不動産は賃貸と購入どちらか得か
今回は不動産の賃貸と購入のどちらが良いかの検証をしてみたいと思います。
■自分の状況によりどちらが良いかが変わる
私も一人暮らしが長く、結婚はしていないのですが、不動産をどうするかを検討したことはあります。
結論を言うと、結婚をして家族が多いという人は不動産を購入した方が良いかもしれませんが、一人暮らしで結婚の予定もないのであれば、賃貸で十分ということです。
不動産を購入するメリットは、お金を支払いきってしまえば自分の不動産となり、財産として残る上、それ以上のお金を払う必要はないということです。
もし、地価が上がれば売った時に儲けが出ることもあります。
不動産購入のデメリットとしては、まず、ほとんどの人がローンを組まないと買えないということです。
次に、地震や火災などで不動産を失った場合に財産がなくなってしまいます。
その場合で、ローンが未完済であれば、何もないものに対してお金を支払い続けなければなりません。
これは東日本大震災で、家を失った方は痛感したことだと思います。
もちろん、保険に入っていれば保険金が下りる場合もありますが、保険金が下りる条件が厳しいところも多いですし、火災保険や地震保険などの普段の保険金支払いも結構な負担となります。
また、隣人とのトラブルに遭ったり、電車や飛行機などの騒音問題だったり、地盤沈下、振動などの問題が後から出てきた場合に、解決が難しいというのもデメリットとして挙げられます。
建設業者のずさんな工事によって、色々問題が出てくる場合もありますが、これも建築業者が悪徳業者の場合は、問題が解決できない場合もあります。
賃貸の場合は、上記のような問題が出てきても、すぐに引っ越せば解決できるというメリットがあります。
不動産に問題が生じても、基本的には持ち主のものですので、自分が解決する必要がないのです。
地震や火災などで不動産が消失しても、自分は引っ越せば良いというのが最大のメリットと言えます。
対して賃貸のデメリットは、賃貸料を支払い続けなければならないということと、賃貸料をいくら支払っても、不動産は自分のものにはならないということでしょう。
■不動産購入の注意点
日本は地震大国であり、不動産が消滅する危険が他の国より大きいので、高いお金を支払って不動産を購入するのはあまりお勧めできません。
ただ、家族が多いというご家庭であれば、子どものために不動産という財産を残すということもできますし、賃貸では月々の支払いが苦になるという方も多いでしょう。
また、都会ではなく、田舎に住む場合は、土地も建物も安い場合が多いので、購入した方が良いかもしれません。
もちろん、お金に余裕がある人も、不動産を購入しても良いかと思います。
しかし、先ほど挙げた不動産購入のデメリットも多いので、慎重に判断していただければと思います。
不動産を購入する場合の注意点としては、場所によって災害を警戒して判断する必要があるということです。
山に近い場所なら土砂災害があるかもしれませんし、川に近い場所なら洪水が、海の近くなら津波の心配が、火山の近くなら噴火や火山灰の心配もありますし、その他の地域でも地盤沈下の心配がないかも考慮する必要があります。
もちろん、線路や飛行場などが近ければ、騒音や振動の問題がありますので、注意しましょう。
近隣住民にトラブルを起こしそうな人がいないかも予め調べておく必要があるでしょう。
また、どの場所でも地震には警戒しておかなければなりません。
日本の場合でも、地震が起きやすい場所と、起きにくい場所があります。
なるべく地震が少ない地域が良いですが、それでも大地震が起きないとは限りません。
安全なのは、最近、大地震が起きたところなら、すぐにまた大地震が起きる可能性は少ないので、そういった地域が良いかもしれません。
ただし、東日本大震災のような規模の場合は、余震で震度6クラスの地震もくるので注意が必要です。
また、場所が決まっても、建設業者を慎重に見極めなければなりません。
もし、気づかずに悪徳建設業者に依頼してしまった場合、取り返しのつかないことになります。
家が傾いていたり、水漏れが起きたり、手抜き工事で耐震性がほとんどなかったなど、ニュースでよく耳にする話です。
もし、そんな業者に自分が依頼してしまったら、お金も戻ってこず、家も直してくれないという、大変な事態に陥ってしまいます。
