嘘を見抜く3
前回に続き、相手の嘘を見抜きたい時にどうすれば良いかを考えてみたいと思います。
■カマをかける
これは、別の記事にも書いたのですが、相手が嘘を言っているかを見抜きたい時、カマをかけるという方法があります。
カマをかけるというのは、相手が嘘をついているという前提で、話を先に進めてしまうことです。
例えば、携帯電話の履歴などから明らかに夫が浮気しているのに、夫が否定しているため、浮気かどうかを妻が確かめたい時、
「あなたが、この前女性と二人で歩いていたのを見たんだけど、あれは誰?」
などと聞いてみるという手法です。
もし夫が浮気していれば、動揺するはずですので、嘘かどうかが分かるかもしれません。
大事な取引先との飲み会を、新人営業社員が
「今日は予定がありまして・・」
と嘘っぽい感じで断ってきた時、
「あれ、今日は残業できると言ってたから予定は入ってないんじゃなかったの?」
と、カマをかけてみるのも一つの手段です。
もちろん、カマをかけるということは、自分も嘘をつくことになりますので、相手が嘘をついていなかった時、人間関係が悪化する恐れがあります。
どうしても相手が嘘をついているかを見抜きたい時は有効ですが、使いどころを間違えると自分の信頼問題にも発展しますので、注意していただければと思います。
■理詰めで質問する
相手の話が嘘かどうかを見抜きたい時、理詰めで質問するという方法があります。
これは、特に嘘の上手な女性に対して有効です。
理詰めで質問するというのは、話の詳細を順を追って質問していき、ボロが出るのを待つ方法です。
裁判などでもよく使われる手法かと思います。
例えば、先ほどの例のように、取引先との飲み会を新人営業社員が
「今日は予定がありまして」
と断ってきた時、
「それはどんな用事だ?」
「えっと、友達と食事をする約束をしてまして」
「それは何時頃?」
「20時くらいです」
「どこで?」
「・・新宿です」
「新宿のどの店だ?」
「・・・・」
などと問い詰めていく方法です。
嘘をついている場合は、どこかで話が行き詰まったり、辻褄が合わなくなってきたりします。
また、相手が後ろめたくなってきて、嘘だと白状する場合もあるかもしれません。
ただ、この手法は相当嫌な人だと思われる可能性も高いので、その辺りも注意しながら質問してみていただければと思います。
なので、もし相手が嘘をついていなかった場合は、
「いや、すまん。もしよければ、良いお店を紹介しようと思ったんだが、お店が決まっているなら仕方ないな」
など、フォローを入れるなどしておきましょう。
■相手や自分が記憶違いしている場合がある
過去のことで、相手が嘘を言っているかもしれないと思っても、完全に相手の思い違いという場合があります。
記憶違いというものですが、それは自分にも起こり得ることです。
実はこの記憶違いというのが最も厄介で、記憶を間違えてしまっているので、自分は嘘をついていないと本気で思っています。
仕事の依頼で、できあがった製品と、依頼した内容が異なっているとクライアントが言い出す例は多い思いますが、記憶違いによるケースもあるかと思います。
いわゆる、言った言わない議論というものです。
メールや議事録等で、記録が残っていれば問題ないですが、ない場合は当事者同士の記憶だけが頼りとなってしまいます。
クライアントとしては、嘘をついているのではなく、打ち合わせか電話で言いそびれたことを、言ったと記憶違いを起こしている場合があります。
この場合、嘘をついているという自覚がないので、厄介なのです。
対策としては、
「もし、その依頼があったのだとしたら、先日提出したお見積りの予算をオーバーしてしまうので、その旨を伝えていたはずです」
などと言って分かってもらうしかないでしょう。
ただ、受注側の自分の方が勘違いをしているという可能性もあります。
本当は依頼の話を聞いていたのに、すっかり忘れてしまい、そんな依頼は聞いていないと言い張ってしまいます。
この場合は、クライアントの方が困ってしまうことになりますので、自分の方がそういった記憶違いをしていないかを先に確認しておく必要があります。
もし、受注側が依頼を忘れてしまっていたなら、予算は後で相談するにしても、対応するしかありません。
こういったことを防ぐためにも、依頼があれば必ずメモを取る習慣をつけるなどの予防も必要です。
クライアント側としても、メール等で依頼し、後で確認できるようにしておかなければなりません。
このように、言った言わない議論は、どちらかが思い違いをしている可能性がありますので、まず自分が記憶違いを起こしていないかを確認した上で、相手の勘違いがあったかどうかを聞いてみるようにしましょう。
■暴かない方が良い嘘もある
嘘だと分かっても、暴かない方が良い嘘もあります。
暴いたところで、誰も得をしないどころか、不幸になる人が増えるだけなら、いっそのこと黙っておきましょう。
例えば、友達の仲の良い夫婦がいて、夫が妻でない別の女性と二人でホテルに入るのを目撃してしまった時、友達の妻に言うかは慎重にならなければなりません。
夫が浮気を繰り返すようであれば、言った方が良いとは思いますが、もし夫の浮気がそれっきりで、その後は真っ当な人生を過ごしているなら、言わない方が良い可能性もあります。
もし妻に話してしまったら、その夫婦は崩壊して離婚となってしまい、その夫婦の子どもも不幸になってしまうかもしれません。
告げ口をしなければ、みんな幸せになっていたかもしれないのです。
あまりこのような例はないかもしれませんし、暴かない方が良い嘘というのはあまりないかもしれませんが、そういうものがあるというのは、知っておいた方が良いでしょう。