日本人はなぜ英語を話せないのか
日本人は中学校から、高校、大学まで進学すれば、実に10年近くも英語を勉強することになりますが、英語をネイティブに話せる人はかなり少ないのではないでしょうか。
では、なぜ日本人は英語を話せないのでしょうか。
■話せないのではなく、話したくない
日本語と英語には、決定的な違いがあります。
もちろん、
「文法が違う」
「発音が違う」
といった基本的なこともありますが、それ以上に違う部分があります。
そもそも、その言語の違いがアメリカ人や日本人の性格を決定付けていると言っても過言ではありません。
■日本語は思いやりの言語
では、何が決定的に違うかを言いましょう。
それは、日本語を使っていると、自然に相手を気遣う心が生まれることです。
分かりやすい例をあげましょう。
英語と日本語で、応えが真逆になる文があることを、英語の授業で習ったかと思います。
否定文で質問するときです。
例えば、
「Don’t you feel cold?」
「寒くないですか?」
と質問した時、寒くないですと応える場合は、日本語では
「はい、寒くないです」
ですが、英語では、
「No, I don’t feel cold.」
となります。
「はい」と「No」
真逆です。
なぜでしょうか?
この答えは、誰が主体になっているかを考えればすぐに分かります。
日本語では、
「寒くないですか?」
「はい、あなたのおっしゃる通り、寒くないです」
となり、相手主体で応えます。
ところが、英語では、
「Don’t you feel cold?」
と聞こうが、
「Do you feel cold?」
と聞こうが、自分が寒くなければ、
「No, I don’t feel cold」
になります。つまり、自分主体です。
これが、決定的な違いです。
日本語を話していると、自然に相手側に立って話すことになり、相手を思いやる気持ちが生まれます。
敬語が豊富なのも、その理由の一つと言えます。
ところが、英語を話していると、「俺が」「私が」という自分主体の性格に近づいていきます。
心優しい日本人は、これを嫌います。
■感情やアクセントをつけなければならない
もう一つ、言語の違いを述べましょう。
英語の場合、ボキャブラリーが少ないせいで、感情やアクセントをつけなくてはならなくなります。
例えば、
「何してるの」
と言えば、今何をしているのかを聞いていますが、
「何やってんだ」
と言えば、今やっていることを注意しているのが分かります。
これは、特に強弱をつけなくても意図は伝わります。
ところが、英語ではどちらも、
「What are you doing?」
になり、全く同じ文です。
今やっていることを注意する意味合いで言うなら、強い口調で、
「What are you doing!!!!!」
と感情を込めなくてはなりません。
日本語なら特に感情を込めなくても意志が伝わるものが、英語では感情を込めなくては伝わりません。
このボキャブラリーの差のせいで、ボディアクションや感情を含めて話すことが必要になるわけです。
日本語を元々話すことができる日本人は、この感情を込めたり、アクセントをつけたりすることが苦手です。
英語を話せないのは、単に言葉の違いのせいだけではないことが分かります。
■日本語は美しい言語
日本人が英語を話せない理由は、こういった理由があります。
だからと言って、国際化する近代、英語を話せないままで良いというわけではありません。
英語を習得するには、やはり英語に触れている時間を長くするしかありません。
英語圏の海外に住むのが手っ取り早いですが、無理な場合は、映画を英語で観たり、洋楽を聴いたり、ネットで英語の勉強をしたり、などといった方法が考えられますが、英語を話せるようになっても、日本語の良さを忘れないように、心がけたいものです。
永遠のテーマでしょうね!!
日常の環境設定を変えない限り→公用語を英語にするしかないでしょう。