サバイバル術
都会に住んでいればあまり役には立たないかもしれませんが、もし映画のように飛行機が海に墜落し、無人島に置き去りにされた場合などに使えるサバイバル術を少しご紹介させていただこうと思います。
■無人島で一番役に立つアイテム
「もし無人島に一つだけ何か持っていけるとしたら何が良いか」
という質問に対する回答は、迷わず「ナイフ」と言っておくのが無難です。
実際、ナイフは様々な用途に使えますので、万が一、無人島に一人きりになった時、ナイフがあれば生存確率が上がるくらい便利なアイテムです。
食べられるものを探す時に、生い茂った草をかき分けて道を進むときにも、邪魔な草木をナイフで切ることができますし、食べられそうな野草を採取する時にも使えます。
魚や草食動物を捕ることができれば、ナイフでさばくこともできますし、これらを捕らえるための道具もナイフで作れます。
火を起こす時にも、火起こし用の木を作ったり、火種となる草や木くずを作る時にも使えます。
さらに、逃げる時のためのイカダ作りにも、ナイフがあった方が良いでしょう。
このように、ナイフ一本あれば、食事から、住むところや移動手段の確保など、様々な用途に使えますので、本当にサバイバルが必要な状況では、ナイフは非常に便利なものです。
ただ、ナイフがなくても、石を上手く割って尖らせた部分をナイフの代わりにすることもできますが、なかなか簡単にはできませんし、できてもナイフのように使いやすくはないので、いざという時のために、ナイフを用意しておくのも良いかもしれません。
■火の起こし方
無人島などでは、火を起こすことは、様々な面で有効です。
寒い時期であれば、暖を取れますし、夜中に寝る時も、火をつけておけば、人を襲うような動物からも身を守ることができます。
そして、何より食事の確保でしょう。
魚などであれば、生でも大丈夫かもしれませんが、草食動物を食べる場合は、やはり火を通さないと、菌に身体をやられてしまう場合があります。
火を通せば、大抵の菌は死滅しますので、焼いて食べるようにするのが無難です。
とは言いましても、ライターやマッチがない状況で、火を起こすのは簡単ではありません。
火の起こし方ですが、棒のような木と、板状の木を用意して、棒側は片方の先端を丸く削り、板状の木には、真ん中辺りに少し窪みをつけるように削ります。
次に火種を用意します。
ナイフが必要ですが、草を集めたり、木くずなどを作って、すぐに燃えるような物を板の窪みに集めます。
焚き火用の木も集めておきましょう。
準備ができたら、火起こしをします。
テレビなどで見かけた方もいらっしゃると思いますが、棒を板の窪みに当てて、棒を両手で回転させ、摩擦によって火種に火をつけるというものです。
火種に火がついたら、焚き火用の木に火を移せば完成ですが、実は火種に火をつけるという工程が非常に難しいのです。
時々息を吹きかけて酸素を送りながら、棒を回し続けるのですが、うまくできない人だと、何時間、何日やってもできないこともあるそうです。
もし、太陽が出ている時に、虫眼鏡かペットボトルがあれば、簡単に火を起こせます。
虫眼鏡で太陽光を集中させ、火種に火をつける方法なら、数分で火がつきます。
ペットボトルの場合は、水か海水を満タンに入れ、虫眼鏡の要領で、ペットボトル底の方を使って太陽光を集めれば、火を起こせます。
虫眼鏡よりは時間がかかりますが、同じ原理で屈折率を変えることで、太陽光を1点に集中させ、熱を高める方法です。
火を起こすには、他にも方法があるようですので、もし興味があれば、ネットなどで調べていただければと思います。
まぁ、ナイフを用意できるくらいなら、そういう時のためにチャッカマンなども用意しておくという方が良いかもしれません。
■飲水の確保
水の確保は、生き残るために最も重要なことかもしれません。
