経営者目線で考える2
前回に続きとして、経営者でない人でも経営者の視点で考えてみると良い点について、少しご紹介させていただければと思います。
■人件費を考慮する
日々の生活の中で、自分の労力を惜しまずにお金を節約するという人も多いかもしれませんが、自分の人件費という意味で、自分が動いた時間とお金を計算した方が良い場合があります。
例えば、スーパーマーケットなどを何件も回って、少しでも安いところで買い物をするという人がいらっしゃるかもしれませんが、それで節約できる金額は微々たるものかと思います。
自分の時給が1,000円だったとして、買い物に3時間費やしたとすると、人件費は3,000円となります。
通常の買い物が1時間だったとしたら、人件費は2,000円余計にかかったことになります。
その時の買い物で2,000円も得をしたならプラマイ0となりますが、それ以下なら自分の労力の方が多いという計算になります。
自分の時給は、月々の手取りの給料から、勤務時間で割れば出てきます。
例えば、月の手取り給料が20万円だとして、勤務日数が20日で、1日8時間勤務なら、月の勤務時間は160時間ですので、20万(円)÷160(時間)=1,250(円/時間)となり、時給は1,250円となります。
大体の自分の時給を出しておくと良いでしょう。
節約するという時も、自分の労力と金額を計算して、本当に得なのかをよく考えてから行った方が良いでしょう。
労力の方が多いなら、そういった節約をせずに、自分が働いて収入を増やした方が得となる場合もあります。
物を大事にすることは良いことですが、労多くして功少なしとなる節約となってしまうなら、実行するかどうかよく考えるようにしましょう。
また、物を買う時、商品の金額が驚くほど安い場合、なぜそれほど安いのかを考える必要がありますが、この時、原価の他に人件費も考慮しましょう。
お店側が商品を売る際、必ず多くの人が関わっており、人件費が膨大に発生します。
それらを考慮すると、商品の金額が安すぎるのは、何か裏があったり、全く使い物にならない物なのではないか、と疑う必要も出てくるでしょう。
もちろん、お店側の善意や、単なる客寄せのサービス品である場合もあるので、激安商品を買う時はその辺りを見極める必要があります。
■採用面接を受ける時
新卒であれ、転職であれ、採用面接を受ける際は、コツがあります。
明るくハキハキとしゃべることや、身だしなみ、礼儀作法はもちろんですが、やはり一番必要なのは、採用者側の立場に立つということです。
会社側がどういった人を欲しがっているのかや、自分がそれに当てはまっているかをよく考えることです。
当てはまっているなら、それを主張すると効果的でしょう。
当てはまってなくても、自分のやる気があれば、これから勉強したり、努力するということをアピールすることです。
要は、採用者の人が、この人と一緒に仕事をしたいと思わせれば良いわけです。
私が新卒の就職活動の時、この会社に入りたいというところを決めて、何とかその会社に入れたのですが、もし落とされたら、
「どうしても御社で働きたいので、もう一度面接を受けさせていただけませんでしょうか」
とお願いするつもりでした。
それだけのやる気を見せれば、会社側としても悪い気はしないはずです。
ただ、自分の実力が不足していたり、やる気に嘘があっては後でトラブルになる可能性もあるので、履歴書や面接で嘘をつくのは止めましょう。
あくまで等身大の自分を見せ、会社側に認めてもらう必要があります。
■女性の採用は男性よりリスクがある
男女差別をするわけではないですが、残念ながら、採用者の立場に立つと、男女どちらでも良い仕事の場合、男性の方がリスクが低いと言えます。
と言いますのも、やはり女性は結婚や出産などで、退職や休職する可能性が男性よりも高いからです。
近年は、男女共働きが増えているので、結婚で女性が退職する率は減りましたが、出産は女性しかできません。
急に何の予告もなく、出産するのでしばらく仕事を休ませてほしいと申し出る可能性があるわけですから、会社側としては、これはリスクとなります。
その人の穴を埋めるために、他の人を雇ったり、社内の別の人間に引き継いでもらったりしなくてはならないわけですから、かなりの手間となってしまいます。
もちろん、本来は男性も育児休暇などがあるので、同様のリスクはあるのですが、現状は育児休暇を取得する男性もそれほど多くはなく、男性の方がリスクが低いという印象は拭えません。
これは男女差別ではなく、会社側としては現実的に考えればやむを得ないことです。
女性としては、コールセンターや受付など、女性に向いている仕事がありますので、そういったところを中心に考える方が良いかもしれません。
もちろん、自分のやりたい仕事がある場合はそうも言っていられませんので、差し支えがなければ、採用面接時に出産予定や産休の事前報告などを話しておくと良いと思います。
■会社の業績を考える
何か商品を買う時や、サービスを受ける時に、その会社の業績が気になる時があります。
会社の業績を考える時、株価などでも判断はできますが、その会社の立地場所、チラシなどを見る方法もあります。
立地場所は、家賃が高そうな場所にあったり、自社ビルを持っているような会社は間違いなく業績が良いと言えるでしょう。
チラシは、紙質を見ることです。
紙の厚さ、きれいな印刷かなどで、ある程度儲かっているかどうかの判断基準にはなります。
もちろん、業績が良さそうだからと言って、良い会社とは限りません。
儲かっている会社=良心的な会社というわけではないからです。
同様に、ブラック企業と言われる会社は、お客様にとっては悪い会社とは限りません。
ブラック企業と言われるのは、社員への対応が厳しいとか、理不尽というところがほとんどですので、お客様への対応がしっかりしている可能性もあるのです。
もちろん、ブラック企業といっても様々なものがありますので、必ずしもそうとは限りませんが、ブラック企業という噂を聞いたからと言って、客としてサービスを受けない方が良いということにはならないかと思います。
いずれにしましても、自分の目でよくよく見て判断する必要はありますので、様々な点を考慮するようにしましょう。