき、回答を考えておくと良いでしょう。
お客様の立場に立って考え、どのような要求があるのかを考えるのは、非常に有効かと思います。

 

■相手の要求を全て聴く

契約をする時などは、相手の要求を全て聴いておきましょう。
中途半端な状態でプロジェクトを進めてしまうと、いざ納品した後に、お客様から
「この機能を要求したと思っていたが、実装されていない」
ということになりかねません。

このようなトラブルはよくあることですが、事前の打ち合わせなどでしっかりとヒアリングをしていれば、防ぐことができるものです。
要求がはっきりしていない部分があったら、質問をして要求を引き出すようにします。

十分にヒアリングをしたと思っていても、実はまだ漏れがあったということもあります。
ヒアリングにもコツがあり、やはりお客様の立場に立って、どのような要求があるのかを考える必要もあります。
「この仕様の場合は、通常このようなことも必要だと思います」
などの提案が必要になる場合もあるでしょう。
お客様の立場に立って、要求を予想するようにしましょう。

また、お客様の要求を全て聴いた上で、それに応えてあげることができれば、その後のお客様との関係も良くなるでしょう。
もちろん、全ての要求に答えるというのは難しいと思いますので、できるものとできないものは、はっきりと区別し、お客様と相談した上で決めるようにしましょう。

 

■仕事を断りたい場合

どうしても仕事を断りたい案件も、時としてはあるかもしれません。
ただ、
「その案件はやりたくないです」
と素直に言って断ってしまうと、その後の関係にヒビが入ってしまいます。

「現在は、別件で手一杯でして・・」
のように断ることもできますが、それほど忙しくないのにそう言ってしまうと、嘘になってしまうというのも気が引けるかと思います。

そのような場合は、金額をかなり高めに設定して提示します。
その金額なら受けても良いという金額を設定しておけば、万が一発注されてしまっても、利益率としては良いので、我慢してでもやる価値はあるでしょう。

金額が高ければ、相手も他へ発注する可能性が高くなります。
この場合、相手側の都合で発注を見送った形になりますので、関係にヒビが入る可能性も低いでしょう。
ただ、この会社は相場が高いという印象を与えてしまう可能性も高いので、何らかの理由を付け加えておいた方が良いかもしれません。

 
取引や契約時の交渉術をご紹介しましたが、少しでも参考になれば幸いです。

 



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