嘘を見抜く

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日常生活や仕事で、親しい人の嘘を見抜きたいという方もいらっしゃると思います。
嘘を暴くのではなく、嘘を言っていると見抜くことができれば、その後の人間関係や会話が円滑に進むこともあります。
今回は、嘘の見抜き方を少し考えてみたいと思います。

 

■社交辞令やお世辞を見抜く

以前、このサイトでも、ついて良い嘘というのをご紹介しました。
それは、他人のための嘘で、社交辞令やお世辞がその代表です。

人間関係を円滑にするために、正直に言ってしまったらそれが壊れる可能性がある場合、相手を気遣って嘘をつくのが社交辞令やお世辞です。
しかし、社交辞令やお世辞も、場合によっては、相手を傷つける恐れがあります。

それは、後で社交辞令やお世辞だと分かった時にショックを受けてしまう可能性があるということです。
例えば、友達に
「今度、ディズニーランドに遊びに行こうよ」
「いいね。行こう行こう」
と応えてくれたのに、後でメールなどで具体的に予定を聞くとはぐらかされてしまって、社交辞令と気づき、楽しみにしていたのにショックを受けてしまうこともあるでしょう。

そのくらいならさほどのショックではないかもしれませんが、別の例として、気になっている職場の異性に
「今度二人で食事でも行きましょうよ」
「いいですよ」
と言ってくれて、恋人になってくれるかもしれないという喜びがあったのに、後でメールすると無視されて、会社内の人間関係を壊したくないための社交辞令だったと分かると、立ち直れないほどのショックを受けることもあるかもしれません。

また、服をお店で買う時に、友達に
「それいいね~。パーティとかで使えるかも」
などと言われ、その服で別の友だちとパーティに行ったら、
「何その服?何かのコスプレ?」
などとバカにされてしまい、お世辞だったと気づき、恥をかいたといった例もあるでしょう。

このように、社交辞令やお世辞は、ついても良い嘘とは言え、後で相手を傷つけてしまう場合があります。
もし、社交辞令やお世辞を言われた方は、その時に気づくことができれば、
「あ、これは自分を傷つけないために言ってくれているんだな」
と分かり、後でショックを受けることが少なくなります。

では、どうすれば社交辞令やお世辞を見抜くことができるでしょうか。

これは、私にも非常に難しい問題でして、私もこういった嘘を見抜くことが苦手で、何度も社交辞令やお世辞に気づかず、後で傷ついたこともあります。
嘘を見抜く本や心理学の本なども、いくつか読んでみましたが、社交辞令やお世辞を見抜く方法まで書いてある本はありませんでした。

社交辞令やお世辞を見抜くには、全てを疑ってかかる必要があるということです。
もちろん、親しい友だちの言葉を全て信用するなということではありませんし、会話中にそのような意識を持ってしまっては、返って会話がぎこちなくなってしまうでしょう。

なので、社交辞令やお世辞の可能性がある部分に限り、嘘の可能性があるという意識を持っておく必要があります。
社交辞令は、どこかに誘った時や何かを依頼した時などに使われるものです。
お世辞は、自分や自分の所持品、自分の家族や会社などを褒めてきた時に使われるものです。

もちろん、相手が本心で言っている場合もありますし、親しい友だちの場合は、ほとんどがそうでしょう。
ただ、少しでも嘘の可能性があると頭の片隅に置いておくことで、後で社交辞令などの嘘だったと分かった場合に、ショックが少なくなります。

その上で、社交辞令やお世辞を見抜くには、具体的な質問をするようにしましょう。
飲み会やデートなどに誘って、OKの返事をもらった時は、場所や日にちなどをその場で聞いてみることです。
「今度飲みに行こうよ」
「いいよ」
「今月の○○日の夜はどう?」
「あ~、その日は空いてないんだよ」
「じゃ、××日は?」
といった感じです。できれば、約束までしてしまった方が良いでしょう。

