戦争について考える7

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前回に続き、戦争について様々なことを考察してみたいと思います。

 

■核だけを禁止すれば良いのか

核の生産禁止や非核化などの議論は尽きませんが、核について考えてみましょう。

確かに核兵器は大量殺人兵器であり、このようなものは戦争が発生したとしても用いるべきではないでしょう。
そのため、世界的に非核化が必要と訴えているところは多いです。

しかし、戦争の抑止力となっているのも事実で、その国を攻撃したくとも、核兵器を所持しているのでヘタに手を出せないという面もあります。
現在もアメリカは核兵器を大量に所持しており、その同盟国である日本は、唯一の被爆国であるにも関わらず、先日開催された核拡散防止条約再検討会議では、非核化には賛成しない立場を取っています。

これについては様々な議論をしているようですが、ロシア、中国なども核を保持しているため、一斉に核を手放しましょうと話し合いで決定したとしても、裏では核を隠し持つ可能性は極めて高く、本当に核を手放してしまった国の立場が弱くなってしまいます。
なので、全世界が非核化をするというのは、現実的な話ではありません。

日本もアメリカの核の傘下にいるという立場ですので、非核化に反対するのはやむを得ないかと思いますが、戦争時に驚異となるのは核に限った話ではありません。

近年は科学も発達してきており、薬品などの化学兵器、ウィルスを使った生物兵器、ターゲート都市のコンピュータを全て機能停止させる電磁パルス攻撃などもあり、核兵器だけを禁止したところで、あまり意味がないように思えます。

中でも、都市部の全てのコンピュータ機能を停止させるほどの能力をもつ電磁パルス攻撃を行えば、戦争の時にも敵の情報伝達機能を完全に停止させることができ、兵器の機能をも停止させることができるかもしれませんので、最も驚異的な攻撃のように思えます。
この電磁パルス攻撃は、人を直接殺害するわけではありませんが、コンピュータ管理されている水道や物流をも全て止めてしまうため、後々大量の人が餓死してしまうと思われます。

こういった様々な兵器があるのに、核だけを持つ持たないの議論をしているのは、少し違和感を感じざるを得ません。
核だけではなく、そういった大量殺人兵器も考慮して議論すべきかと思います。

また、大量殺人兵器で殺されてしまうのは、民間人だということの方が、もっと大きい問題ではないでしょうか。
戦争においての攻撃対象は、あくまで敵国の軍人であり、罪のない民間人を殺すべきではありません。

太平洋戦争時に広島と長崎に落とされた原爆は、何十万人もの民間人の命を奪いました。
日本の暴走を止めるためとは言え、民間人を大量に虐殺するのは、戦争の暗黙のルールにも反します。

こういったことを議論すべきであり、核だけを議論するというのは、視野が狭いと言わざるを得ません。
もちろん、何も議論しないよりは良いのですが、核だけでなく、様々な兵器や、そのターゲットまでも考える必要があるのかと思います。

 

■電磁パルス攻撃

上でも挙げた電磁パルス攻撃ですが、もし核兵器を所有していない国であっても、この電磁パルス攻撃ができる国なら、核は必要ないと思われます。

もし、敵国が核兵器を所持していたとしても、先に電磁パルス攻撃を行い、都市部の電子機器を全て停止させてしまえば、核兵器すらも動作しなくなる可能性があります。
もちろん、核兵器を分散させて配備させているとは思いますが、一部のネットワークを封じるだけでも、情報伝達が困難となり、ヘタに核兵器も使えなくなる可能性は高いでしょう。

電磁パルス攻撃も、迎撃ミサイルなどで阻止されてしまう可能性もありますが、それは核兵器も同様の話です。

電磁パルス攻撃をした例がないため、どのくらいの被害が出るかは私には分かりませんが、都市部のコンピュータ機能を全て停止させることができるなら、核兵器に匹敵するほどの威力と言えます。
先ほど書いたように、人を直接殺害することはなくとも、水道や物流のシステムも止めるため、大量の人が餓死してしまう可能性があるからです。

各国がどのくらい電磁パルス攻撃の開発が進んでいるのか分かりませんが、もしこの攻撃ができる国があるとすれば、核兵器を所有しているのと同じような扱いをしなければならないかもしれません。

日本も核を所有することはできなくとも、電磁パルス攻撃をできるようにしておけば、戦争の抑止力となるかもしれません。
まぁ、憲法9条の戦争の放棄のせいで、こういった研究は進んでいないのかもしれませんが、いざ日本も戦争に巻き込まれたとなってからでは遅いので、今のうち開発は進めておいた方が良いとは思います。

 

■軍事力のバランス

日本は戦争を放棄していますが、自衛隊は保持しています。
その時点で既に憲法9条に反していますが、自衛は必要と私は考えます。

そのため、憲法の方を変える必要があるかと思いますが、どのように変更するのが良いかなどは以前も書いてきました。

いずれの国も軍事力が0というのは良くありません。
軍隊がいなければ、国を守ることがでぎず、他の国に支配されてしまいます。
永世中立国であるスイスも、スイスアーミーと呼ばれる軍隊を所持しています。

しかし、軍事力を増大しすぎてはいけません。
軍事力を強化し続ければ、他国から間違いなく警戒され、戦争の準備をしていると非難されます。
最悪の場合、これ以上の軍事力増大を恐れた国が攻撃をしかけ、戦争状態に突入する可能性もあります。

また、軍人は強大な力を持つことで、それを使いたいと思うようになり、以前の大日本帝国のように暴走しやすくなってしまいます。
政治として、念の為に軍事力を強化しただけだったとしても、軍人たちは政治家に従うとは限らず、力を持った人たちは、欲に溺れて力を誇示したいために暴走してしまうことがあるのです。

なので、軍事力はバランスが大事ということになります。
軍事力は小さすぎても大きすぎてもダメということです。

また、日本は戦争を放棄しているから、自衛隊などいらないとか、軍事費を減らせというご意見もありますが、軍事力を縮小すればするほど、中国やロシアなどの圧力が高まるため、政治的にも不利になる可能性は高いでしょう。

平和が続いていると、どうしても軍隊はいらないという発想になってしまいがちですが、戦争の抑止力はもちろん、外交や、さらには貿易の有利、不利によって、自国経済にも影響することですので、軍事力のバランスというのは、大変重要な要素です。

平和ボケすることなく、広い視野で見て、自国の軍事力や軍事費はどうすれば良いかなど、考えるようにしましょう。

 



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2 件のコメント 戦争について考える7

  1. 管理人 より:

    コメントいただきまして、ありがとうございます。
    少し説明不足だったと思いますので、記事に追記をしておきました。

    おっしゃる通り、基本的には日本は非核化を目指してはおりますが、先日開催された核拡散防止条約再検討会議では、非核化に賛成しなかったということです。

    ご指摘いただき、ありがとうございました。

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