少しでも安いところでという気持ちは分かりますが、安かろう悪かろうという面は少なからずありますので、不動産のような大きな買い物をする時はあまりケチらず、また、高いからと言って絶対に安全というわけでもありませんので、きちんと問題ない建設業者なのかを見極める必要があります。
■購入した不動産を貸す
もう一つ、不動産購入のメリットがあります。
それは、購入した不動産に自分が住まず、他の人に住んでもらって賃貸料を取れるということです。
住んでくれる人がちゃんと見つかれば、ローンを組んでも、住んでくれる人の賃貸料である程度はローンがまかなえます。
ローンの支払いが終われば、その後の賃貸料は儲けとなります。
さらに、他の人が住んでいても、自分の財産として残るというメリットもあります。
こう書くと、誰もがそうした方が良いのではないかと思うかもしれませんが、もちろんデメリットもあります。
上で書いたように、災害等で不動産が消失してしまう可能性もありますし、トラブルなどがあれば、誰も住んでくれなくなるかもしれません。
また、住んでくれる人を探すのも結構大変ということです。
自分で探しても良いのですが、大抵の場合は不動産業者に頼むことになります。
不動産業者に頼めば、結構な額の手数料を取られます。
さらに、住んでくれる人が長く住んでくれるなら良いですが、何年かで引っ越してしまうのが普通ですので、その度にまた住んでくれる人を探すために不動産業者に手数料を支払うということになります。
もし、住んでくれる人が見つからない場合は、その間は当然、賃貸料の収入も0ということになります。
■自分の状況をよく判断する
結局、不動産購入も賃貸も、一長一短であり、自分の状況に合わせてどちらが良いかを判断する必要があるという結論になってしまいます。
私は一人暮らしで、結婚の予定もないので、賃貸で十分と判断しております。
私も親や兄弟に、不動産購入して他の人に住んでもらって賃貸料を取ることを勧められたりもしましたが、やはりリスクが大きいので、やらないことにしました。
もちろん皆さんは、それぞれ状況が異なりますので、不動産は購入が良いか賃貸が良いかは、それぞれ判断していただければと思いますが、購入はやはりリスクが大きいので、慎重に検討していただければと思います。
どうもこんにちは。ブログをよく読ませていただいています。ドイツからの留学生です。私はこれからの日本社会の現状を考えると、今までのように新築を購入することは不合理的だと考えています。30年ローンなどの長期ローンは終身雇用が一般的だった高度経済成長期であったからこそ受け入れられていて、欧米化してきた働き方には合わないからです。ローン支払いは最初は辛くても後から楽になるといった年功序列も排除され、不動産も地方では高齢者が都市付近の老人ホームに移っていくため、空き家が増加しています。2050年くらいまでは東京の人口が減ることはないと推定されていますが、東京の不動産の価格が減少するのも時間の問題でしょう。
ですので、新築購入は少なくなっていき、誰も住まなくなった空き家や、アパート賃貸がこれからは主流になっていくのではないでしょうか。
それと、日本の法律なのですが、非常に時代遅れと感じるところがあります。住宅関係では、新築を購入する際の税金控除です。東京には新築を建てる土地がなく、地方では空き家が増加しています。新築の需要がこれほど少ないにもかかわらず、政府の新築を増やすことを推進する姿勢には疑問を抱いています。新築の税控除を廃止し、若者の賃貸を支援するべきだと思います。これについてどう思いますか?
Wurst様。
コメントいただきまして、ありがとうございます。
賃貸が主流になってくるというのは、おっしゃる通りかと思いますし、私も同じ意見です。
ただ、そうは言いましても、国民全員が賃貸となるわけにはいかず、誰かが購入して貸し出さなければ成立しませんよね。
そのため、不動産購入が0になるということはありません。
記事にも書いたように、賃貸料を支払い続けるのが嫌だと言う方もいらっしゃいますし、お金持ちは一括購入できるので、ローンを組む必要がない方もいらっしゃいます。
また、ご家庭を持っている方なら、子どものためにもマイホームを購入したいと考える方も多いはずです。
もちろん、おっしゃるように、近年の不況により、現代人には不動産購入が難しくなっている方が増えているのも事実かと思います。
法律については、私はそれほど詳しくないですが、おっしゃるように新築の税控除を見直し、賃貸を優遇するというのは、素晴らしいご意見かと思います。