社交辞令だった場合は、何らかの理由をつけて、今は答えられないので、後でメールするといった回答になるはずです。
ただし、本当に後で予定をメールしてくれる場合もあり、必ずしも社交辞令とは限りませんので、あくまで目安としていただければと思います。

自分を褒めてきた時にお世辞かどうかを見抜く場合も、同様に具体的な部分を質問してみましょう。
「その服、可愛いね~」
「そう~?どの辺がかな?」
とか、
「どうしてそう思うの?」
と聞いた時に、相手が考え込んでしまったり、口ごもったりしたら、お世辞でしょう。
お世辞でない場合は、具体的な質問でもすぐに答えてくれるはずです。
ただし、あまりしつこく質問すると、本心であってもウザいと思われますので、注意しましょう。

また、社交辞令やお世辞と見抜いた場合でも、それを指摘するのは控えた方が良いです。
相手も、自分を傷つけないために言ってくれている嘘であり、悪気があるわけではありません。

社交辞令やお世辞かなと思ったとしても、それを心に留めておき、その場では
「ありがとう」
とだけ言い、お互いの人間関係が壊れないようにしておくのが最も良いかと思います。

 

■採用面接でやる気を見抜く

もう一つ、私が嘘で困ったのが、私が経営する会社で、自分で未経験のアルバイトを採用する際に、面接時のやる気があるという言葉を信じて採用したのに、いざ雇ってみると全くやる気が感じられず、会社に損害を出してしまったことがあります。

面接時には、応募者も必死で自分をアピールしてくるもので、その当時はやる気があっても、いざ雇われて働いてみると、安心してしまってあまりやる気を出さないというのも仕方がない面もあります。

このため、採用者側は、応募者の「やる気はあります」という発言が嘘かどうかを見抜くのは非常に難しいと思います。
中途採用であれば、多少の経験がありますので、職務経歴書や職場での体験談などを聞けば、多少は見抜けるとは思いますが、新卒採用の場合は、クラブ活動やアルバイト経験などからしか、やる気の情報は引き出せません。

この経験や体験談からやる気がありそうだと判断しても、本当にそうとは限らないのが実情でしょう。

私も、まだ確実に応募者のやる気があるという嘘を見抜く方法が分かったわけではありませんが、一つの方法として、面接時に何かハードルを設け、それを乗り越えてくるかどうかで、やる気を判断する方法があります。

例えば、
「うちは交通費が出ませんが、それでも働きたいですか?」
といったものです。
それでも働きたいと言うのであれば、やる気がある可能性は少し高いと思われます。
もちろん、本当にやる気がある人でも、そういった条件では嫌だという人もいらっしゃるかもしれませんし、やる気がない人であっても、その程度は問題ないという方もいらっしゃるかもしれませんので、確実ではありません。

待遇面を変えることができないのであれば、何か課題を出すという手もあります。
これは会社内で行う採用試験ではなく、自宅で行って提出してもらう形が良いでしょう。

採用試験では実力は分かりますが、やる気があるかどうかは見抜けないからです。
自宅で課題を行ってくるほどとなると、かなりその会社で働きたいというやる気があると思われるのです。

課題というのは、何でも良いですが、専門職なら専門職向けの課題が良く、事務職や営業職であっても、通常のSPIなどの採用試験ではなく、自宅で行えるような独自の課題を作成するのが良いかと思います。
採用担当者の方は、現場の声を聞いてどのような課題を作成するのが良いかの意見を聞いてみるのも良いでしょう。

ただ、これをクリアしたとしても、やる気があるという確実性はなく、あくまで目安となります。
先ほど書いたように、採用時は本当にやる気があったのに、いざ雇われて働き始めるとやる気があまり出ないという方も、いないとは限らないからです。

私も、面接時の嘘を見抜けるようになっているわけではありませんので、あくまでも参考程度に留めていただければと思います。

 



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