雨が降れば、雨水を集めて飲むということもできますが、もし雨が降らなければ、別の方法で水を確保しなければなりません。
川や湖などがあれば、水には苦労しませんが、小さな無人島の場合は、そのようなものはあまりない場合が多いです。
周囲に海水はたくさんあっても、海水は塩辛すぎて飲めたものではありません。
火が起こせれば、海水から水を作ることはできます。
ただ、これは色々と道具が必要ですので、難易度はかなり高いですが、一応簡単に説明しておきます。
必要なものは、大鍋、中華鍋、コップ(小さな器)、シートまたは大きめの濡れタオル、柵を作るための木、紐、焚き火などですが、代用できるものがあればそれを使います。
まず、柵のようなものを作り、大鍋を吊るし、大鍋に海水を入れます。
海水の真ん中にコップを浮かべ、大鍋の上に中華鍋をぶら下げます。
中華鍋がなければ、シートなど蒸発した水を真ん中に集まられるものをぶら下げます。
火を起こして、大鍋を温め、シートか濡れタオルで水分が逃げないように囲んでおけば、蒸発した水が中華鍋またはシートによって冷やされ、水滴となってコップに落ちてくるので、何時間かすれば、ある程度の飲水を確保できるでしょう。
火を起こさずに真水を作る方法としては、太陽熱を使う方法もあります。
こちらは穴を掘って、周囲に海水を入れた器を起き、真ん中に空のコップを起きます。
次に、穴をシートで塞ぎ、落ちないように石などで固定し、真ん中に軽い石を置いて、中の水蒸気が真ん中のコップに落ちるようにすればOKです。
時間はかかりますが、太陽熱で中の海水が蒸発し、シートについた水滴が真ん中のコップに滴り落ちるというわけです。
いずれの方法も道具の準備が大変ですし、場合によっては道具が揃わず、できない場合もあるかもしれません。
その場合は、食べるものから水分を摂取するしかないでしょう。
草や植物の実などから水分を採ることはできますし、魚にも脊髄に塩分の少ない水分が蓄えられているそうです。
朝寒い場所では、植物の葉に朝露が付いていることがあるので、集めて飲むのも良いでしょう。
また、ヤシの実があれば、ほとんどが水分ですので、ヤシの実を落として穴を空けて飲むというのも有効です。
生きるために、水の確保が不可欠とは言え、実はこれが一番難しかったりします。
いざという時のために、知識を身につけておくのも良いと思います。
■方角を知る方法
現代人は、スマフォで簡単に現在地や方角を知ることができますが、無人島で何も持たずにさまよう場合、方角を知ることは簡単ではありません。
方位磁石があれば、すぐに方角は分かりますが、なかった時に、方角を知る方法を少しご紹介します。
昼間であれば、アナログ時計で方角を知ることができます。
アナログ時計を、12時が左になるように水平にして手に持ち、短針を太陽の方角に向けます。
12時と短針の真ん中が、南になります。
これは、太陽が東から昇って南に向かって進み、ちょうど12時に真南に太陽が移動し、その後も西に向かって沈むためです。
詳しい説明が必要であれば、ネットなどでお調べいただければと思いますが、これは北半球の場合です。
南半球にいる場合は、12時を太陽に向け、短針と12時の真ん中が北となります。
夜で太陽が出ていない場合でも、星の位置で方角が分かる場合があります。
北極星が見つかれば、その方角が北となります。
北極星を見つけるには、北斗七星を探します。
北斗七星の7の上の部分から左の方向に、上の辺を約5倍した距離に北極星があります。
また、もし木の切り株を見つけた場合でも、方角が分かります。
年輪の間隔が広い方が南で、年輪の間隔が狭い方が北となります。
これは、木が南側から太陽光を受け、南の方がたくさん成長するためです。
もちろん、南半球にいる場合は、北側から太陽光を受けることになり、年輪の間隔が広いほうが北になりますので、注意してください。